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FLAME LAYOUT

 

 

 

 

 

 

July.2005 part.1

 

 

 

 

 7月2-3日 雨ならではの海山三昧

 


『やった!捕まえたわよっ!』雨粒が落ちてフロストグラスの
ような川面でエビタモを高く掲げて誇らしげなMama

 

 

2日目 魚飛渓川遊び

6:00に目覚めてダッちゃんのサイドウィンドウから外を眺めると東の空が明るくて薄日が差している。あぁ今日はお天気良いのかも...そんな風に安心して家のベッドよりも寝心地が良いダッちゃんのベッドで二度寝。ところが7:30に再び目覚めると、さきほどの薄日はどこへやら!な雲が低く垂れ込めた曇天。しかも、のんびりと定番になったホットサンド&フルーチェ&プラムの朝食を食べてる間に雨がポツリポツリ...ザァ〜!ってこれでもか!の尾鷲降り(涙)。
大袈裟ではなく5分ごとに目まぐるしく変化し、しかも数百mの距離の差で晴れと雨が同居したりする特異な東紀州の気候。(将来、どんなに気象学が進んでも東紀州の天気予報の精度は上がらないだろうなぁ...笑)全国平均より300時間以上も日照時間が長く、そのくせ同じく平均の何倍もの雨量があるというこの地で楽しむためには、雨と仲良く付き合うことが大切なのだ。


朝のキャンプサイト

朝食はいつものホットサンド

ま、しゃぁない、この雨も海山のキャンプならではだし、晴れてたら一刻も早く川に入りたくてグズグズしてる子供たちを叱り飛ばしてしまうところだけど、雨ならゆっくり出来ていいな、などと空を見上げながらリビングシェルでのんびりと過ごす。
雨中の撤収を済ませて10時頃にセンターハウスでチェックアウト手続き。センターハウス前に用意された七夕の笹に願い事の短冊を結んだりしながら、アキヒロさんと今日の遊びを考える。


ジャストサイズでダッちゃんと接続

センターハウスで七夕飾りに願い事を書く

『気温も低いし、これだけ降ると川に入るのは辛いでしょう?』
『ははは、30分で“ムラサキクチビル”確実ですね。今日は泳ぎはキャンセルと言うことで。』
『ま、今度のために堰堤上のカヌーポートをチェックして、ゲート前にクルマを停めて歩いて魚飛渓の下見にでも行きましょうか?』


堰堤上はこういう酷い状態

メンバーにそのことを告げと、少し悔しそうにしつつも異論は出ず。この雨の中で泳ぐのははっきり言ってマゾかヘンタイだもんね(笑)
そんなわけで、まずはカヌーポートへ。

結果...『うわぁ、ひどい!』
『ここにカヌーを浮かべたらカヌーが汚れそう』
『汚れるのはカヌーじゃなくて頭のお皿だろ?(*河童のお皿の意味ね)』
実際のところ、水は清冽。でも川底は土砂に覆われて全く水深がないし、土砂には一面に緑色の藻が生えている。ダメだこりゃってことで、カヌーはキャンセル。
早々にキャンプ場を出て又口川の橋のたもとにクルマを置いて(林道の状態が判らないし、復旧工事車両の邪魔をしてはいけないので、乗り入れを自粛)、合羽を着た河童に変身して、土砂降りの中を歩いて魚飛渓へと入る。

トイレ『くつろぎ庵』のそばは堆積した大量の土砂で立派な河原が形成されててメチャ驚かされたものの、左側の木立の間に独特の淡いグリーンの水面が見え始めると、言葉に出来ないほどの感動が僕らを包む。

『お利口ねぇ〜!よく頑張ったわねぇ〜!』

目に映る自然全てに向かってそう声を掛けるともちゃん。彼女の言葉にうんうんうんと頷く僕ら。
それまでの不安な気持ちが一掃されて自然と笑顔になってヤケに饒舌になってしまうのだ。
とは言え、林道の状態は目を覆う酷さ。
水面から20m以上高い場所にある林道だけど、あの水害の際は濁流がこの林道を洗ったのだろうか?舗装は剥がれ、コンクリートのよう壁は基礎工事ごと崩れ、路面の所々には深いクレバスが口を開けている。
そんな林道と対照的に以前のままの美しい魚飛渓!
自然の凄さ、怖さと同時に尊さを実感する光景である。


林道入口にクルマを停めて徒歩で魚飛渓へ

15分ほど歩いていつもの一枚岩に到着。
ガードレールの向こう側にあった雑木林がごっそり無くなっているのには驚かされたけど、一枚岩は健在。ただ、あんなに深かった淵は半分ほどの深さになり、5tもの岩が滑り台を塞ぎ、飛び込み台岩の下は水深1.5mほどになって飛び込みは出来なくなってしまってる。それでも川に下りて川を眺めていると、透明な水面下にはお魚がウヨウヨ。
『あ、ヤッパ雨だとエビちゃんたちが岩陰から出て来てていいわねぇ〜!』
ともちゃん&いずみちゃんが身体をムズムズ震わせながら『う〜、泳ぎた〜い!』(笑)


泳ぎたい人ぉ手を挙げて、ハ〜イ!

クルマを回して雨中のお着替え

『泳ぎたい人、手を挙げて!ハ〜イ!』ヲイヲイ、勝手に多数決すんなよ!
『はい、泳ぐことに決定!パパたち、クルマを取って来てね!』
ハァ?さっきまで“この雨の中で泳ぐのはヘンタイだよねぇ〜!”なんて言ってたのはどこの誰でしたっけ?
でも、僕とアキヒロさんも実は泳ぎたかったので(笑)、クルマを取りに戻って、さっさと大雨の中で着替えを済ませて川へ!
『潜れへんからここはイヤや!』川遊び場については誰よりも目の肥えたMasa&Koukunがここで遊ぶことに異議を唱えたので、歩いてる間に見つけた新しい場所に移動し、豪雨の中の川遊びの開始だ。

 

ピチプチポチペチ♪...水面に落ちる雨粒が
水琴窟の連弾のような美しい音色を奏でる

 


一枚岩は淵が埋まったので別の場所で

滑り台もある!(Masaが試し滑りして安全を確かめる)

すでに滑り台を滑って淵に飛び込んで無邪気な笑顔をうかべてるMasaとKoukunを追うように、僕もマスク&シュノーケルを着け、ドボン!『ぶばぁ〜ずげげげ〜!』(うわっ、すげぇ〜!)僕は目を疑う。鮎、ウグイ、テナガエビはもとより、ズガニ、ウナギ、アマゴ!魚影の濃さは、何と言えばいいのかな?そう、水族館の回遊水槽のよう!しかも右手でカメラを構えて、空いた左手を伸ばすと、簡単に鮎に触れられるのだ!全く無防備な鮎たちが、液晶モニターと僕のマスクの間をスイスイ通り抜け、体長数cmのウグイの子供は、僕の手をツンツン啄み始める始末...こんなの初めて!昨日の和具ノ浜みたいな豊かなビビッドな色彩はないものの、中間色でシックな青だったり、ほのかな朱色のラインだったり、エアブラシでひと吹きした感じの淡い黄色だったり、川の魚たちもなかなかどうしてオシャレなのである。


男の子は大岩の淵で大潜水大会

笑顔で潜るMasa

それにしても尋常じゃない魚の数。去年の水害以降、僕らのようにココに遊びに来る人が少ないからだろうか?まるで飼い慣らされたペットみたいに僕に警戒心をみせるそぶりさえない。
『昨日の和具の魚たちもそうだったけど、なんだか魚たちがウブでヤスで突く気になれないですねぇ。』
アキヒロさんも苦笑。確かにこれだけフレンドリーな態度を見せられると、漁と言ってもせいぜい網で掬うぐらいのことに留めたい気持ちになるから不思議だ。(なんだか、簡単に落ちるオネエチャンには食指が伸びないってのとおんなじかな?違うか?...笑)


水中を覗くと、まさに淡水魚水族館状態!

 


やった〜!テナガエビゲット!

立派なテナガエビ

子供の頃は何が何でも獲物を捕まえて、しかも自分の手で命を奪わないと気が済まなかったし、実際そういう経験を通じて命の大切さとかかけがえのなさとかを学んできたわけなんだろうけど、(逆に子供時代にそういう経験がないと、何とな〜く人を殺しちゃったりするのかも...)大人になった今は、少年時代のようにカエルのお尻に爆竹を挿して火を点けるような(男の子なら誰でも経験あるよね?)、そういう残虐な行為も特には快感を覚えなくなっているのと同じく、何でもかんでも捕まえて殺す必要はないな、と感じている。(これは僕に限ったことではなくて、最近のMasaの言動の端々にも感じられること。彼もそういう時期を卒業したのかもしれない。)


Azu&Moeは熟練のタモ捌きで次々にお魚をゲット!

どう見ても普通の母娘関係じゃないですな...

 


オレってこの石ころ一個で沈むんだぜ!

そんなわけで、昨日と今日の2日間で捕まえた貝、魚、エビ、カニetcは、全てリリースした僕ら。
僕らの漁はあくまで“なんちゃって”なわけで、以前から『その場で食べない限りは全てリリース』が大前提なんだけど、今回は特にあの大水害後初めての海山遊びということもあって、獲物たちが以前と変わらずにそこに居てくれるのを確認できただけで充分に満足だし、何だか彼らが“遊び仲間”に見えてしまって命を絶つ気がしなかった。この気持ちは今回限りなのか?それとも海山の自然が元通りになるまで続くのか?それは判らないけれど...僕と僕の家族は特に相談したわけでも打ち合わせして取り決めたわけでもないけど、同じようにリリースを繰り返したのだった。


滝壷には魚が群れ泳ぐ

滝を滑り下りてそのまま泳ぐ

こんなことを書くと、『バカバカしい感傷はやめろよ!』なんて笑う人が多いのは解ってるし、『今日は別にエビを殺して喰わなくてもオレ死なないもん。』なんて言ったらノダトモスケシンパには“生っちょろい頭でっかちな輩”だとか、“遊びの何たるかを知らない可哀想な奴”だって軽蔑されてニッポンを悪くした代表みたいに言われかねないけど、本音なんだからしかたない。(実際に去年ノダさんの文体とそっくりの“成りきり君”から我が家の野遊びスタイルに貴重なご提言を戴いたことがあって...BE-●AL主催のイベントでノダさんの直接指導を受けたオレに言わせると云々...って書き出しにはさすがに失笑しちゃったけど...笑)
子供達だけでニワトリの首を刎ねて羽をむしって食べたり、猪の皮を剥いで川で血抜きをしたり...そんな少年時代を過ごした僕は動物の死体を見てもそれほど驚かないし、ましてや汚いなんて感覚はない。ただ自然界の捕食動物が決してやらないこと...つまり自分と家族が食べ切れないほど獲物を仕留める“大人”ってのはどうもなぁ...少なくとも僕とはちょっと違う感覚を持ってる人達だな。最近はそんな風に感じるのだ。
(全狩猟愛好者を敵に回す発言かも。非難覚悟で書いたけど、あくまでこれは僕の個人的な感じ方であって、この気持ちを誰かに強制するつもりは毛頭ないのでお許しのほどを...笑)


エビタモに間違って入った鮎(すぐにリリース)

小さな滝の裏側に入るMasa

Azu&Moeはふたりで楽しそうに過ごしてる

テナガエビたち(帰りにリリース)

ただ、誤解されると困るけど、もちろん僕もキャッチ&リリースには決して賛成なわけではない。どうしたって捕まえる際に傷ついたり弱ったりするわけで、キャッチした獲物は美味しくイートしてあげるのが一番だと思う。その場でイートするだけ獲る(採る)。持ち帰りはしない...これが我が家の大原則で、逆にイートしないならキャッチしないで観察に徹するべきなんだろうけど、うちの猫のChichoと同じように、人は『何故人は漁をするのか?それはそこに獲物がいるから』的な衝動を止められないのは事実(笑)。キャッチして初めて生き物を知り、愛することが出来るとも言えるかもしれないしねぇ。

 


滝壷にはアマゴの姿も!

ま、そんなわけで、難しい話はともかく、淵に潜って岩にしがみついて身体を支えながら水中のお魚たちをうっとり眺めたり撮影したりしていると、『やったぁ〜!』ともちゃんの絶叫が水中にまで響きわたる。エビタモでテナガエビをゲットだ。
ともちゃん&いずみちゃんはその後も次々とエビちゃんゲット。網を振り回してるうちに6寸程度の鮎が間違ってタモに入っちゃうアクシデントもあって(笑)、試しに狙いを魚に変えたら、小さなエビタモで簡単に捕まるのだ。もちろん彼女たちもバケツに入れて観察した後は全てリリース。
女性陣も去年の水害の後、魚飛渓がここまで復活を遂げたことが嬉しいそうで...そこに住む生き物たちが愛おしくて可愛くて...命を絶って食べる気がしないらしい。この気持ちはAzu&Moeも同じ。いつもなら持ち帰って飼う!って聞かないふたりも、捕まえた獲物がバケツにある程度たまると『またねぇ〜!』って放流(笑)。


奇岩だらけの魚飛渓
雨に濡れてまるでガウディの作品のようだ

上:天然のジェットバスにくすぐったそうなMasa
下:細い水路を滑り下りて遊ぶ

少年たちはひとしきり水泳を楽しんだ後、流れに沿って上流に向けてリバートレッキング開始。
淵を泳ぎ渡り、A.ガウディの作品群と類似性を感じる真っ白な岩々を越えて彼らはぐんぐん上流に向け進む。普段遊んでる宮川某支流とは岩の大きさといい、傾斜の強さといい段違いの魚飛渓。中学生になって筋力がついた彼らにとっても、なかなかスリルのある岩登りのようだ。
高さ5m以上もの大岩のピークに立ったり、狭く流れの急な水路を滑り下りたり...僕から見えるのは彼らの後ろ姿なんだけども、後姿で満面の笑みが読み取れるような感じなのだ(笑)。
今度ここに来る時はヘルメットを絶対持って来よう!僕とMasaの意見が一致する。

 


“なんちゃって”ロッククライミングも楽しみのひとつ

 

こんな感じで昼食の時間も惜しんで(あの豪雨の中では昼食を準備するのは無理だったけど...)14:30までずっと川遊びを続けた僕ら。女性陣が少し寒さを訴え始めたところで雨中の川遊びは終了。シャワーのように降り注ぐ雨の中で着替えを済ませ、大満足で魚飛を後にした僕らだった。

『さぁ、昼飯は何がいい?』
アキヒロさんと僕の質問に、全員が声を合わせて...
『ラーメン!温かいラーメン!』

はい、模範回答!やっぱり水遊びの後はラーメンだよな。(笑)


後ろの「洞窟」に入りたいみたいだったけど...

雨の中の川遊びは14:30で終了。みんな大満足!

CAUTION!
●魚飛渓は現在も復旧作業中です。路面は所々で崩落あるいは大きなひび割れが生じ、特に路肩は危険な状態にあり、クルマごと転落する事故の可能性が今なおあります。またこの道路は日時によっては工事車両の通行がある可能性がありますので、入口にあるトイレ「くつろぎ庵」の先への進入はお薦めできません。(種蒔き権兵衛の里、あるいはキャンプinn海山から歩いて1時間程度と至近距離にありますので歩いて入ることをお薦めします)
●雨の魚飛渓は非常に滑りやすく、通常の靴(ウォーターシューズも含む)での歩行は非常に危険です。また巨岩が入り組んだ地形ゆえ、転倒により頭部を強打し意識を失って渓流に落水した場合に発見が遅れることが予想され(我が家は全員がフェルト底のウェーディングシューズを履いております。)当サイトは雨の渓流遊びを推奨するものではありません。

 

 


QuickTime Movie 2.8MB 

 

 
1日目 和具ノ浜シュノーケリングへ

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