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FLAME LAYOUT

 

 

 

 

 

 

June.2005 part.2

 

 

 

 

 

 

 
我が家から最も気軽に登れる1000m

 

6月5日 初夏の大洞山登山

『大井川?そりゃもう痛快な瀬の連続で飽きることはないし、毎秒12tの豊かな水がカヌーをぐんぐん流してくれるもんだから、16kmが1.6kmって感じさ。全然疲れなんかないよ、マジで!』

...そんなことを言ってたけど、やっぱり僕は39歳。5:00起床で無休憩で300km走り、めまぐるしく変わる天気の中カヌーを16km漕いで、またまた300kmノンストップ&1時間の渋滞で家に戻ると、やはりそれなりに疲れるのである。しかも昨夜は気が張ってて(瀬の連続で興奮してたのもあると思う。)写真の整理をやったりしてベッドに入ったのは午前2時...これで朝6時にきっちり起きられたら、それはもう超人バロムワン以外の何者でもない(笑)。僕はバロォ〜ムなんて叫びながらキノコルゲと闘う人ではないので、結局、今朝目覚めたのは8:00。朝食前にカヌーを下ろして道具のお片付けをし、後から起きて来た家族と朝食をとって、さて、今日は何する?という相談。
僕とMasaはダッちゃんにカヌーを積んで川遊び(出来ればダウンリバー?...笑)が希望で、昨日takaさんやKICHIさんにもそう公言してたんだけど、あいにく近隣の川は水量不足で川遊び、特に水泳には適さない状態。(風もあるし)
川がダメなら海だろ?和具の帰りにキャンプinn海山付近のラズベリー摘みも!ってなアイデア(一昨日のジャムさん情報によれば今がまさに旬!)も『いくらいつも行ってるとはいえ、通りがかりのオレたちがキャンプ場に泊まってる人の楽しみを横取りしちゃイカンだろ!』というMasaの正し過ぎる正論にみんな納得してしまってあえなくボツ。で、結局、前々から登ろうと決めてた、大洞山or尼ケ岳登山に決まった次第。


やっとのことで登山口に到着

杉木立の中、階段状の登山道をゆく

『じゃ、とにかく出発しようよ!』
OUTBACKのカーゴルームにデイパックと軽登山靴を放り込み、山に向けてスタート。(この“大洞山or尼ケ岳”のどっちかが決まらないうちに出発しちゃうあたりが我が家らしいところかも?...笑)。結局クルマの中でガイドブック『三重県の山』と地図を突き合わせて、僕らが選んだのは“室生火山群のカマボコ”こと大洞山(1013m)。理由は雨上がりで天気が良くて風が強いので雌岳(985m)からの眺望が良さそう...ただそれだけの理由。
途中のコンビニで昼食の買い出しを済ませ、スタート地点であるキャンプ場&天文台がある「スカイランドおおぼら」入口に到着したのは11:00。そこからキャンプ場を横目に舗装路を奥に進んで登山口の看板に着いたのはすでに正午...山登りの常識を大きく逸脱した時間管理が我が家らしいといえば我が家らしいのだが...
ここからはいよいよ本格的な登山道。ただ、登山の歴史が長い山らしく登山道は周囲の自然に溶け込んだとても素晴らしいもの。階段は全て苔むした自然石の玉石を並べて作られていて、自然の造形と勘違いしてしまうほどだ。倒木が一本だけあった他は、とても良く整備されていて、Azuが手を使わないと登れないような急な直登の連続だけどとても快適に歩くことが出来る。


倒木を乗り越えて進む

屋久島でも見掛けたクモの家族がお出迎え

ここの素晴らしさは、何も良く整備された気持ちの良い登山道だけではなくて、針葉樹林と広葉樹林が混在するゆえに生き物の息吹を色濃く感じられるところだ。頭上では喧しいほどに野鳥がさえずり、美しいヤマアジサイの群生が見られたり、自宅近くではあまり見かけない脚が超長くてオレンジ色のボディが美しい蜘蛛の夫婦がゴマみたくちっちゃくて可愛い子蜘蛛を引き連れて現れたり...『疲れるから登山はイヤなの。』と“お山は大嫌い”宣言を出してるAzuも、これにはメロメロ(笑)。登山道脇の岩々は美しい苔が全体を被い、木漏れ日を浴びてキラキラ輝いてたりするのも素晴らしい。
『ねぇ、なんだかココって屋久島の白谷雲水峡に似てないか?』
『え、パパも感じた?私もそれ言おうと思ってたのよ。』


やっと眺望が開けた!

明るくなってきた!頂上はもうすぐだ!

そう言えば前述の蜘蛛も白谷雲水峡で見かけたものに似てるし、岩だけではなく倒木までもが苔に被われた感じが“ちょっとドライな白谷雲水峡”に見えなくもないのだ。まさか!地質や気候が違うんだから植生や雰囲気は似て非なるものだって思うんだけど、どう見ても似てるのだから仕方ない。
『ねぇ、屋久島ガイドのアラタさんが言ってたじゃない?“白谷の森は標高600〜1000mですから、ちょうど大阪あたりの植生になりますね。つまり仮に大阪が人の手が入らずに原生林が残ってたとすると、こんな風になってるということです。”って。まさにここがそうじゃないのかしら。』
ナルホド!しかもこの大洞山は元々は“大螺山”。別に大嘘つきが住んでたとかじゃなく(笑)、山容が法螺(ほら)貝の形に似ていることから名付けられたという典型的な古火山(室生火山群に属する)だ。実はこれ、屋久島と同じ成り立ちを持つ山なのである。山体は主に岩でその表面を薄皮饅頭のように表土がごく薄く被っているに過ぎない...さすがに一週間に10日雨が降る屋久島ほどの雨量はないけれど、東京の3倍以上の雨量がある多雨地帯の北端にあたるから、僕らが感じた屋久島との類似性はあながち的外れではないのかも知れない。

 


大洞山(雌岳)山頂985m直下から雄岳を望む

かなり険しい急坂を暫く進むと、それまでの樹林帯を抜けて、やっとのことで眺望が開け、雲出川沿いに連なる美杉村の集落が望める場所に出る。表示板によれば、先ほどの登山口からの中間点のようだ。ここから少し傾斜がなだらかになり再び続く針葉樹林の向こうが明るくなる。えっ?もう頂上?ちょっと疑いながら階段状の道を進むと一気に視界が広がる...大洞山・雌岳山頂(985m)である。
頂上の三角点は、例によって中高年のグループに占拠されていて(何と、山頂から見える山々の案内板をテーブル代わりに弁当喰ってるし!団塊の世代のデリカシーのなさには悲しくなる。『最近の年寄りは...』...トホホ)、無視する姿勢を明確にして僕らはそのまま雄岳へと進む。


木に掴まるとこんな感じになってしまう(^^)

クマザサをかき分けて進む

雌岳から望む雄岳はかなりの距離を感じるけど、ガイドブックによれば30分(標識によれば20分)。ここからコル(鞍部)までは一直線に伸びる急坂。お尻に段ボールでも敷いて滑り降りたいほどだ。一旦コルまで下り、そこから雄岳へ急な道を熊笹をかき分けるようにひたすら登る。雌岳から15分、雄岳山頂に到着。


良い香りがするお花に女性陣は笑顔

山頂のベンチでランチタイム

 


雄岳(1013m)に登頂!

広々とした雄岳山頂は東方向への眺望に優れ、20数本の発電用風車が林立する布引山地から鈴鹿山脈が一望。すぐそばに伊賀富士・尼ケ岳の優美な姿が見える。標高1000mの山頂を吹き抜ける風が心地よい。そんな素晴らしい景色の中、頂上に設えられたベンチに腰掛け、遅めのランチタイム。お腹を満たした後は、PRIMUSをセッティングしてコーヒーを楽しむ。今日のような“なんちゃって登山”でも、眼下に広がる緑を眺めながらのコーヒーは格別の味なのだ。
一方、景色と地図を見比べて歩き回ってたMasaはしきりに尼ケ岳を見やりながら何か言いたげ...どうやら、雄岳からオオタワを通って尼ケ岳に縦走したいのだそうだ。僕はともかくMamaやAzuは、それを無視して帰り支度(笑)。


Masaは後ろに見える尼ケ岳(伊賀富士)への縦走を希望

ハンドヘルドGPSで場所を確認しながら進むMasa

ここからは興味津々なMasaにハンドヘルドGPSを貸して、スタートまでのナビゲーションを任せてみる...って登山道をただ下りるだけだから、あんまりGPSなんて必要ないんだけども、こういう機会を上手く利用して、彼にGPSの使い方をマスターして欲しいと思ったからだ。GPSなどの機会モノに頼り過ぎると、野遊び独特の心細さみたいなものが失われて途端につまらなくなってしまうので、実はあまり積極的に勧めたくはないってのが本音。ただ、これからの時代、こういう類いのナビゲーションツールは身を守るために重要な装備となるに違いないわけで、元服を迎えたのを機に、読図、実践的な気象学、通信術、ファーストエイドなどなど、野山だけでなく災害や事故の際に、自らとその周りの人を救うためのテクニックを少しづつ伝授してゆきたいと思う。(そして彼が興味を示せば、手旗信号を教えたい!まさに今日の雄岳と雌岳のように適度に離れたピークにそれぞれが立って、父と息子が「ハ・ラ・ヘ・ツ・タ」「コ・コ・ニ・オ・ニ・ギ・リ・ア・ル・ゾ」なんてやりとりするのが僕の少年時代からの夢のひとつだから...笑)


雌岳のベンチで室生火山群を眺めながら休憩

 

雌岳山頂の立派な案内板。富士山も見えるらしい。

味わいのある頂上看板とMasa

雄岳から一旦コルまで下って往路と同じ道を辿って雌岳へ。さきほど頂上を占拠してたグループの姿もなく、案内板で頂上から見える多くのピークの名前を確認する。(案内板を見るまでもなく、槍ヶ岳のように尖った局ケ岳と高見山は簡単に識別できるけど...)どうやら条件が整えば富士山も見ることができるようで、いつか太陽が富士山の方向から昇る時期を狙って再び訪れたいと思う僕だ。


自然の中では仲良し母子

よく手入れされた針葉樹林に自然石の階段

存分に雌岳山頂からの眺望を楽しんだ僕らは、いよいよ下山開始。これだけ急傾斜だと上りよりも下りの方が神経を使うし、膝も使う(笑)。実は数年前からこのような下りを長時間続けると膝に痛みが走る“老いた膝”になってしまってて、その上去年4月大井川での靱帯損傷もあって、最後尾から少しばかりゆっくりと慎重に下ってゆく。その慎重さが僕だけじゃなくMasaにもあれば良かったんだけど、中間点の手前で突然Masaが転倒!膝を岩にしたたかに打ちつけ、地べたに転がって唸っている!
小さい頃から悔し泣きはしても、痛みで泣くタイプではなく(誰に似た?...笑)、投石で頭パックリ5針縫うわよん♪でも投げた相手に向って行くほどの非常に痛みに強い男なので、この痛がり方は一大事かも...早速ファーストエイドキットから湿布を取り出して応急措置。しばらく休んでも全く歩けない状態に、僕は小さくて痩せてるくせにすでにMamaと同じだけ体重がある彼をおんぶして登山道を下る決意をする。ところがさすがに自分の不注意から膝に爆弾抱えた親父に背負われるのは心苦しかったのか...
『ねぇ、膝曲げなくても階段下れるように杖を作ってよ。』


Masaが転倒&負傷!白樫を伐採して杖を作ってあげる

スカイランドおおぼらキャンプ場に到着!

僕も正直なところそれは有難い申し出なので(笑)、早速山に入ってビクトリノックスのノコギリを使って杖に適した細く真直ぐな白樫を伐採して、枝を伐ち、グリップに滑らないよう刻みを入れて杖を作る。『ホレ、出来たぞ!』杖に全体重を掛けて階段を下るMasa。それをサポートするAzu...う〜ん、兄妹愛だなぁ〜!アクシデントにも関わらず、ちょっとニコニコしてしまう僕だ。
少し時間は掛かったものの、何とか登山口まで歩き通し、無事OUTBACKまで帰還!こうして我が家のなんちゃって大洞山登山は無事...じゃなく有事終わりを迎えたのだった。
『Papaたち温泉に入りたいんだろ?オレ、前で待ってるから3人で入って来いよ。』そんなMasaの言葉に甘えて去年オープンした御杖村営「姫石の湯」へ。ところが温泉の効能表に“うちみ”“くじき”に効くという言葉を発見したMasaも一緒に温泉を楽しんで、僕らは帰宅の途についたのだった。

(*ちなみにMasaの怪我は翌日の体育とクラブの練習を休むだけで順調に回復です。)


 
登山道で見かけた花々(クリックすると拡大します)

 

 


夕暮れの里山...僕らが登った大洞山の稜線が美しい

 

 

 

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