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FLAME LAYOUT

How to canoe for beginners Vol.14

   

Chapter 7 カヌーツーリングキャンプ #3

焚き火のやり方とマナー

専門家でもない僕が焚き火について語るなんて畏れ多いかな?でも昨今の河原の荒れ放題の様を見てると、焚き火が好きなことには誰にも負けないって自負してる僕にも一言いわせてくださいね。

焚き火について
僕は焚き火フリークです。焚き火がないとキャンプの夜の過ごし方がわからず困ってしまうぐらい。「焚き火はキャンプのテレビだ。」って言った人がいたけど、僕はそうは思わないです。焚き火は良質の映画のようであり、また合法的なドラッグのようでもあります。炎の揺らめきは心を和ませも昂揚させもする、不思議な魅力を秘めています。

でも残念ながら焚き火を禁止したキャンプ場も多くなっています。地表の微生物を殺すから焚き火はしちゃいけないそうです。最近は焚き火台なる製品が色々なメーカーから売り出され人気を博していますが、果たして焚き火はイケナイ行為なのでしょうか?
デイキャンパーの多い河原に行くと焚き火反対派の意見もうなづける光景が広がっています。黒々と焼けた石、半分溶けたアルミ缶、そして生ゴミ、一度しか使われずに捨てられた焼き網...。焚き火大好きの僕でさえ「焚き火禁止」の看板を建てたくなる光景です。なにがいけないのか?それはきっと小学校のキャンプで習った「かまど」の組み方をみんなが守ってるのが原因じゃないかと思います。「風を避け、熱効率を高めるために石を組んでかまどを作りましょう。」先生にそう習いましたよね。「火の始末はしっかりと水を掛けましょう。」とも。その結果、河原の石は黒々と醜い姿をさらし、完全に燃え尽くさないうちに水で消された薪はいつまでもそのまま残ってることになるんですね。
僕はボーイスカウトで立ちかまどを習いました。今はやりの焚き火台と同じ発想の優れた道具です。でもこれを囲んで語り合えるわけじゃありません。やっぱり地べたに座って(寝転がって)小さな火を囲むことが焚き火を楽しむ最高のスタイルだと思います。

焚き火のマナー
では、どうすればスマートに焚き火ができるのでしょう。それはマナーを守ることです。簡単にまとめてみました。

1.風の強い日、燃えやすいものの近くでは焚き火をしない。
中学生の時、山火事を起こしかけた僕が言ってるんだから間違いない(笑)仲間うちで点火材と呼んでる杉の葉に火が着いたらもうあっという間。あの時消し止められてなかったら今も焚き火なんてできないでしょうね。周囲(焚き火の大きさにもよるけど)に燃えやすいものがないかどうか確認した上で風向きを考えて場所を決めます。テントがバタつくような風の日は止めるのが賢明。そのためには小型のシングルバーナーを常に持参しましょう。

2.石組みは必要ない。
先程も書いたけど、特別な料理をするのでなければ必要ないでしょう。川の増水が年に何度もあった頃なら増水の度に石も洗われたのですがダムで水量を管理されてる今では、そんなことも期待できません。その上昨今のアウトドアブーム。河原の石は汚れる一方。「来た時よりキレイにして帰る」とまでは言いませんが、そこで焚き火を楽しんだことを気付かせないってのがスマートだと思います。

3.薪は燃やし尽くす
途中で焚き火を消そうなんて考えちゃイケマセン。焼べた薪は白い灰になるまで燃やし尽くしましょう。これは絶対のルール。そしてその灰でコッフェルやパーコレーターの煤を落とすのが便利。そのためには焚き火をコントロールする技術が必要なんですが...ま、とにかく慣れるまでは燃え尽きるまで気長に待ってることですかね(笑)だんだんと勢いを失ってゆく火をながめるのも楽しいものです。そのうち適量の薪がカンで分るようになると思います。水をかけるのは充分に砂利や石が冷えてから。でないと石の種類によっては急激な温度変化で破裂して危険!
そういう訳で僕は時間のない時(例えばカヌーツーリングで立ち寄った河原でのランチタイムなど)は焚き火はしません。そのかわり、シェラスト−ブでパーソナルな焚き火を楽しみます。

4.ゴミは燃やさない
別に焚き火を神聖化するつもりはないですけど(笑)焚き火でゴミを燃やすのはちょっと抵抗あります。もちろん割り箸や紙なんかはいいだろうけど(厳密には白い紙も漂白剤使ってるからダイオキシン発生するらしい)、僕らが楽しむ小さな焚き火だと生ゴミなんて燃えるはずもないし。ましてやプラスティックやビニールなんてものをくべた日にはモクモクと黒い煙は出るし、せっかくの火は青色に変わっちゃうし、楽しみも半減。環境問題以前に快適じゃないから止めましょう。

焚き火のやりかた(河原の場合) 
いろいろなやり方があるけど、僕のやりかたを例に取ってみます。
その晩燃やすのに充分な薪を明るいうちに集めて、これまた明るいうちにノコギリや鉈、アックスで適当な長さに切り揃えておきます。(暗くなってからの薪集めやノコギリの使用はケガのもと)おもむろにひと指し指をくわえて指先を濡らし、微妙な風向きを確認します。(夕方は風向きが変わりやすいけど、大抵は谷に沿って風が吹くのでそれも考慮に入れて)立ち木やテントなどの風下で水辺から充分に離れた河原の玉砂利をほんの少し掘り下げて火床を作り、風向きを考えて太い薪を平行に二本並べ、細い薪から順にティピーの要領で組みます。河原で拾った薪は、紙や点火材なんかなくてもジッポですぐに火がつくので楽々。中ぐらいの太さの薪に火が回ったら、あとはゆっくりと慎重に太い薪を加えてやればいい。あとは変にいじらずに火の大きさに気持ちを向けてればどんどん安定してくるはず。「焚き火と女はあまりいじりすぎると、よく燃え上がらない」っていうでしょ(笑)
焚き火のやり方ってそうむずかしいものじゃない。風通しをよくしてやれば誰だってできることです。状況判断と後始末が出来れば、あとは経験あるのみってとこ。少人数のキャンプでは、大きすぎない最小限の小さな焚き火が理想ですね。炎の高さ50cmぐらいのメラメラとかパチパチとか音のしない焚き火はコーヒー煎れたりするのにも都合がいいし、ホントに心が安まります。子供達を寝かしつけて夫婦水入らずでパーコレーターのポコポコいう音を聞きながら過ごす長いキャンプの夜。最高です。

焚き火の道具あれこれ
焚き火をするのに絶対必要なもの。それは薪とジッポだけなんだけど、あれば便利なものをまとめてみました。

革手袋
これはジッポの次に必要。アウトドアショップに売ってる数千円〜数万円(!)のブランドものは確かにいいです。革の質や厚さといい縫製といい、さすがです。防水性にも優れてるし。ミンクオイルをハンドクリームみたいに塗っておけば一生ものかも。でも作業用品店に売ってるのも最近はいいものが増えてきました。これなら¥1000程度。
コッフェルやパーコレーターはもちろん、赤々と燃えてる薪を掴んだりもできるし、ノコギリ、アックスなどを使う時のケガ防止にも役立ちます。

ノコギリ
はっきり言ってナタや斧より、携帯用のハンディソ−が便利。薪の長さを揃えるのに使います。アウトドア専用じゃなくてもホームセンターで「生木用」っていう目の荒いのを買ってくれば充分です。目立てできる人は少ないと思うので、替え刃式のを選びましょう。

バックパッカーズグリル(脚付)
網に脚のついたやつね。焚き火でコッフェルやパーコレ−タを安定させて置くのってかなり難しい。そこでコレの登場となるわけです。脚がついてるタイプだと石に煤を付着させずに済むし、シングルバーナーに大鍋を載せるのにも使えるから、使い勝手もいいんです。写真のようにシェラストーブにもぴったり。

最後に、服装にも注意が必要。パタゴニアのフリースなんて着て焚き火しちゃ駄目ですよ!火の粉が飛んで、袖に着地!虫が地面に潜るようにオレンジの点がゆらゆらと蠢いたなって思ってるうちに一瞬光が弱まって、直後にパッと明るくなる。これであなたの大切なフリースは風通しが良くなってしまいます(涙)経験談だから臨場感あるでしょ?僕はカヌーにはコットンのウェアは持っていかないけど、焚き火専用にコットン100%のフィールドコートを持参してます。パンツもカヌー用のサプレックスナイロンなどははきかえます。


家族で囲むならこういうスタイルも良いかも。
パーコレ−タ置いたりマシュマロ焼いたりも出来ます。

 

Chapter 8 カヌーのお手入れと保管

 

 


 

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