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September.2005 part.3

 

 

 

  

 

 

9月17-19日 紀伊半島清流を訪ねて・秋(古座川&北山川)


痛快な瀬にゴキゲンなMamaとお尻が浮いてちょっとビビるAzu

 

 

初日 紀伊半島最南端へ

8月に楽しんだ古座・九龍島へのシットオンカヤッキング。海でのカヤッキングもかなり楽しかったけど、九龍島から戻って古座大橋をくぐって古座川に戻った時、何となく故郷に帰ったようなホッとした気分になった。我が家が長年慣れ親しんでるのは海じゃなく川...やはり川はいいのである。

そんなわけで、今週は“紀伊半島清流を訪ねて”の秋バージョン。夏も終わり、シュノーケリングも一段落した今こそコンディションの良い清流を下りたい!ジェットバッグを下ろして久々の3艇積み=ダッちゃんの正装でお馴染みの古座川&北山川へと出発である。暦通り休めるような優雅な身分にない僕は17日(土)は17:30まで仕事だし、Masaも卓球の大会があって帰宅は18:30。それからのんびりと準備を始め、いつも通り夕食を食べてお風呂に入ってたら結局出発は20:30になってしまう。でも、今の我が家には“走る2段ベッド”ダッちゃんという強い味方があって、いつでもどこでも就寝モードに入れるので、多少の遅れはノープロブレムだ。

今年10回目になる国道42号線ドライブ。窓を全開にして秋の涼やかな夜風に吹かれながら慣れ親しんだ道をのんびりと走るのは実に気持ちが良いもの。熊野市の道の駅「きのくに」で一度休憩した他は、明日の食料を買い込むために立ち寄った古座川河口のLAWSONまでノンストップで220kmを走る。古座大橋を渡り、右折して古座川沿いを進んで少女峰前の駐車場に到着したのは午前0時。川べりにダッちゃんを停め、窓に網戸をセット&ベッドを展開し、子供たちを寝かせた後は、堤防に座って冷え冷え缶ビールをプシュッ!少女峰のシルエットを浮かび上がらせる中秋の名月“イヴ”の虹色に傘をかぶった月を肴にしばしの寛ぎタイム...ただこの時間を過ごすためにここに来たっていい!そんな気分にもなる素敵な夜。


道の駅「きのくに」にて

少女峰、月、そして“走る月”“月光を浴びる黒耀石”“月食”の3艇


 

2日目 古座川ダウンリバー


朝日を浴びて輝く少女峰とダッちゃん

 

目が覚めたのは午前6:00。サイドウィンドウのシェードを上げると朝日を浴びて朱色に輝く少女峰とあくまでも蒼い古座川が絵画のように美しい。駐車場のトイレで洗顔をして歯を磨き、6:30にベッドに子供たちを寝かせたまま鶴川橋に移動する。今日は鶴川橋をダウンリバーのスタートとすることに決めているのだ。

古座川はもしかしたら日本で最初で唯一“カヌーイストの権利”が認められている川で、旧古座町が地域振興&観光客誘致のために早くからカヤックレンタル(PFD&パドル込み一日¥1000!)を始めてた関係で、古座川漁協との協定を結んで、鮎の解禁前は支流を含む全域、解禁直後以外は鶴川橋〜河口、9/21〜10/19までは一枚岩〜河口という感じで区域を決めて“カヌーのひとたち”に楽しんでもらいましょう、ということになっているのだ。(これはメチャメチャ内容が濃くてデザインも秀逸な新しい観光パンフレットにきっちり明記されている)もちろん、この取決めは何の強制力も持たないので、観光協会でカヤックをレンタルするわけではない我が家が遵守する義務はないけれど、せっかく地元の方々の尽力で芽生えつつあるこの素晴らしい取組みに水を差すことは本意ではないし、今日は最初から“なんちゃって”ダウンリバーのつもりなのであまり長い距離を漕ぐつもりもなかったからちょうど良い感じだ。


朝一番で鶴川橋へ移動

一時間ほど川遊びを楽しむ

ダッちゃんからカヌーを下ろし出艇準備をしてる間に朝食を済ませ、1時間ほど川遊びを楽しんで9:00ダウンリバーのスタート。天気予報が大外れで快晴&無風&ちょっと増水の古座川は素晴らしいコンディションだ。僕らが鶴川橋をスタートした直後、左岸の道路をレンタルカヌーで下る人たちのカヤックをルーフトップした“カヌータクシー”が次々に上流に向かうのが見える。古座海賊倶楽部は今日も大盛況のようで、スタッフの方々の顔を思い浮かべながら自分のことのように嬉しい気分になる僕だ。


いきなりの瀬!

ウキャキャキャ!なレベル

 


晴天の古座川を貸切り状態!

 

スタートしてからしばらくは痛快な小さな瀬と流れる淵が交互に現われ、ちょうど良い腕慣らし。
実はMamaがカヌーを漕ぐのは5月の日置川以来久々のこと(カヤックは何度か乗ったけど)。それでも、一旦身体が覚えたことは忘れないようで、右に左にとリズミカルに隠れ岩を上手く避けて、まさにパワーのない女性のお手本のようなパドリングを披露してくれる。
Masaは最初からお気に入りのベントシャフトパドルで器用にJストローク。右オンサイドのJストローク一辺倒の僕とは違って、彼の場合はオンサイドって概念がハナからなくて左右どちらでも同じに漕げる(長年のバウマン生活でスターンが僕なら左、Mamaなら右とスターンマンに合わせて漕ぐ習慣がついていているので)し、肘が柔らかくごく自然にクロスを入れたり素早くチェインジングしたりするので短いベントシャフトがぴったりみたい。でも、身長が伸びた上にHUNTERのシートが高いのでシャモジで漕いでるようにも見えるのが笑える(笑)。


漁協と観光協会の取り決めで釣り師もフレンドリー

古座川はこの程度の瀬と...

時折流れに立ってる鮎釣り師と挨拶を交わしながら進み大柳橋を過ぎると、谷間に大音量の行進曲が響き渡る。な、なんじゃぁ!耳を澄ますと明神小学校の運動会のようだ。川沿いの道路は延々とクルマが縦列駐車されていて、時折聞こえる先生のアナウンス、応援の声...川面から運動場は見えないけど、地元総出で盛り上がってる羨ましいような運動会が目に浮かぶ。
古座川はとても美しい川だけど、北海道の清流のような“人がいないからキレイ”な川ではなく、“人がいるからこそキレイ”な川なんだと思う。人の手が入ることで整備され保たれる自然...いわば“里川”なんだなぁって感じる。これはやはり地元の方々の努力の賜物に他ならないわけで、『こうして気持ちよく楽しめるのも皆様のおかげでございます。』思わず運動会ご参加の皆様に深く一礼をして通過する僕らだ。


水泳したり...

ドンコちゃん漁をしたり(笑)

古座川は実に面白い川で、瀬のたび淵のたびにその透明度がコロコロ変わる川である。濁りがひどい場所も全然不快感はない清冽な感じを保っているのだけど、やはり透明度がアップすると僕らの“泳ぎたい度”も大幅アップ!(笑)。すぐに河原にカヌーを着けて、ザブン!ドボン!と泳ぎ始めてしまう。Masaは0歳から続けてたスイミングスク−ルを中学入学→卓球部に入部で続けられなくなってやむを得ず辞めてしまったこともあってだろうか?水を見ると渇いた心を癒すかのようにすぐに飛び込んでいく。かなり速い流れを遡って全力で泳ぐけど、全く上流には進めず、まるでルームランナーのよう。
Azuは相変わらず“マイエビ捕り網”を手に漁の開始...ますますMamaに似てきたなぁ(笑)

 


瀬をゆくMasa。沈下橋も水量充分だ。

潤野橋を過ぎると間もなく風情のある沈下橋が見える。
直前で変な動きをしなければ引っかかりようがないけれど、この沈下橋は橋脚の幅が狭いのでそれなりに注意が必要。特に昨夜ネットで特に増水してるわけでもない錦川の沈下橋で起きたブローチング事故の生々しい画像を見たばかりなので、それまで横一列に並んでアバウトに漕いできた僕らもさすがにここは隊列を整え、一艇づつ通過。
隠れ岩が点在して楽しい沈下橋の直後からの早瀬を抜けると、正面に“ワンちゃん岩”(* Azuが命名したので正式名称ではないです。念のため)。間もなく小川との合流点のランドマークだ。当然ながらAzuは『やっぱりカワイイィ〜!』と全速力で接近し、ワンちゃん岩を手でナデナデしてゴキゲンだ。


ワンちゃん岩に引き寄せられるAzu

小川合流点直下の倒竹は危険なのでエスケープ

間もなく、左岸に古座川本流を遥かに凌ぐ清流・小川が合流。すぐに左岸から倒れた竹の典型的なストレーナーが見えてくる。手前はザラ瀬、しかも人工物ではないだけに簡単に切り抜けられるようにも見えるけど、実はこの手のストレーナーが一番厄介。ザラ瀬とは言っても水のパワーは想像以上に大きく、しかも水深がないために充分にパドルを挿すことが出来ず、何も出来ないまま左岸に吸い寄せられ、倒れた竹の枝を避けようとして条件反射で身体を傾けて不自然な体勢のまま沈。竹は生えてるってことは左岸の地中は縦横無尽に根が走っていることを意味するので、水面下は間違いなく複雑なアンダーカット形状になっていて、竹の根に絡め捕られるようにトラップされて...仮に沈しなくても目や肌を傷つける可能性も高いので、僕らのような技術のないビギナーパドラ−はライニングダウンするのが得策。何故かライニングダウンが大好きなAzuはMamaを先に行かせて満面の笑みを浮かべて“犬の散歩”を楽しむ。

 


山の影がミスティグリーンの川面に映って美しいグラデーションを作り出す

小川合流後の古座川はそれまで以上に透明度がアップして、秋の日射しを浴びてまるで宝石のように輝き始める。それとともに、我が家の休憩→水泳&漁の回数も増えて、ダウンリバーのペースがかなり落ちる(笑)。でも、我が家はここ古座川に来たのは何がなんでもカヌーでゴールを目指すのが目的ではなく、あくまで楽しむために来たわけなので、水遊び?結構、漁?結構なのである。


全身を使ってフルパワーで進むMasa

冷えた身体を玉砂利の河原で暖める母と息子

合流点と高瀬橋のちょうど中間あたりにある0.5級-の瀬では、水量アップもあってカヌーが宙を舞う雰囲気が味わえるし、その直下の淵は透明度抜群で、川底にクッキリとカヌーの影が映る古座川名物“空飛ぶカヌー”も体験できる今回のコースのハイライト。(タイトルの“000top.JPG”の撮影はここ)

Mamaたちのジャンプを撮影した後、撮影ポジションを下流側に変えてMasaを狙う。せっかくだからムービーを撮影しようと思って構えたけど、間違ってストップボタンを押してしまい2秒で撮影中断して失敗!(涙)『お父さんだけの...』ならモデルさんたちが面白がって大撮影会と称して何度も下ってくれて撮り直しが可能だけど、“ヤラセ”が嫌いでしかもシャイなMasaは絶対にモデルになることを拒否するので、一発勝負なのが辛いところだ。

Masaは、たっぷり水を喰らってボトムの防水バッグがユラユラ浮かぶのを見て、『パパ、さっきの瀬、1.5級ぐらいはあったよね!』と満足げ。僕は“アホ、ありゃ正真正銘の0.5級じゃ!”という言葉をぐっと堪えて『そうだなぁ...』と曖昧な返事。少年の達成感を壊してはイケナイのでね(笑)


0.5級の瀬を攻めるMasa
QuickTimeMovie 400KB

 


古座川と言えば、やはりこの「空飛ぶカヌー」!

『“何級の瀬”って良く言うけど、オレさぁ、違いがよく解らんのだけど...』というMasaにここでちょっと解説。
『そもそも国際的な分類で言えば、瀬って言うのはガンネルを越えて水が入ってくるものを言うわけで、それ以下は全部ただの“早瀬”だわな。今みたいにチョロっと水が入って腰まで濡れるのが0.5級、顔に飛沫が掛かるのが1級、頭からザブ〜ン!が1.5級で、オレが笑ってなかったら2級で、そんでもって体調が悪いとか言って下るのを止めたら2.5級。但し国内基準は釣り人が語る自分が釣り上げた魚のサイズと同じでプラス0.5するみたいだけど...分る?(笑)』
『う〜ん、分かったような分らないような...じゃ、3級は?』
『見たことないから知らん!』(爆笑)

 

 


雲南省・桂林を思わせる奇峰・少女峰

 

高瀬橋を通過し大きく左にカーブすると左岸に牡丹岩が姿を現す。下流には月野瀬温泉、そして正面に特徴的な山容を見せる少女峰...古座川らしい風景が広がっている。幾つかの早瀬を越え、昨夜を過ごした少女峰前の河原に到着。まだ時間は11:00と少し早めだけど、トイレ完備のここでランチタイムとすることに決める。


月野瀬牡丹岩前を進むRed OldTown Canoes

少女峰前でランチタイム

PRIMUSでお湯を沸かし、ラーメンを食べて河原でゴロ寝。Azuはすぐにシュノーケルを身に着け川に入ってドンコちゃん漁に勤しみ、Masaはひと泳ぎして身体をクールダウンした後、カヌーに乗って珍しくパドリングの練習を始める。
小学校3年生からソロパドリングを始めた彼。これまで『カヌーってのはテクニックじゃなくココだよ、ココ。』頭を指差して笑ってたけど、経験を積むうちに川の流れを読んでスムーズに下るだけでは限界を感じ始めたのだろうか?
Masaの言う通り、ダウンリバーに必要な要素の半分は川を読む力。でもって、残りの半分はパワーとテクニック。パワーはこれから自然にアップしてくるから、彼に足りないものは理論に裏打ちされたテクニックなのだろう。ま、とにかくスカーリングで川を何度も往復してこれまでになく熱心に練習に励んでいる姿を見て、お父さんはヒジョーに嬉しい。


スカーリングで川を5往復


僕らが昼寝している間もMasaは休む間もなくひとりでパドリング練習
それなりに自信も体力もついて、今、カヌーが楽しくてしょうがないみたい。

1時間ほどを少女峰前で過ごした僕らは、上流から流れ来るレンタルカヤックの大集団の皆様に急き立てられるように午後の部スタート。


午後の部スタート(河内橋)

『なんだか、カヌーマラソンみたいねぇ〜!』
午前中の貸切状態から一転、賑やかな雰囲気の中をダウンリバーとなる。
もちろんカヤックと抜きつ抜かれつ進むのもまた楽しい!ただ、カヤックの皆様はたぶんほぼ全員が初心者なので、清暑島を過ぎた辺りから吹き始めた5m/s程度の海風(向かい風)に目を三角にして四苦八苦の様子。河内橋を過ぎるとますます強まる向かい風にカヤックを降りて曳き始める人が続出。さすがのMama&Azuのタンデムも少し遅れ気味だ。
そんな中、カヤックとは比べ物にならないほど風の影響を受けるトラディショナルデザインのカナディアンカヌーに乗って、何てことない表情で古座の昔話なんかを語り合いながら僕の横でシレッと進むMasaの姿...改めて彼の成長を実感する。

『風が吹くとさぁ、ちょっとバウをオンサイドに振ってJじゃなく普通にフォワードで漕げばいいから、かえって真っ直ぐ進みやすいよね。』
ヨロシイ、良く解ってきたな、おまえ。


ここから海へ一直線

左岸には古座の街並が続く

川幅が広がって流れが緩やかになると、正面に赤いアーチが見え始める。河口に架かる国道42号線の古座大橋である。あの橋の向こうは海!
川沿いに立ち並ぶ古座の街並を眺めつつ最後の早瀬を通過すると、川底の石ころの色や水の雰囲気が一変。試しに川に手を入れて水を舐めてみると、微かな塩味...紛れもない海なのだ。
JR紀勢本線の鉄橋をくぐり、すぐ下流の古座橋右岸にゴール。距離はたいしたことなくても、海までダウンリバーするのはやはり感慨深いものがある。

 


河口に架かる古座大橋が見えてきた!ここはもう海水なのだ。

貝殻が無数に付着した石がゴロゴロ転がる河原にカヌーを引き上げ、13:00ちょうどにゴール。
堤防上を見ると、ちょうどカヌータクシーがカヤックを積込んでいるのが目に入る。Mama&Azu艇の到着を待つことなくスロープを駆け上がって、タクシーの運転手さんにもう一台配車してもらうように頼む。『カヌーか?』『いや、人だけですわ。』『今日はカヌータクシーの利用が多いんで、助かるわ。』運転手さん嬉しそうに無線ではなく携帯で僚車を呼んでくれる。カヌーの装備を片づけ始めていると、古座駅から200mほどということもあって数分で“普通の”タクシー到着。
Masaとふたりで乗り込んで、運転手のTさんとお喋りを楽しみつつ鶴川橋まで運んでいただいて、ダッちゃんで再び古座橋へと戻るとさきほどまでの賑わいも一段落して、河原にはMama&Azuと古座海賊倶楽部のスタッフがおふたりいるだけだ。
『こんにちは!この前の九龍島の写真見ましたよぉ〜!地元の僕らでも九龍島ってあんなにキレイやったっけ?ってぐらいに撮ってくれてましたね。』なんておホメの言葉を頂戴しつつ、スタッフのおふたりとアレコレ話す。しかも何と!カヌーの積込みまでお手伝いいただいて、とても申し訳ないけど本当に助かりました(サンキューでした>海賊倶楽部の皆様)。


無事3艇のカヌーを積み終えた僕らは、再び古座川左岸を上流に向け走って月野瀬温泉へ。
良い温泉の条件である掛け流しではないし、特に広いわけでも眺望に優れた露天風呂があるわけでもないけど、僕らは微かな硫黄の香りが漂う“ほど良い”泉質がお気に入り。温泉で疲れを癒し、古座川特産の柚子果汁100%ジュース“柚香ちゃん”を飲みながらマッサージチェアで極楽気分を味わった後、これまでなかなか出来なかった古座川の観光スポット巡りに出発する。

まずは支流・小川の上流にある滝の拝。小川沿いのダッちゃんではヤバいゾ!って道を12kmほど遡ると突然現れる岩岩岩な光景。言葉を失う壮観さだ。加えてすごいのは岩の複雑な造形。川床一面が岩ってな場所はどこにでもあるけど、ここはそのほとんどがポットホールに覆い尽されていること。何なんだ、コレ!思わず自然の地道さというか執念深さに驚くより呆れてしまう僕なのである。


言葉を失う自然の造形、滝の拝
本流はともかく右側の階段を降りてみたい!

(上)無数のウォーターポットホール
(下)こいつらは水辺だと高度感を失うみたい(笑)

 


国指定天然記念物・虫喰岩

 

次に向かったのは古座川沿いに下って、古座川町役場を左折した場所にある国指定天然記念物・虫喰岩。風雨に浸食されて、虫に喰われたかのような無数の穴が刻まれています。古い民話によれば、この無数の蜂の巣状の穴は、岩が大好物という魔物が海から上がってきて食い荒らした跡だとか。実際は石英とアルカリ長石を主とした石英粗面岩が、長年の風雨で部分的に風化したものなんだけども、あまりに精緻な出来にもしかしたら民話の方が正しいんちゃうのん?と思ってしまうほど。高さ50mの絶壁の頂上近くには障子の窓がある洞窟があり、中にはその昔、行者が祭ったほこらがあって観音像が安置されているらしい(もちろん未確認...笑)。


ナントも不思議なカタチ

ああっ、我が家の子供達があんなところに!

こんな感じで念願の古座川観光を満喫した僕らは、またまた河口のLAWSONでお買い物をして、国道42号線を北へ向かう。今夜の宿は北山川上流の山村・北山村の道の駅「おくとろ」。新宮市内で夕食を食べ、あとは道の駅で花見団子でも食べながら中秋の名月でも眺めつつゆっくり過ごそうか、なんて話しつつR42からR311経由で風伝峠を越えて丸山千枚田(漆黒の闇に包まれて何も見えず!...涙)と進む。
ところが!!ここでMasaが僕がバースディプレゼントした腕時計PROTREKをレストランに置き忘れたことが判明...あまりに情けない顔で泣きそうになってるMasa...しょうがないので、ここから2時間掛けて新宮まで取りに戻って再び丸山千枚田を通過したのは、22:00過ぎ(涙)。ちょっとお怒りモードの僕にMamaの一言『ねぇ、パパ、この道ってダッちゃんには狭すぎよねぇ。対向車が来たらたぶんすれ違えなくて、“あれぇぇ〜”って谷底へ転落しそうじゃない?もしかしたらMasaが時計を忘れてくれてこんな時間になったから、楽に走れるんじゃないの?』ま、そういう考え方もなくはないな...と、そこで前方に飛び出す黒い影!うわっでっけぇ!田舎育ちの僕でさえ思わず声を上げてしまう体高1m近い堂々とした体躯のイノシシ!熊野の山奥でイノシシと米国製黒イノシシのごタイメ〜ン!なのだ。
『行けぇ〜!轢けぇ〜!ぼたん鍋ぇ〜!』Mamaの叫びも空しく、寸でのところでヒラリと躱して森に消えるイノシシ。『バカモノ!あんなデカイの轢いたらこっちの黒イノシシが壊れちゃうよ(笑)。それにあれだけデカいとあんまり旨くないし。』(なんという会話...笑)
ホントにダッちゃんだとヤバいような山道をひたすら進み、“谷底あれぇぇ〜”もなく、1時間ほどで無事道の駅に到着。すでに就寝モードの子供達を一旦起してベッドを展開し、昨晩と同じく“お月見ビール”をグビグビやって眠りにつく。『明日は4:30起床だし、早く眠れよ!』僕の言葉に答えは寝息3重奏のみ。寝付きが良いのは一種の才能だよな...苦笑しつつ僕もほどなく眠りに落ちたのだった。

 

 

3日目 北山川・瀞峡ダウンリバーへ
 

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