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FLAME LAYOUT

 

 

 

 

 

 

March.2005 part.3
 

 

 

 

 


青空に映える田口大橋(進入路は完璧に復旧)

 

3月26日 宮川“up&down”リバ−(南伊勢大橋〜野原橋往復42.195km)

本当なら、今日は友人U一家と伊勢湾フェリーで海を渡って『春の伊良湖・菜の花サイクリング&いちご狩り』のはずだった...昨日までは。ところが今週始め、白川郷から戻って以来どうも体調が優れないともちゃんが、満を辞して(?)昨日病院に行ったら、見事にインフルエンザB型の太鼓判(笑)。どうやら先週の結婚式でじいちゃんからもらったみたいだ(親子なので♪恨みっこなしよ、あっぷっぷ!...笑)。そんなわけで昨夜、友人Uに電話をしてキャンセルをお願いしたわけだけど、今朝目覚めると、ものの見事に快晴!

『言いたいことは解ってるわよ、あなたたちだけでどこかへ行って来れば?』と、ともちゃん。

そこでその提案を断ったのはAzuだけ。
『ワタシ、宿題残ってるし、Mamaのお世話をしなくちゃいけないから...』
病に伏してるともちゃんと、優しいチビ看護婦Azuを残して、僕とMasaは空を見上げて思案する。


野原橋下への進入も容易だ

青い空に白く丸い雲が浮かび、西から東へぐんぐん流れている。
『カヌーもいいけど、風がかなりあるし、ヤッパ自転車じゃない?』
ダッちゃんのカヌーデビューは家族全員で祝いたい...そんなわけで今日はMasaとふたりでサイクリングに決定。伊良湖も魅力的だけど、僕らふたりで“章姫”いちご食べ放題しちゃうと後が怖いので(笑)、以前から気になっていた宮川方面に行くことにする。

伊勢道・勢和多気ICから宮川へ。宮川沿いをクルマで走りつつ、カヌーシーズンインに先立ち、野原橋、田口大橋、中川大橋など主だったスタートポイントをチェック。随所で災害復旧工事の重機が動いているものの、これらの進入路の通行に支障はない。それどころか、進入路は拡幅整備されて四駆じゃなくても簡単に進入できるほど(実際田口大橋の河原ではNISSANマーチが水際まで入ってたし...笑)だ。

しかも、ダム放水がない宮川本流もまずまずの透明度を取り戻し、これで水位がもう少し上がれば快適なカヌーツーリングが楽しめそうだ。(ただし、川底はべったりとシルトが覆っていて生態系が元に戻るのはまだまだ先の話)

クルマを走らせながらMasaと今日の大体のコースを話し合った結果、宮リバーパークにクルマをデポし、そこから上流の野原橋まで川沿いを上り、野原をスタートに“川下り”をスタート。ゴールは宮リバーパーク、あるいは元気なら度会橋まで走り再び宮リバーに戻るというコース。カヌーで下れば野原〜度会橋は27km。往復で54km程度だから男ふたりの半日コースとしては最適だろうという判断だ。

川沿いの桜並木の遊歩道を通り、内城田大橋を渡って右岸へ。ここから久倶都姫橋までの川べりは砂利工場のプラントがあるので、県道を直進。


宮リバー度会パークにクルマを置いて

久倶都姫橋から県道を離れ、田間の集落に入って森を抜け、川沿いのあぜ道へ。『ねぇ、なんか川へ下りる道があるよ。行ってみようよ!』
前回“宮川調査隊”をしたのは1998年3月(カヌー日記1998を参照)のこと。


スタート!

Masaはまだ6歳だったこともあって全く記憶がないそうで、知らない道を自分の足で進むのはワクワクドキドキでメチャ楽しそう。
『ここはオマエが1歳頃から5年間何十回も通ったんだぜ。』
そんな言葉を飲み込んで一昨日の雨でぬかるんだラフロード、泥をビシバシ飛ばしながら川に向かって下っていく。おかげでMasaの後を走る僕は泥だらけ。水玉模様の僕のフリースを見てふたりで大笑いだ。
『なんか見たことある景色だよなぁ。』
『そりゃそうだ、オレが2歳のオマエと2人っきりで初めてのダウンリバーでキャンプをしたのがココだもん。』
『2歳で?』
『ああ、2歳だった。2歳のくせにライジャケ着けてこの淵を泳ぎ渡ったのには驚いたけど(笑)』

田間からは川沿いの獣道みたいなシングルトラックを通って県道へ戻る。そこからは舗装はされているものの森の中を抜けるワインディング。暗い針葉樹林の木々の向こうに見える宮川のエメラルドグリーンの川面、そして上流に見えてくる赤い鮠川大橋のコントラストが素晴らしい。

森を抜けると、またまた魅力的な川への進入路。
『行く?』『行こ!』
鮠川大橋までで、すでに5回目の寄り道(笑)。
県道を走っているだけでは全然分らないけれど、集落の路地を走ってると必ず茶畑の間を抜ける“河原へ続いてそうな”道が多数見つかる。見分け方はアスファルトじゃなくコンクリート舗装で、未舗装部分は軽トラの車幅の轍が出来ている。この辺のおじさんたちは暇さえあれば川へ行くので、新しい轍であれば『全ての道は宮川へ続く』 (笑)。


内城田大橋を渡って道なき道を選んで進む


右岸の道路からは終始美しい宮川が見える

 

 

鮠川大橋からもうひとつ峠を越えると広い茶畑が見えてくる。
バス道の通る左岸とは違って、右岸は峠の連続なので少し疲れるけど景色は素晴らしい。ここで河原に下りて玉砂利に寝そべって初めての休憩を取る。
サイクルコンピュータを見るとここまでの平均時速は13km/h。Masaのペースに合わせてだいたい20km/h前後をキープして走って来たつもりだったので、半分があぜ道だったことを考えるとまずまずのペースのようだ(下り坂での最高速アタックは48km/hの僕が勝ち!)。

中川大橋手前で判断を誤って行き止まりの山道に入ってしまいMTBを担いで支流を渡る(涙)なんてこともあったけど、なんとか中川大橋を通過、ちょっと疲れたので県道に戻って峠を越えて下田口の集落へ入る。


休憩は河原に下りてのんびりと

後方を漕ぐMasaのゴキゲンな様子をミラーで確認

ここでまたまたあぜ道から川への探検を繰り返しつつ、注蓮指川の息を飲むような美しい流れを渡って野原へ。
このコースで唯一開いてるお店・野原のJAストアでジャムパンを買った僕らは野原橋の脇にある野原公園に移動し、ここで二回目の休憩。

県道を走れば13km程度なのに敢えてあぜ道を走って河原に下りて遊んでたせいでここまでで既に18km。『何だか腹減ったよね。』
『うん、腹減った。今から鰻の“膳”まで走って鰻丼喰わない?』
『ええっ?エラく太っ腹だね(笑)』
『今日はオレたち二人だし、伊勢湾フェリーの運賃やイチゴ狩りの入場料を考えたら、それぐらいの贅沢はいいだろ?』
『それもそうだね!』


雲が流れ、洩れる日射しでエメラルドグリーンに輝く川面

そうと決まったら“膳”は急げ!(笑)。県道を一気に中川大橋下流へ...とはいかないのが僕ららしいところ。
『右岸はさっき通ったし、左岸を行こうよ!』
田口大橋からは右岸・峠越えのショートカットではなく、相賀瀬の大屈曲沿いに左岸を進む。しかも、柳原観音に立ち寄ったり、千代までの農業用水路沿いを走ったり、相賀瀬まで随所にある川への進入路をチェックしたり...ふたりのMTBは泥だらけで『今日はPEUGEOT Pacific(折り畳み)じゃなくて良かったね!』つくづくそう感じる荒れた道の連続だ。


野原橋のたもと、野原公園に到着

復路は左岸を進む(十数年前によくキャンプした淵にて)

鯨岩を右手に見て、長く快適な下り坂でタイヤに付いた泥をバチバチバチっと飛ばしながら最高速チャレンジを楽しみ、中川大橋を過ぎると間もなく“膳”の小さな看板。保育園の脇を通ってクルマ一台がギリギリの細い路地を抜け(たぶん、大抵のひとはここで道を間違えたと思って引き返すだろうな...笑)、スリップ痕だらけの急なスロープを下りると“膳”に到着だ。


中川大橋下流で川へ下りると...

そこは鰻の“膳”!

今日は2人なので贅沢して鰻丼“月”¥1400也

ウホホホホ...(大きな窓からは宮川!)

宮川をカヌーで下っている途中、川べりの一等地に何やらカッコイイ建物の建築が始まったのを見つけたのが、数年前。川下りのたびに少しづつ出来上がってくるその建物を観察していたんだけど、別荘?喫茶店?できあがってみるとまさかの鰻屋(笑)。バス道には30cm四方の小さな看板があるだけで断然川からの方がアクセスが良い、“道の駅”ならぬ“川の駅”のようなお店である。天井が高くて上品な店内のインテリア。川側全面の大きな窓からは美しい宮川が望めるのはもちろんのこと、肉厚で脂の乗った美味しい鰻を食べさせてくれるのが素晴らしい。グルメの対極にいる“違いの判らないオトコ”の僕でさえ何度も通ってしまうほどである。


眼下に望む“空”

 

春の陽射しが差し込む明るい店内で、上丼にあたる“月”丼を戴き、元気を取り戻した僕らはさらに川下りを続ける。決して“ピーカン”ではなく、雲の塊が西の方角からかなりのスピードで流れて来て、時折太陽を隠す。Tシャツにフリースのプルオーバーだけの僕らは時折、寒さを覚えるようなそんな気候である。


鮠川大橋を渡って再び右岸へ

ただ、そんな流れ来る雲が広い河原に影を落とし、宮川の川面に映る空の模様はとてもダイナミックで美しく、僕らは自転車を停めてしばしその光景に見とれる。『早回しのビデオみたいだね。』まさにそんな感じ(笑)。普段は水面スレスレから眺めてる見慣れた宮川の景色も、川岸の崖を走る道路や橋の上から俯瞰でじっくり眺めるとまた違った表情を見せてくれる。改めて美しい川だなぁ...という思いを強くする。
左岸の道路はこの地域の学校の通学路にもなっているので歩道に自転車の通行レーンが設けてあって走りやすいのは確かだけども、自動車用の道路なのでアップダウンが激しくて、しかもあまり川が見えなくてただ走るだけってな感じ。そこで、またまた川の方向へ寄り道。田んぼ道から赤い鮠川大橋が見えたので橋を渡って右岸に戻ることにする。

鮠川大橋からは往路と同じルートで内城田大橋へ。内城田大橋を渡るとクルマをデポした宮リバーパークはもう間もなく。サイクルコンピュータの距離計は間もなく40kmになろうとしている。
『どうする?このまま度会橋まで行く?』とMasa。『う〜ん、行けなくはないけど左岸は交通量も多いし、かといって右岸は川が見えない...とりあえず南伊勢大橋まで行って今日のところは終わりにしようか?』
...というわけで、宮リバーパークの桜並木の遊歩道を通って南伊勢大橋へ。
水難事故が多発して以来、南伊勢大橋・三ツ岩の河原へ下りる道路は厳重に進入禁止の措置がとられているけど、増水時には宮川唯一の難所となるポイントだけに、チェックせずに帰るわけにはいかない。三ツ岩の河原に下りる。水位が極端に低い今日は、ここが例年、年に5人というペースで人の命を飲み込んだ場所とは思えない静かな佇まい。


去年の増水でなぎ倒されたて枯れた草

宮リバーを通り過ぎて南伊勢大橋へ

悪名高いアンダーカットの岩もそのそぶりも見せない感じだけど、岩の周囲の流れを良く見ると、全く規則性のない複雑な動きが見てとれる。今日なら泳いでも大丈夫。でもあと水位が50cm高かったら...
『オレたちはここを何度もカヌーで漕いでるし、沈したこともあるから怖いなぁって思うけど、普通の人が見たらそんな風には感じずに思わず飛び込んじゃうよなぁ...』Masaの言葉に頷く僕。
三ツ岩の流れを確認した僕らは、そのまま今来た道を折り返し、宮リバーパークのDiscoへと戻る。
『ご苦労さん!今日は楽しかったな!』そう言ってDiscoのリアサイドに泥だらけのMTBを停め、Masaとお互いのサイクルコンピュータを覗き込む。
僕は走行距離42.20km/走行時間2時間48分/平均時速15.07km。Masaは走行距離42.40km/走行時間2時間51分/平均時速14.88km。(タイヤの外周の誤差もあるし、僕が写真を撮ってる間、彼はその辺をぐるぐる回ってたのも数字の差になってるだろうと思う。)

ホイールが止まってる間は自動的にストップウォッチが止まる仕組みなので、休憩したり鰻丼喰ったりしてる時間は省かれているけれど、この数字はまさに“二流ランナーがフルマラソンに出場した”数字に相当する(笑)。
『すっげぇよなぁ、マラソン選手ってオレたちの自転車より速いんだよね!』
『小学校3年の時に熊野川カヌーマラソンにふたりで出た時のタイムが2:01:50だったろ?あの時もマラソンランナーの偉大さを痛感したけど、今日は“参りました!”って感じだよなぁ。』

ヒッチメンバ−に取付けた4台積みのキャリアに2台のMTBをセットした僕らは宮川を離れ、高速を通って家路を急ぐ。たぶん今日が最後になるだろうDiscoでのドライブ。『お別れの直前にさ、Discoに宮川の砂利を踏ませてあげられてヨカッタかもね。』Masaの言葉に僕は少しだけ感傷的な気分になった。


そして再び宮リバーパークへ 42.19kmお疲れさま!

 


アップダウンだらけ&1/3がダート(あぜ道)を42.19km(マラソンと同じだ!)。
AzuやMamaがいたら到底無理な距離だけど、Masaとなら余裕のヨッちゃん(笑)
クルマからでは決して見えない宮川の今の姿を確認できて有意義な一日でした。

 

 

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