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July.2005 part.3-2

 

 

 


『何だか、小学生4人組みたいだったわよ(笑)』(Mama談) 

 

 

 

 

7月16-17日 天河神社&紀伊半島最高峰へ!(弥山〜八剣山登山) 

大峯奥駈道 mission.2

2 日 目
『akiちゃん、天河神社は早朝ヤデ、やっぱり。』そんなNESSYさんの言葉に僕らは 朝5時に起床。宿を抜け出して天河神社へ向う。こんな時刻にまさか誰もいないだろうという僕らの予想を裏切って、拝殿には10人ほどの先客。どうもコアな天河信者の皆様のようで、静かに目を閉じて瞑想中なのでお邪魔をしないように離れて椅子に座って目を閉じてみる。しばらくして太鼓が鳴り響き神職の方が祝詞を上げ始めたので、祝詞が終わるまで暫く天河神社独特の空気を味わいながら過ごす。


今回お世話になった旅館『大豊』

早朝5時、天河神社へ

何故かここに足が向く。

後醍醐天皇御在所にて

神社のお参りを済ませた後、洞川に戻り、“名水豆腐”山口屋でお土産用の豆腐を予約し、旅館に戻った僕らは朝食を戴いて2階のお座敷で2度寝に入るのだ。
昨日、宿に着いた時、部屋に空調設備が一切ないのに気付いてちょっと驚いたんだけど、標高820mのここ洞川ではエアコンなんて不要。涼しいを通り越して寒いほどだ。昨日のアクティブな一日とはがらりと違って、今日は予定は未定。今日から僕らの天川ミッションに合流するにしび〜夫妻の到着まで、座布団を枕にゴクラク気分のうたた寝...何とも幸せで贅沢な時間を過ごす。


山口豆腐店で予約

にしび〜夫妻も到着したことだし、そろそろ行動を開始しますか!ってことで、宿をのんびり10時にチェックアウト。昨日からちょっと気になっていた日本の名水百選“ごろごろ水”へ向う。道の駅のような“ごろごろ水”の水汲み場の上には五代松鍾乳洞。ここ数年、鍾乳洞にハマってて“なんちゃって”ケービング大好きなMasaの希望で、この鍾乳洞を見学することに決める。
鍾乳洞入口へは山麓からトロッコに乗って向うのだが、このトロッコの乗車定員は4人!(笑)なんとものどかで非効率的な乗り物である。当然ながら順番待ちなわけで、30分後の10:45を予約し(もちろん徒歩で向うことも可能なんだけど、Masa、僕、にしび〜、NESSYの“おこちゃま”男性陣が『ヤダヤダ!トロッコじゃなきゃ、ヤダもん!』とゴネたので...笑)

“ごろごろ水”の脇にある建物でアイスコーヒーなど飲みながら待つこと暫し。やっと10:45になったので、喜々としてヘルメットをかぶってトロッコに乗り込もうとすると...ん?何故か先客が!
『あ、あのぉ〜、何時の予約をされてるんですかぁ?』
『10:45だよっ!』白ヘルかぶった家族連れのお父さん、ひどくお怒りの様子。

そ、そんなに怒らなくても...僕らも10:45なんですけども...。そこへ現れた予約のおばちゃん。
『ごめん、ごめん、予約重なってたわ。アンタらは次な。』
へ?はぁ?昨日の宿に続いてまたしてもダブルブッキング!?...(涙)ただ、予約係のおばちゃんのキャラクターがいかにもいい加減です!って感じだったし、一度なら腹の立つ出来事も、二度ともなると『ま、こんなもんかな。天川村ってのはこういう土地柄なのかもなぁ...』と思えるのが不思議なところ(笑)。ここは大人しく引き下がってもう少し待つことにする。
大人しく待つこと暫し。いよいよ時間が来て、トロッコに乗ろうとすると...
『すんません、エンジン掛かりませんわ。』
へ?はぁ?


五代松鍾乳洞のトロッコ乗り場へ

出発を待ちわびる半ズボン軍団

トロッコのエンジントラブルに付き、運休(涙)。もう笑うしかないけど、ホントに笑いながら顔を見合わせる僕ら。
ふと見るとトロッコの心臓部のエンジンは農機や建設用機械で見慣れた黄色いロビン製。あ、オレ直せるかも...(笑)
『プラグがカブってるんちゃうの?』
『いえいえ、それがカブってないんスよ。』と運転手のお兄ちゃん。どれどれ、とプラグを外して見ると確かにカブってない...けど、どうもギャップが広すぎるような気がしたのでプラグレンチでコンコンとふた叩き。『これで掛かるでぇ〜!』とセルを回すと...ブルンルンルン!とロビンちゃんお目覚め(笑)お客にロビンエンジンのヘビーユーザーがいて良かったですねってことで、無事ニコニコ顔の“おこちゃま”4人を乗せたトロッコは鍾乳洞に向けて「シュッパ〜ツ!シンコォ〜!」

『ウォッホッホッホ...』
『いやぁ〜楽しいな楽しいな!』
『待って良かったですな!』
『そうですな!』
揃って半ズボンを穿いた男の子4人は細かな振動を伴って、森の中に伸びるモノレ−ルをグングン登ってゆくトロッコにご満悦。もうこうなっちゃうと12歳とか40歳とか年齢は関係なく、ただひたすら初めて乗る乗り物にデレデレになる子供そのものになっちゃうのだ。『何だか、小学生4人組みたいだったわよ!(笑)』あとで、Mamaにそんな風に笑われちゃったけど、基本的に男の子ってのは幾つになっても乗り物大好き!なんだよなぁ...。
レールの両側には、まるで誰かがわざと置いたような苔を巻いたまんまるな石が点在し、手摺に掴まって空を見上げると美しい針葉樹林の葉の間から木漏れ日がキラキラと光って実に美しい。


苔の森を抜けて鍾乳洞へ

僕らを乗せたトロッコは10分足らずで鍾乳洞駅に到着。エンジンの故障で予約客が全員キャンセルになったので、実質的にトロッコは僕ら専用。そんなわけで15分間隔の運転ダイヤに縛られることなく、運転手のお兄ちゃんはすぐに山麓駅に降りて行って女性陣を乗せて再び上ってきてくれる。そんなわけで全員揃って五代松鍾乳洞へ。


小さな入口から鍾乳洞へ

洞内は意外に広い

えっ?これ?驚くほどに小さい入口のドアをくぐって、しばらく中腰のまま鍾乳洞の奥へと進む。ガンッ!ゴゴッ!ヘルメットが天井にぶつかって派手な音を起てる。ナルホド、ヘルメットは必需品である。
しばらくで天井の高い広場に到着。振り返ると「下半身の柱」。女性陣はちょっとだけ期待したかもしれないけど、ただの足の形の鍾乳柱でがっかり(笑)。最大のもので高さ8m少々と鍾乳洞そのものの規模はとても小さくて10分もあれば出口に着いてしまう...ちょうど遊園地のお化け屋敷程度の長さなんだけど、照明はあるものの保護ネットや柵の類いは一切なくて直に鍾乳石に触れることができるところが◎!


“なんちゃってケービング”にゴキゲンMama

ヘルメットが気分ですなぁ〜!

トロッコといい、鍾乳洞といい、ショボさがとても愛らしく感じる素敵な場所だった。運転手のお兄ちゃんや予約のおばちゃん、説明係のおばちゃんの独特のキャラもグッド!です(笑)
洞川には他にも旅館街の美味しい水道の水源地にもなっている「面不動鍾乳洞」や照明も何もないワイルドな「蟷螂の窟」「蝙蝠の窟」など幾多の鍾乳洞があって“なんちゃって”ケービングを楽しむには絶好の場所なのである。


五代松鍾乳洞出口にて

 

鍾乳洞を出た僕らは、乗り場に待たせたトロッコで(「待たせた」ってとこが、ちょっと鼻高々?...笑)山麓へ。女性陣は登山道を歩いてみたいとのことなので、トロッコは“おこちゃま”男の子だけ。
少し並んで「ごろごろ水」をペットボトルに汲んで、面不動鍾乳洞の対岸の食堂でランチを楽しみ、温泉街をぶらぶら歩いて吉野勝造商店の役行者調剤の胃腸薬・陀羅尼助丸(だらにすけ=通称・ダラスケ)を買い、洞川温泉ライフを堪能した僕らは、にしび〜夫妻におつき合いして、またまた天河神社へ。


男の子たちは、またまたトロッコに乗り込む

胃腸薬“だらにすけ”の店先で

以前、神社でNESSYさんが出会ったオバサンの話によれば、天河神社は招かざる客は何があっても行くことが出来ない神社なんだそうだ。急に用事が出来たり、クルマが故障したり、体調を崩したり...不思議な出来事が次々と起きて、とにかく行けないひとは絶対に行けない人は行けない。ホンマかいな?とも思うけど、ホンマらしい。
逆に天河神社に無事辿り着けたってことは、即ち、弁財さんに招かれたことに他ならないのだそうだ。同じ言い回しは、屋久島に行った時にも耳にしたことがあって、そんなバカな!と思いつつ、今回3回も訪ねてみると、あ、なるほどな。もしかしたらそれもアリなのかな、という気持ちになるから不思議である。
自然を擬人化、神格化するのは僕の趣味ではないけれど、命の集合体としての自然に何か“意志”のようなものが存在するというのも何ら不思議な話ではないのかな、とも思う。
(仮に屋久島という人格があるとすれば、縄文杉を傷つける人までを招いてしまったことでも判るように、時には間違いを犯すこともあるようだけど...笑)

果たして天河神社...即ち天川の自然(僕はニッポンの神様ってのは人の形をしてるわけじゃなく、神社を取り巻く自然そのものが結集したパワーのことであると考えているので。)は、僕らに対してWelcome!な意志を示してくれたのか?って考えた時に、やっぱりYes!だったんだろうな、って思える。
たった2日で2回ものダブルブッキング。でも、それが逆に僕らの幸せ感に繋がったこと...天河神社に昨夜お参りした時は拝殿の石段まで、今朝の二回目は拝殿の階段下まで、そして最後の三回目は年に一度しかない本殿直前までの昇殿が許されたことetc...何かしら僕らのチカラの及ばないものを感じるのだ。

天川神社を充分に堪能し、天川小学校のプールのそばにある藤原業平の墓を見学した僕らは、次なる目的地、丹生川上神社下社に向う。


年に一度の昇殿を許される日(またもや天河神社)

天川村から黒滝村〜下市町へはふたつの長いトンネルを抜ける。トンネルの中、リアシートのMasaがふと呟く。『なんかさぁ、天川って不思議な場所だよね。今、まるで外国旅行に行った帰りの飛行機の中みたいな感覚がするんだよな。』


最古の水の神様・川上神社下社

実は...僕も同じことを感じてた。
『そうなんだよ、何なんだろうなぁこの感覚。タイムトン ネルっぽいよなぁ、このトンネル。オレも目に見えないものは信じないタイプだけど、実は一番大事な“心”って目に見えないんだもんな、よく考えたらさ...。』
僕ら人間は目に見えるもの全てを脳が認識しているわけではなくて、情報処理能力の限界もあって脳のフィルターで生きるために必要なものと必要じゃないものを選別し、必要なものだけを情報として取り入れているに違いない。だから「目に見えないもの=存在しない」のではなく、「存在してるのに見えてない」事象がメチャ多いのではないか?自然に分け入り、自然の声に耳を澄ますことで見えたり聞こえたりってこともあるんじゃないか?最近そう思うのである。(オカルトっぽい意味じゃなくね。)

僕は気だの霊だの目に見えないものは一切信じたことがない。ただ、何百年何千年と人々の信仰の対象であり続けた場所には、その場所独特の“何か”があるのだとは思う。その“何か”が果たして何なのか?空気なのか?化学的に特別なのか?磁場?色?それは解らないけど、僕らの住む紀伊半島には何かが存在しているのは確かだ。

30分ほどで丹生川上神社に到着。ここは日本最古の水の神様。
年に20〜30回はウェットスーツを着る我が家にとって水の神様ってのは絶対に外せない(笑)ってことで、R309沿いに建つとても雰囲気ある社の駐車場にクルマを停めて参拝。
駐車場脇に立つ看板には『土曜、日曜の参拝者に限り神水のホットコーヒー無料サービス中』!
おおっ、これはラッキーではないか!


な、なんと!そんなわけで

御神水を少しだけ頂戴する

参拝したあと御神水ならぬ御神珈琲を戴く

拝殿の先に目の眩むような長い階段が続く独特の造りに目を奪われつつ、参拝を済ませ、拝殿脇の“御神水”の井戸で1リットルのペットボトルに水をいただき、休憩所で“御神珈琲”をご馳走になる。実はUCCのインスタントカップコーヒーなんだけど(笑)、これが実にまろやかで美味しい。
境内の孔雀やウコッケイと少し遊んで再びクルマに乗り込んだ僕らは、R309を吉野川まで北上し、R169を東へ。ここから西に向う大阪組のにしび〜&NESSY夫妻とお別れだ。あとは高見峠を越えて帰宅するのみ...のはずが、『ねぇ、ここまで来たんだったら、中社も寄ってかない?』Mamaの一声で高見川沿いを進み、最後のニホンオオカミ捕獲地である東吉野村から丹生川上神社中社にも立ち寄って、ここでも御神水を戴いてホントにホントに家路についた。


本殿左手に聳える和合の杉
素晴らしく真直ぐ。ひたすら真直ぐ。

上:最後のニホンオオカミが捕獲された場所
下:川上神社中社


天川村で見かけた花々(クリックすると拡大します)

Photo by NESSY&aki 2005.All right reserved


 

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