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April.2005 part.6
 

 

 

 

4月28日-5月1日 GW2005 紀伊半島の清流を訪ねて


少女峰前を進むMasa

4/28〜29 古座川

26日から一足早く紀伊半島入りしているKevipaさんちのブログを会社のパソコンで覗き見ながら僕のカヌーしたいしたい衝動は最高潮(涙)。もう仕事してる場合じゃないんである。それでも連休中に何かあってはイケナイ!と気持ちを入れ替えて残務をこなし18:00に帰宅。すでにカヌーとキャンプ道具が積込み済みなのでヒッチホウルに載せるスチールベルトクーラーやiglooの飲料水などの積込みを終えて家を出たのは20:00ちょい前だ。
“古座川クリーンアップ作戦”が開催された2001年以来、恒例になっている『GW紀伊半島の清流を訪ねて』キャラバン、Casitaがダッちゃんに変わって初めての南紀へのキャンプとなる。伊勢道から国道42号に入り勢和多気ICそばのレストランで少し遅い夕食を摂った以外はノンストップでひたすら南を目指す。走り慣れたR42もDiscoよりも30cm近く高いアイポイントから眺めるとまた違った印象だ。2mを超える車幅には少々気を遣うシーンも多いけど、間違いなく言えるのはDisco&Casitaに比べてドライバーの精神的負担が小さいこと。必ず今日中に古座川に着かなくても、例えば眠気に襲われたら道端にクルマを停めてベッドを展開するだけで眠ればいいじゃん!...そんな余裕の気持ちが有難い。

結局4時間半で古座一枚岩キャンプ場に到着。去年はクルマ1台が入る隙間もないほどに混み合ってたここ。キャンプ場と言ってもただの駐車場でしかないので予約なんてのは出来ないわけで、今年も入れなかったらどうしよう...と少し不安を抱えてたけれど、嬉しいことにキャンプ場は漆黒の闇、つまり貸切り!他のキャンパーが居たらそのまま大人しく眠るつもりだったけれど、誰もいないから迷惑にもならないってことで、手早くタープを設営し積荷を外に出して1:00過ぎ、静かな...というか静か過ぎる古座川畔に停めたダッちゃんで眠りについた。


古座一枚岩キャンプ場はほぼ貸切状態!

静かな川畔で朝食を楽しむ

ダッちゃんからカヌーを下ろしゴールへ回送

騒がしいほどの野鳥のさえずりで目が覚める。Protrekを見るとまだ5:30。でも夢も見ずにぐっすり眠った僕はもっと寝たいという欲求を感じなかったので、サイドのデュアルドアを開いて外に出る。ちょうどそこへギンギングラマンを載せた白いNissan Caravan Sarai(=サリーちゃん)がやってくる...我が家同様“予定は未定”旅の途中のマジコさんである。紀伊半島を時計周りで一周しようかな...ぐらいの予定は立ってるらしいけど、楽しければ予定変更アリアリな気楽な旅...予約?何ソレ?これが野遊びの基本のかもね。

マジコさんと挨拶を交わし、朝食を食べた後、takaboo家が到着するまでの間にカヌーを下ろしてダウンリバーの準備を済ませ、takaboo家の到着とともに少女峰下のゴールポイントへクルマの回送に向かう。

全員の出艇準備が整い、10:40古座一枚岩直下の川面にカヌーを浮かべ古座川ダウンリバーのスタートだ。今日はカナディアンカヌー6艇(OldTown Appalachian Shiorin&Keikoちゃん/Cascade by takaさん/Camper aki&Azu/Pathfinder by Mama/Hunter by Masa/Grumman by 、ひよちゃん&nokoさん)カヤック1艇(Dagger by Maakun#b)、ダッキー1艇(Savylor マジコさん&はるちゃん&かれんちゃん)、の7艇体制。狭い古座川の流れでは一緒に下るのは多すぎるのかもしれないけれど、ま、みんなそれなりにカヌーをコントロールできるスキルがあるので大丈夫だろうな。
河原で感じた強い風も川に出てみると完全な追い風。当たり前だけども風速と同じスピードで流れ始めると無風なのである(笑)。大きなアクビをしながら褐色の一枚岩と緑の山並みに挟まれた長細い空を見上げると雲ひとつない青空!


一枚岩下でダウンリバーの準備

目を川面に転じると、眩しいようなクリアなグリーン...カヌーの影が川底の小石を黒く塗りつぶすように進んでいるのがハッキリと判る透明度である。水位はこれまでで一番低い感じだけども、ライニングダウンを厭わない僕にとって水位は高いけど濁ってるよりは断然イイ!ゴキゲンなダウンリバーになりそうである。

 


古座の一枚岩をバックに漕ぎ進む

UFOのようにも見える物産センターの銀色の屋根を右手に見ながら旧道の相瀬橋をくぐると川は大きく左に曲がる。ライニングダウンの準備をしながら恐る恐るザラ瀬を無事通過し、左岸から張り出した枝をかすめて通るといよいよ古座川らしい流れが始まる。


3家族13人が8艇に分乗してスタート!

なかなか真剣に漕ぐバウのAzu

川が右に左に向きを変えるごとに現れるザラ瀬と深く美しい淵、ザラ瀬を通過する際の本流の見極め、水中に没してる小さな隠れ岩を避けるコース選択にさえ気を配っていれば、今日のように水量は少なくても山並みを縫うように流れる川らしく傾斜は結構あるのでそれなりのスピードで進むことが出来るのが古座川の魅力だ。しかも、淵に浮かぶ自分の影が川底にくっきり映る透明度がタマラナイ。
そんな素晴らしい状態の中、景色を楽しみながらのんびり静かに進む僕ら。ただし、“野性のMasa”はパドルをボトムに置きっ放しにしてMaakun#bを標的にウォーターガンでバトル。イイカゲンにしなさいっ!


真剣にウォーターガンで遊ぶMasa(涙)

『瀬、だ〜いすき!』なAzuは超ゴキゲン!

 


このふたりはコレばっかり(涙)

数年前に開通した相瀬トンネル出口に架かる峯口橋(3kmポイント)を過ぎると流速がさらに増し、ほとんど漕がなくても僕らのカヌーはぐんぐん進んでゆく。右岸の小さな流れ込みを過ぎたあたりに今回唯一の瀬が見えてくる。まずは僕が瀬に入って左岸にエディイン。続いてtakaさんが右岸の岩陰へ。ふたりのPapaが両岸でカメラを構える中をさすがにウォーターガンをパドルに持ち替えてMasa。そしてMaakun#bのカヤックと続く。沈を恐れて怖い顔をして瀬に入ってくるMamaを撮ろうとズームインすると、そこにはこれ以上ないほどの満面の笑みを浮かべている彼女の姿...気田川の沈以来、全く大波小波を怖がらなくなっていて正直ツマラナインだけども。(笑)続いてnokoさんのグラマン、keikoちゃんのアパラも危なげなく瀬をクリア。スターンレディ歴が浅いなんて信じられないほどの的確なパドルさばきに感心してしまった。


ダウンストリ−ムVの頂点・流芯をゆくMasa

瀬では一応パドルを握るMasa

瀬の中でも背筋を伸ばしているAzu。怖くない証拠だ。

Shiorin&Keiko親娘の勇姿


余裕のお嬢さまを載せて瀬をゆくマジコさん

左岸の河原で初めての休憩を取り、Azuがどうしてもかれんちゃんとふたりで漕ぎたいっ!と言うので、ここでメンバーチェンジ。Azu&かれんのPath、花の中1トリオのSavylor、自分のフネを追われたMamaとnokoさんがそれぞれの旦那のバウにおさまり、takaさんとKeikoちゃんがアパラとCascadeでソロ!カヌーが思い通りに進み始めた時のKeikoちゃんのちょっと戸惑ったような嬉しいような表情もカワイイけれど、それより何より、まるで娘の成長に目を細める父親のようなtakaさんの優しい眼差しが印象的だ。


ストリームアウトして休憩

水量は少ないけど水質はまずまず

旦那よりも積極的にカヌーを楽しむ奥様ってのは僕の周りではやはり少数派で、我が家も含めほとんどの家庭ではカヌーに対する夫婦の温度差がある場合が多い。旦那が子供を残してひとりで出かけていよりはマシかな?とは思いつつ、カヌーなんて何が面白いのよ??とあまりカヌーに乗りたがらない奥さんを、時には『ウッホッホッホ、イヤよイヤよも好きのうちだろっ!』などと半ば強引に、そして時には『お願いっ!後で○○買って あげるから乗って!』などと物欲作戦で攻めたり、時には『いいもん、乗ってもらわなくても。ボク、拗ねてギャンブルやオンナに走っちゃうもん!』などと駄々をこねたりして(笑)何とかカヌーに乗ってもらえる努力を尽くしてきただけに、奥さんがソロでカヌーを操ってそれなりに楽しそうにしてるのを見るのはヒジョーに感慨深いものなのである。


ここからバウにMamaが乗り込んで...

小5ガールズがタンデム

会話の中でMamaが自ら『カヌーに乗りたいわねぇ〜!』とか『ソロの方が絶対楽しいわぁ〜!』とか言い始めるのってのは“アナタの色に染まります”的なウヒヒ感...これは子供がカヌーに乗り始める時のヨロコビとはまたちょっと違った感覚なのだ。(そうなんですぞ、独身諸兄...笑)


鶴川橋の河原でランチ

ま、とにかく瀬も屈曲もな〜んもない川をただダラダラ〜と流れてもカヌーの喜びを感じないのと同じく、“奥様の瀬(5級)”を越えるのもパパパドラーの愉しみ。僕がこれに気付いたのはここ最近のことだけど。

そんなわけでシアワセいっぱいのtakaさんの嬉しそうな顔(この人、すぐに喜びが顔に出ます...笑)を見つつ立合橋を過ぎ、時折岩の突き出た早瀬の連続する区間を過ぎると正面に鶴川橋が見えてくる。家族だけだと赤ちゃん同然(じゃなくケモノ同然か?...笑)羞恥心なんて消えうせる女性陣もこれだけ人数がいるとさすがにちょっとその辺で“お花摘み”というわけにもいかないので、公衆トイレがある鶴川橋の河原をランチポイントに決める。
12:40鶴川橋到着(6kmポイント)。

それぞれの家族ごとにランチタイムを、と思ったけども、子供たちは男の子コンビ、小5コンビ、中1トリオに分かれてお食事。大人たちがまったりとおしゃべりを楽しんでいる間、Masaは『ちょっと行ってくらぁ〜!』と言い残して川を泳ぎ渡って対岸へ。続いて小5コンビ、中1トリオもカヌーに乗って対岸のブッシュに上陸。『ママぁ〜、エビがいっぱいいるよ!』Azuの言葉に『どこどこどこ?』と声を上ずらせて小走りでカヌーに飛び乗り対岸で漁に励むMama...ヲイヲイまたかよ(涙)。

結局、河原でのんびり過ごし14:10午後の部スタート。Keikoちゃんのバウにnokoさん、中1トリオはマジコさんとSavylor→グラマンの乗り換えなど、またまた若干のトレードをした僕らはさらにダウンリバーを続ける。


早々とランチを済ませて泳ぐ少女たち

Masaはこんなところで個人メドレー

川を泳ぎ渡るとさすがに身体が冷えた模様(笑)


夏のような陽光を浴びてダウンリバーは続く


正しいニッポンの里川!

沈下橋を潜るAzu&かれん

7kmポイントの大柳橋までは流れの中に小岩が散らされたように点在する早瀬。ここで小5コンビはガシガシ岩にぶつかって大喜び(だめだよ、ぶつけちゃ!)。以前吊り橋があった明神中学校前の河原でひと休みした後は、いよいよ沈下橋に差し掛かる。


透明な古座川をゆく夫婦CAMPER

車道から見る限りカヌーで通過できないほど狭く見えた岩の隙間だけど、実際に近づいてみるとどうにか通れそう。但し、いつものように橋脚の間を抜けるのとは違って岩の隙間のコース幅はほんの1.5mほど。先にお父さんが抜けて岩のエディで待機していると、小5コンビが微妙なパドルワークで小さくコース取りを修正しながら笑顔で通過。タンデムの妙は絶対的なパワーよりも前後ふたりのバランスが大切なんだなぁと今更ながらに実感させられる。
全員が岩にトラップされることなく沈下橋を無事通過し、再び岩礁地帯を抜けて大きく左にカーブを採ると右岸に“ワンちゃん岩”。

この辺から支流・小川のクリアな水が合流し古座川の流れは一気に透明度が上がる。15:25小川合流点通過(10km)。


竹のストレーナーではライニングダウン

Azuは何故かライニングダウンが好き。

合流点すぐ下流の右カーブは左岸寄りに倒竹のストレーナーが川を塞いでいるので一旦フネを降りてカヌーを流して慎重にライニングダウンで通過。そこから高瀬橋までは今回のコース全体を通じて最も水質が良い気持ちのイイ瀞場が続く。長時間にわたって川底にカヌーの影が映り、まるで水が存在しないかのような、いわゆる“空飛ぶカヌー”のシアワセを味わって高瀬橋をくぐると広い瀞場の流れが一気に右岸寄りに幅5mほどの早瀬に集まる。先行するtakaさんとMamaがカヌー上で立ち上がって瀬をスカウティング。


緑と青しかないっ!

瀬の途中に岩が点在しているのが見えたのでtakaさんと僕が先行し瀬に入る。波も低く素直な0.5級の瀬。でも瀬の真ん中に隠れ岩が2個あり、その先に川底から50cmほど突き出た倒木の太い枝がある。一応右岸のエディに入って後続を待つことにする。


立ち上がって進路をスカウティングするMama

そこへ直前までウォーターガンでMaakun#bを攻撃してたMasaのHUNTERが進入してくるのが見える。
隠れ岩を避けたMasa...ところが倒木を避ける様子はなく、そのままバウを若干右に振った姿勢のまま倒木に激突。どうやら倒木に気付かなかったみたいだ。
予想外の障害物の存在になす術もなく赤いボトムを見せて上流側に沈するMasa。ところがそのまま裏返ることなくカヌーは倒木を支点に右舷を空に向けて縦に停止する...おおっ!絵に描いたようなブローチングだっ!
カヌーは倒木の支点でまともに水流を受け徐々に水中へと引き込まれてゆく。カヌーの向こう側にMasaの頭が見え、表情までは読み取れないけれどメチャアセってる感じがありありと判るほど忙しく動き回っている。早くしないとHUNTERは真っ二つに折れ曲がってしまうぞ!

次々と流れてくるウォーターガンや防水バッグを広い集めながら僕は上流へと漕ぎ上がる。後続のマジコさんも右岸にフネをとめて駆けつけてくれたけど、間もなくカヌーは倒木から離れ、Masaとともに流れてくる。カヌーとパドルを意地でも放さないの彼からカヌーを引き離し、ペインターロープを手に岸に寄せてレスキュー。
のちの事情聴取(笑)でのMasaの証言によれば、Masaは最初はかなり頭が混乱したらしいけれど、HUNTERがメリメリッ!と壊れ始める音を聞いてやっと冷静さを取り戻したらしく、左右のバランスを崩せばカヌーが倒木から剥がれることを思い出してバウに回ってカヌーをズリズリと押してブローチングから脱したとのこと。ま、パドルよりもウォーターガンを手にしてる方が長くて完全に古座川をナメてた彼には良い勉強になったんじゃないのかな?『あ〜あ、今月2回目の沈やぁ〜!』彼の嘆きに一同爆笑(笑)


瀬の下流で親子で水抜き(笑)

それにしてもヒドイのは彼の母親。彼が眉間にシワを寄せて必死でフネを押したり引いたりしてる間、まぁこれ以上ないほどの満面の笑みを浮かべ、『それ見たことか!』などという暴言を吐きながらワッハッハッハと爆笑。確かに僕も薄笑いを浮かべてたような気もするけど(笑)


フネを壊すところだったMasaはマジメに変身

立ち上がってパドルのスピンネ−カーを掲げる


ゴールの少女峰が見えて来た!


少しづつ夕暮れが迫る

気田川に続く今季2度目の沈に一挙にかなり慎重なパドリングに変わったMasaに笑いをこらえながら、僕らはさらに川下りを続ける。左手に牡丹岩、正面に少女峰が見えるとゴールは間もなく。月野瀬温泉あたりでは強い追い風に全員が立ち上がってパドルを高く掲げてスピンネ−カーのように風を捉えてぐんぐん進む。右岸の淡い紫色の藤の花と中国・桂林の鋭峰を思わせる少女峰の美しい姿。岸辺の岩には夕陽を浴びて可憐にさえも感じられる黄色い苔の花...美しい自然に目を奪われている間にゴール。時刻は16:30、13kmの行程を6時間というペースがとても僕ららしいな、と思う。

全員がゴールしたところで、お父さんたちはマジコさんのサリーちゃんでスタートポイントへクルマを取りに戻ることにする。


少女峰前にゴールする我が家の3艇

車窓から見える夕陽を浴びてキラキラ輝く川面をうっとりと眺めつつ一枚岩に向い、それぞれのクルマに乗り換えてゴール地点に戻ると、へっ!!
なんと、河原から一段上がったパーキングスペースにカヌーの装備だけではなく8艇のカヌーが整然と並べられているではないか!鳩が豆鉄砲を喰らったような顔でクルマから降り立つと、ママたちは笑顔で『ね、ね、びっくりした?私達で運んだのよ。ね、すごいでしょ!!』と得意満面。いや、ほんとビックリしましたです。ま、お礼代わりにチュ−でもしましょうか?や、や、や、やめてよっ!(笑)


少女峰前にゴール

女性陣がカヌーを駐車場まで運び上げてくれた!

楽をさせてもらったパパたちは、半分ぐらいの時間で手早くカヌーをクルマに載せ、そのまま月野瀬温泉『ぼたん』へ向い、少し硫黄臭のあるスバラシイ温泉で疲れを癒す。温泉でホカホカホクホクになった僕らはそのまま鶴川橋のたもとにある『一雨のつくし』でママ&マスターと愉快な会話を楽しみつつ美味しい料理に舌鼓。キャンプサイトに戻って満点の星を眺めながらの静かな宴会...

『シアワセなカヌー生活』ってのは今日のようなことを言うんだろうな...そんな一日。


古座川では定番の『一雨のつくし』へ

今日はお疲れさま!

 
4/30 熊野川へ進む

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