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SEPTEMBER~OCTOBER.1998

 

 

10月25日
先週オーストラリア旅行で長い間休んだし、今週は家でじっとしてようなんて思ってたけど週末が近づくにつれて悪いムシがウズウズ(笑)天気も良さそうだしなあ...
「なあ、ミカン狩り行かないか?」「えっ、どこに?」「熊野の金山パイロット。10/10からオープンしてるらしいよ」「いいわねえ!Maa-kun、Azuも行きたい?」「うん、行く行く!!」「わたちもいく〜!」
前日夕方からPapaはゴソゴソカヌー倉庫へ...

「ミカン狩りにどうしてカヌーが要るのよ!」「えっ、いやあ、その、せっかく熊野まで行くんだから北山川なんかも行ったりなんかしちゃったりして...」「あなたのホントの目的はそれでしょ!まったく、もう...」すっかりバレバレであった(笑)
日帰りで川下りとミカン狩りをするとなると時間を逆算して、朝の4時には家を出なくちゃいけない!が、しかし朝が弱い我が家はしっかり寝坊して5:00に出発。子供たちは眠ってるのでパジャマのまま荷物のように積み込む。途中のコンビニで朝食を買って国道42号をひたすら南下する。宮川沿いを走るR42から見た夜明け前の宮川に沸き上がる川霧は圧巻。この霧がおいしい伊勢茶を育むのだそうだが、まるで白い大蛇のようだ。

紀伊長島で日の出を迎え、8:20北山川・田戸に到着。駐車場から見下ろすとそこそこ(田戸船着き場で1mのアップ)増水してる。駐在所前にいたおばちゃんに聞くと今日はジェット船は大増便らしい...度胸満点でも操船技術に難のあるMamaは、これで戦意喪失。彼女のためにHunterとCamperの2艇のカヌーを積んできたのだが、「今日は1艇にみんなで乗って下りましょ!」ってことに。
寝坊したおかげで、もうジェット船始発前に下ることは無理なのでカヌーや道具をそこに残して、クルマを瀞大橋まで廻しておくことにする。朝が早いからか途中の山道ではニホンザルの群れに遭遇!4〜5mの距離でボスらしき大きな茶色いサルが木を揺さぶって威嚇してくるのは少し怖い。(あいつらが石を投げて襲ってくるなんてこと知らないから子供たちは大喜びだけど。)キジや鹿なんていう定番の動物もけっこう道を横切る上に落石も多いから運転に気をつかう。9:15に瀞大橋に到着。

そばのホテル瀞流荘でジェット船の乗船券を購入(瀞大橋〜田戸 片道大人¥700)9:55発のジェット船でカヌーを置いて来た田戸へ(約15分)行くことにする。これで下った後にクルマを取りに戻る必要もない。
瀞大橋のたもとでジェット船を待ってると、来るわ来るわ、1分ごとにどんどんジェット船が上がって来る。しかもどの船も満員状態だ。「おい、今日は止めるか?」弱気になるPapa。これだけジェット船が多いと瀬の途中ですれ違うことも多くなるし、運行の妨げになってはいけないし...。いつもなら極力波が立たないように減速してくれる親切な運転手さんたちもお客をこなすために、それどころじゃないだろうから。その上今日は家族全員で一艇に乗るから吃水ぎりぎりで、波を被るのは必至!ソロなら流速18km/hの「大瀬」でも方向転換やストップも自由に出来る自信はあるけど、タンデムだと息が合わないと上手く操作出来ないからなあ...。「でも、カヌーや荷物、田戸に置いてきちゃったから下るしかないわよ。」Mamaは強気だ。うん、まあ水量多いから瀬の幅も広がってるし大丈夫だなってことで下ることに決定。

「あっ、あおさぎ!」とか「カワウちゃんだ!」とか大声上げるもんだから、ジェット船の船内ではAzuが人気者。「おじょうちゃん、小さいのに怖がらずにオフネに乗れてえらいわねえ...」なんてホメられる。今からカヌーで川下りします、なんて言ったらおばちゃんたち驚くだろうなあ...。
田戸に着いた後、駐車場から河原への「地獄の荷下ろし」もなんとかひとりでこなし(カヌーが一艇なので4往復で済んだ)、びっしり係留されてるジェット船の隙間から遠慮がちに出発。いきなり岩陰から上りのジェット船の鼻先が現われる!「プァーン!!」いきなり警笛鳴らされちゃった!背後からも下りのジェット船が!「プァーン!」アレレ、まただ!ジェット船が去った後には両側から大波がやってきてダッチロ−ル状態になる。

ソロの軽いフネなら腰のひねりでやり過ごせる波も今日はまともに被ってしまう。Maa-kunが今、まさに口に入れようとしていたチョコレートを波に持って行かれて抗議のこぶしを突き上げてる。バカ!お菓子食べてる場合じゃないだろ!亀岩が見える頃までずっとそんな状態が続いて我が家のカヌーは既に水びたし。ジェット船の航路から外れた一番すみっこをヨロヨロと進む。そんな中でもMamaは上機嫌だ。波を越えるたび、ケインシートから吹っ飛ばされそうになりつつも叫んでる。「面白い!面白すぎる〜!」ノーテンキに楽しんでるのはおまえだけだよ!そんなにサーフィン楽しけりゃ、自分のカヌーで下れってーの。確かに子供たちも含め全員ウェットスーツとP.F.D着てるし、スローロープなどの装備も完全だし、ジェット船の運行には全く迷惑にならないところを漕いでるわけで、沈したら泳げばいいだけのことなんだけど、船長のPapaは気が気じゃない。「沈したら冷たいよなあ...水深26mだしなあ...」民宿「はるや」のおじさんの和船もやって来て「今日は水もジェット船も多いから気つけな〜。」って言って通り過ぎてゆく。いつもの明るくて楽しいおじさんに会ってほっと一息。瀞峡を抜けて瀬を幾つかクリアすると「大瀬」と呼ばれる瀬だ。1.5〜2級の瀬だけど見通しが悪いのでよくスカウティングしないと川幅10m程度の瀬の途中でジェット船に出くわす羽目になる。

河原に登って目視した後、家族全員で耳を澄ませてGo!ところがやっぱりジェット船はやって来るのでした(笑)何しろ流速18km/h。全力でリバースストローク入れて辛うじて止まり、必死でドロー入れて岸に寄せる。なんとか警笛鳴らされずに済んだけれどAzuが泣き出した。両親が鬼の形相で漕いでるのを見て少し怖かったみたい(笑)そんなこんなで合計数十回のジェット船との遭遇で瀞大橋に着く頃には結構ヘトヘト。橋の下の駐車場にMamaの赤いカヌーを積んだディスカバリーを見つけて、誰からともなく「今日はここで終わりにしようか...」ってことになりツアーはThe End。Papaがカヌーと荷物を積み込んでる間にMamaと子供たちは湯の口温泉「瀞流荘」のクアハウス&温泉プール(入泉料大人¥500 プール含む)でひと泳ぎと相成った。

2:00過ぎに瀞大橋を出発して、目指すは熊野市の「金山パイロットファーム」。ここは紀州みかんの観光農園がありミカン狩りが楽しめる。(入場料大人¥1000・お土産付)我が家は毎年必ずここにやって来るので、どの樹のミカンが一番おいしいか熟知している。去年初めてここに来たAzuもよく覚えてて一目散にその樹に走って行く。今年は雨が多くてあまり出来は良くないって聞いてたけど甘い!まだ青いのも多くて決して美味しそうじゃないのに...。お腹いっぱい食べた後は売店でSサイズ7.5kg入りの箱入りを2箱買って帰路に。途中Maa-kunのご希望で牛乳の里・大内山村の牛乳風呂や大宮町の昆虫博物館にも立ち寄るはずだったが時間が遅くてもう閉館してたのでMaa-kunは不満気だった。

本日の走行距離406km。そのほとんどが林間道路で運転が大変だったのでPapaはヘロヘロになっちゃったけど、子供達は楽しい一日だったみたい。でも、これからは北山川日帰りは止めようと思ったPapaでした。疲れた〜

(帰ってすぐ寝たので、翌日は2艇のカヌーを積んだまま出勤(!)になってしまった。通勤ラッシュのなかではカッコ悪〜い)

 

 


 


エアーズロック頂上にて

 

10月10〜16日
オーストラリアに行ってきました。(ここはカヌー日記なのであんまり関係ないんだけど、他に書く所もないしお許しを...一応カヌーにも乗ったしね...)

エアーズロックに登ったわけ
あれは今年のお正月のこと。Maa-kunが突然「うるるに行きたい!」と言い出した。「うるる?何だそれ?」「何かさ、茶色いおやまでさ〜、近くに36個のおっきな岩があってさ〜...今テレビでやってたんだよ。世界一大きな山なんだって!」「世界一大きな山はエベレストっていうんだよ。あ、わかった!チョモランマって言ってなかったか?」「ちがうよ!うるるだよ。」
妻の故郷に里帰りしていたので調べる術がなかったが、僕はたぶん「世界ウルルン旅行...」って番組でエベレストの特集をやっていたのだろう、ぐらいに考えていた。家に戻って早速「ブリタニカ百科事典」で調べたところ、韓国の「ウルルン島」ってのが載ってて「火山島で絶壁の島」との解説が...これだ!
「Maa-kun、ウルルン島には行けないことはないかもしれないけどお隣の韓国っていう国と取り合いしてる竹島っていう島のそばだから難しいかもね...」「うるるんじゃないよ!うるるだよ!それに島じゃなくてお山なんだ!」「????」...その時は結局分らずじまいだった。それから何ヶ月かが過ぎ、「うるる」のことも忘れてしまっていたある日、駅前の旅行代理店の前を歩いていたらMaa-kunが突然興奮したような面もちでショウウィンドに走り寄った。そしてとあるポスターを指差して言った。「うるる!」それはオーストラリア観光局のエアーズロックのポスターだった。「ああ、エアーズロックね。」「ちがう!うるるだよ!」「いーや、それはエア−ズロック!」「うるる!」「だからエアーズロックだって・・・」「うるるなんだもん...え〜ん」泣き出してしまった。まさかとは思ったが家にかえってYahoo!で検索してみる。すると...「エアーズロック=アボリジニ語でウルルはオーストラリア中央部ウルル国立公園に位置し・・・」あっ!しまった!やっぱりMaa-kunが正しかった!
そんなわけでMaa-kunへのお詫びの意味も込めてウルル=エアーズロック登山と相成ったわけです(トホホ、papaの威厳は丸つぶれ)

いよいよエア−ズロックヘ(1〜2日目)
名古屋を20:10に飛び立ったカンタス050便は一路オーストラリア北東部のクイーンズランド州ケアンズへ。早朝4:15ケアンズ到着。入国手続きを済ませ、国内線に乗り換えてアリススプリングスを経由しエア−ズロックへと向かう。窓から見えるレインフォレストの景色が草原に変わり、そして砂漠っぽくなる変化を楽しんむこと4時間。土の色がスペイン・マドリッドみたいに真っ赤になったところで飛行機は着陸体勢に入る。Welcome to Ayers Rock!

エアーズロックは本当に何もない所だ。一応エアーズロック・リゾートと言う名前にはなってるけど、砂漠のまん中に寄り添うように数軒のホテルがあるだけ。立ち入り禁止のアボリジニの人たちの村がある以外、人はほとんど住んでなくて、まさにアウトバックだ。


Welcome to Ayers Rock!

赤い。ひたすら赤い。

僕らは家族連れなのでホテルには泊まらず、Emu Walk Apartmentsっていうコンドミニアムに宿をとる。キッチンや洗濯機もある日本流にいうところの「2LDKのマンション」だ。着いて早々にビジタ−センタ−でエアーズロック国立公園のお勉強。「私達の聖地で転落死したりケガをされると残念だし、なにより聖地なので本当は登って欲しくない。」なんてアボリジニの酋長(?)自筆のメッセージが書いてあったりして、ちょっと心が痛む。それにしても「転落死」とは穏やかじゃないなあ。ビジターセンターの人に子連れで登れるかどうかを尋ねると、一度下見をして来いとのこと。そこでツアーを申し込んで、「風の谷のナウシカ」のモデルになったという、もう一つの聖地Mount Orgaの観光を兼ねて下見にでかけることに。約20km離れたリゾートからもエアーズロックは見えているんだけど間近に見る一枚岩エア−ズロックはスゴイ迫力だ。実際はウチの裏山(323m)とそんなに変わらない高さなんだけど、なにしろ赤いし植物が何もないってのは異様な感じ。
登山口にはもうほとんど脅しにしか理解出来ないWarning!って看板が立ってて右奥には転落死、病死した人達の名前を彫り込んだ石板がはめ込まれている。「ひえ〜怖い!」下りてきた人は皆疲れきった様子....

見る限り登山口から1/3ぐらいの距離(高さは2/3)までが斜度20〜40度。(あとでその区間の最高斜度は46度と判明!)途中、休めそうな場所は全くない。しかも登山ルートが完全な稜線上なので左右にも転落の危険性が...。とにかくてっぺん近くまでは一気に登らないと危険だ。「おい、やっぱりやめようぜ...」「そうねえ...」...とそこへガイドさんが口をはさむ。「去年、ここに小柳ルミ子さんと大澄賢也さんがいらして、ルミ子さんは途中までハイヒールで登られたんですよ。頂上でお二人でダンスを踊られたとか、踊られてないとか...」「へっ?」
ハイヒール履いた小柳ルミ子には負けられない!...ってなわけで明日の早朝に登山をすることにする。下見を済ませたあとはSunset Viewって展望台で、夕日を浴びて刻々と色が変わるエアーズロックを眺める。ツアーなのでシャンパンなんかも用意されててかなり恥ずかしい(新婚さんに囲まれて、これまた恥ずかしい...)けど、日没前に一瞬だけこの世のものと思えないほど真っ赤に輝く「ウルル」を見てるとそんなこと忘れてしまうほどだった。

 

一瞬だけこの世のものと思えないほど真っ赤に輝く「ウルル」
シャンパン飲過ぎで真っ赤になってる僕(笑)


 


"Ululu&The Southern Cross"
Photo (c) Diana Devlin/Astrovisuals

登頂成功なるか?(3日目)
12日の朝は早起きする。日の出前にリゾートからエアーズロックの真上に南十字星が輝くのが見えるって聞いてたからだ。これまでも赤道を越えたことはあったけど、南十字星を見たことがなかったので楽しみにしていたのだ。「ウォ−、見えた!」空気が澄んでいるからか想像以上にくっきりと見える。Maa-kunが異様にハイテンション!「あ、あ、あ、あれ〜!見て見て見てぇ〜さざんくろすだよ〜」
暗いうちにリゾートを出発。うっすらと白み始めた空に真っ黒なエアーズロックの影が浮かび上がる。麓のSunrise Viewには大勢の人達が4WDやキャンピングカーの屋根に登ってエアーズロックの景色を楽しんでいる。普段のご来光と違うのは朝陽に背をむけているところ(笑)エアーズロックが昼間の色に変わった頃、いよいよ登山開始だ。

「Chicken Rock」と呼ばれる麓から数十メ−トルは鎖がない。ここを登れなかった人はそれより上で立ち往生してレンジャーに救出される確率が高いので、わざと鎖がないそうだ。「はっきり言って、俺Chicken(臆病者)だわ!」僕が弱音を吐いている横を「パパ、コワイの?」フン!と鼻で笑いながらMaa-kunが追い抜いてゆく。怖くはないけど既にAzuをダッコしてるし、バランスが取りづらい。上から下りて来た人達は一様に驚きの表情だ。日本人の中には「危ないことして!」っていう表情の人もいるけど、欧米人は親指を立てて「がんばれ!」って励ましてくれる。途中からはAzuも「あーちゃんもあるくの...」って言い出して、Mamaに手を引かれたAzu、Maa-kun、そして僕の順に登って行く。もしMamaの手が滑っても僕がAzuを受け止められるように...。


朝はかなり冷え込む

ゲゲッ!滑る〜!

とはいえ、やはりAzuの体力の限界が来て、仕方なく多少斜度が緩やかな場所で休憩を取る。ところが座ったとたん、お尻がズルズルと滑っている!立っていればトレッキングシューズのグリップのおかげで立ち止まれるのだが、座れない!その上Azuはだっこするからってことでスニーカーなんか履いてるから余計に滑るのだ。「おい!こりゃ子連れじゃ無理だ。やめよう」って言葉が何度も口から出そうになる。でもグイグイ登って行くMaa-kunと泣きそうになりがら自分の足で歩こうとするAzuを見てると自然と力が湧いてくる。Mamaも「何よこれ!冗談じゃないわ」などと言いながらも頑張っている。中間点からはますます斜度が急になって、さすがにAzuも歩けないのでだっこになったが、なんとか少し広くなった平地に到着!そこで休憩してる人達に拍手で迎えられる。「えらいねえ!」「Good climber!」みんなに誉められてAzuは嬉しそうだ。この平地が距離でいうと1/3地点だが、これからはほとんど急斜面はないので安心だ。(とはいえエアーズロックに深く刻まれたシワのアップダウンが激しいのだが。)子供は調子に乗ると怖いものなしである。鼻唄まで飛び出して後はあっという間に頂上に到着。

ついに家族全員が登頂に成功したのでした。頂上はとにかく絶景!Mount Orga以外は360°地平線が見える。「ついにやったね!」しばし感動を味わった。大人だけなら、たかが340m程度でどうってことないんだけど子連れってことでその感動もひとしおだ。子供達は頂上にいる人たちみんなに祝福されて何だか照れくさそう。確かにAzuが最年少みたいだし。下りの方が大変だとは聞いていたけど、子供たちを一度もだっこすることもなく楽に下山できた。Maa-kunやAzuが頑張ったのも励ましてくれたり、誉めてくれた人たちのお陰かな。

Photo by Maakun
頂上だ!!

最後に今後エアーズロックに行く方にとても大事なお話をひとつ。ここはハエが物凄い!水分や蛋白質に集まる習性があるらしく眼や口に凄い数のハエが集まって来る。経験してないとたぶんわかんないだろうけど、Maa-kunがまばたきしたら睫毛で2匹捕まえてしまったぐらい(笑)冗談だと思われるだろうけど、コレほんとの話です。だからオープンカフェがあるにはあるものの誰ひとり外では食べない。お店には当然頭にかぶるタイプのネットが売ってるし、(Azuはネットかぶったままアイスクリームを食べようとして泣いた)ホントにこれだけは我慢できなかった。写真撮る時は格好わるいから外してるけど、実は常にかぶってたんですよ、虫除けネット...。
この日はこのあと昼過ぎの便でCairnsに戻った。


ポッサムの餌付け

Cairnsではこれといって予定を組んでないので、4泊を市内から北へクルマで30分のPalm CoveにあるNovotel Palm Cove Resortのコンドミニアムに泊まることにした。4日間では少し短いけど、こちらの人たちみたいに何もしないでゆったり過ごす予定だ。

 


 

でも子供たちは許してくれない(4日目)
プールサイドでゆったり過ごすつもりだったが、めざとくツアーガイドブックを見つけたMaa-kunが「熱帯雨林野生生物探検ツアー」に行きたいと言い出す。「カモノハシやロックワラビ−に会いたいんだ!」しかもMamaまで「いいわね!」って乗り気の様子。仕方ないのでプールサイドでの目の保養は昼前に切り上げて午後2時からのツアーに参加。こんなことなら市内の便利なホテルに泊まったのに...。(部屋からレセプションまで歩いて20分もかかるのです。)日本語ができる専門エコロジーガイド付きで子供たちも理解できるので午後10時までの長いツアーにもかかわらず、一度もグズることなく楽しむことができた。主な内容は蝶や虫の観察、バードウォッチング、ロックワラビーの餌付け、カモノハシ観察、夜間の熱帯雨林散策など。足を踏み入れるまではただの森にしか見えなかったレインフォレストが、実はとても多くの動植物を育んでいるんだなあ、なんて妙に感心したりして。もちろんtascoの双眼鏡をレンタルできるのでワライカワセミ、ハラジロウミワシ、トキ、コクチョウなどの野鳥やフライング・フォックス、カンガルー、ポッサムや各種ヤモリなどの野生の姿を間近に見ることができる。


蟻塚見学しつつ蟻を食べてみる

(ロックワラビーやポッサムは餌付けされていて野生とは言い難いけど。そのかわり子供たちは大喜び)林のなかに点在する巨大な蟻塚ではアボリジニの貴重な蛋白源だった蟻を食べることができたし、ハイライトのカモノハシもちらっと見られたし、夕食は焚火を囲んでのBBQなので雰囲気は満点だし....手作りっぽい感じで、でもかなりお勉強になってかつ楽しい素敵なツアーだった。

 



フィッツロイ島でカヌーをレンタル。後ろに見えるのがカタマラン  

 

今日こそプールサイドで目の保養?(5日目)
...などと思ってるのはPAPAだけでした(笑)聞いてなかったんだけど、今日はTrinity Warfから出航してる大型カタマランボートでグレート・バリア・リーフにお出かけだそう。アウターリーフでシュノーケリングするらしいけど子連れで大丈夫なのかな?迎えのバスでCairns市内の桟橋に着くと、これまた立派なカタマランボートが係留されている。どこかで見たことあるなあって思ったら、それもそのはずParth で開催されたAmerica's Cup の見学船を流用してるらしいのだ!そんなわけで内装も豪華だし足は速いしちょっとリッチな感じだ。(でもやっぱり新婚さんばかり)
出航して30分ほどでFitzroy島に到着。目ざとい僕は桟橋の横にレンタルカヌー屋を発見!本当はシーカヤックを借りたいところだけど時間がないので家族みんなで乗れるカナディアンをレンタルし、(1時間$8)早速漕ぎ出す。


シュノ−ケリングを楽しむMaakun

ただ浮かんでるだけで気持ちいい!

ポリ製のクソ重いフネだけどカヌーイストPAPAは御機嫌だ。1時間ほど楽しんだ後は再びカタマランに乗船してアウターリーフにあるMoore Reefへ。水深は深い所で10mほど。浅いところだと海面すれすれまで珊瑚が生えている。そこに固定された巨大な浮島(ポンツーン)にカタマランが接岸するとあとはフリータイム。フリーレンタルのシュノーケリングセット(マスク、フィン、PFDなど)が300セット用意されているのでそれを使ってリーフの水中散歩だ。半潜水艦やグラスボート、マリンガイドによる海中の生物解説などのフリープログラムの他にも有料のダイビング講習やヘリコプターでのフライトもある。なにより感心したのは全てのイクイップメントが1歳用から用意されていること。当然Azuもちゃんと楽しめるのだ。(でもAzuは波と塩水を怖がってあまり海に出なかった...川だと平気なのに)

Maa-kunはお子さま向けの半潜水艦やグラスボートには目もくれずひたすらシュノ−ケリングを楽しんでいた。確かに水がきれいだし海底に広がる珊瑚礁、色とりどりの熱帯魚を自分の眼で見られるってのは感動体験だしね...それにフィンを足に付けて泳ぐのが初体験だったので嬉しかったみたい。「フィンつけるといつもの一万倍速く泳げるんだ!」ってずっと興奮してた。(あとでリゾ−ト内にあるダイビングショップでフィンを買わされそうになったけど...)

 


 

今日こそは目の保養を...の願い空しく(6日目)
昨日買い置きしておいたヨーグルトを盗み喰いしたAzuが夜中じゅう吐いたので、今日はじっとしてようって思ってたんだけど、そのご当人が目覚めるなり「あーちゃんコアラさんに会ってない!」と不満を述べはじめた(笑)。


カンガルーは座椅子じゃないって!

幸いNobotel Palm Cove Resortからクルマで5分の所にWild World Parkという動物園があるので、タクシーでそこに向かう。
入口でカンガルーのエサを買わされてゲートをくぐると、いきなり放し飼いのカンガルーがピョンピョンやってくる。デカイ!Azuは恐れをなしてPapaにしがみつくが、Maa-kunは全然平気。カンガルーと旧友のように肩なんか組んじゃってノドをなでなで...猫のChichoじゃないって(笑)でも、カンガルーもまんざらでもなさそうで目を細めたりなんかしてるし、Maa-kunと手をつないでさっさと行ってしまう。「なんだかお友達みたいだねえ。」気がつくと芝生の上に横になったカンガルーを座椅子がわりに座って寛いでるMaa-kun。きっと彼の前世はカンガルーだったに違いない(笑)

コアラも至る所にいて、抱くこともできるのだがAzuはコアラが想像以上に大きかったことにショックを受けている様子。「あーちゃんねえ、こあらちゃんよりロックワラビ−ちゃんのほうがすきなの...」などと言い訳して抱こうとしない。いくらコアラが可愛くても、確かに自分より大きな動物は怖いよな。
2〜3時間をWild World Parkで過ごした後は再び電話でタクシー呼んで(あらゆる所にタクシーを呼ぶための無料電話があるのは非常に便利だ。オペレーターのオネエチャンに人数と名前を告げれば5〜6分でタクシーがやって来る)Cairns市内へ。今回初めてのショッピング(...とはいえ何も買わなかったけど)途中で見つけた「Internet」の文字に惹かれてそのオフィスに入る。受付のオネエチャンにすこしの間コンピュータを使わせてもらうよう交渉して(泣いてるAzuをだしにして)自分のページを覗いてみる。


コアラちゃんと決して目を合わせないAzu

タイトルの英字以外はほとんど□□□□□になってて意味不明だ。当たり前だけど。でも世界中どこに行ってもインターネットで連絡を取り合えるってのは心強いって実感した。そういえばインターネット始めてから海外に来るの初めてだもんなあ。


オレたちマブダチ?

街をブラブラ歩いた後、またまた電話でタクシー呼んでPalm Coveへ。夕食までまだまだ時間があったので、部屋の前のプールでひと泳ぎ。夕暮れ時にプールサイドでBBQしてるドイツ人&スペイン人家族とおしゃべりしながら過ごす。
何故か僕が通訳(笑)彼らはプールサイドから勢い良く飛び込んでニコニコ笑いながら泳ぐAzuにびっくり。「日本人は生まれてすぐからこんな風に泳げるのか?さすがは海洋国家だ。」なんて変に感心してた(笑)あ〜、やっとリゾートっぽい時間の過ごし方だ〜。夕食はビーチのそばのレストランでマッドクラブ(泥蟹)三昧!こうしてオーストラリア最後の夜は更けてゆくのでした...。


結局ゆっくりできない性格なのだ(7日目)
今回こそはゆったりのんびりと過ごそうって決めてたのに、日本にいるより忙しく動き回ってしまった。特に今回はコンドミニアムってことでレセプションからも遠いし、Palm Coveはホント何にもないところなので歩く距離がハンパじゃないし。(こんなことなら市街地のホテルにしとけば良かったんだけどね。)ただ、子供たちが良く歩いてくれたのが救いでした。Maa-kunが生まれた次の年('93)から毎年あちこちへ旅行してるけど、今回が一番楽だったなあ。子連れ旅行は大変だってみんな言うけど、子供がいるからって我慢したり、人に預けて「元気にしてるだろうか?」って心配してるぐらいなら思い切って連れて出掛けた方がいいと僕は思います。うちのMaa-kunもさすがに1才の時の旅行は忘れちゃってるけど、2才の時のハワイはよ〜く覚えてるもんね。「パパと黄色いオーシャンカヤック乗ってさあ、さーふぃんしてたらひっくりかえって溺れそうになってエ〜ンって泣いたんだよね〜。」覚えてるのはそんな失敗ばかりだけど(笑)

僕らを乗せたカンタス航空059便は18:25、定刻どおり名古屋空港に着陸した。ジェットエンジンの逆噴射の音が日本の空港に帰って来たことを物語っていた。


I didn't climb AYERS ROCK.But my dad did!
ワタシも登ったわよ〜ん!

 

 


 

 

 

9月27日
なんと、今日が今月初めてのカヌーだ。上旬はなかなか休めなくて、中旬以降は雨続き...別に日常に不満があるわけじゃないけど、カヌーに行けないと何故だかフラストレーションが溜まるのです。これってカヌー中毒かな(笑)
今日も雨の予報だったので仕事を入れてたんだけど、なにやら空が明るい!CASIOプロトレックの気圧動向は気圧低下を示してるけど、空気の感じや雲の流れはイイ感じ。自分の勘を信じて10時までに無理矢理仕事を終わらせ11時に出発!

途中、カヌークラブのクラブハウスに立ち寄って注文してあったLODGEのダッチオーヴンを受け取る。ついに僕もダッチオーヴンにハマッてしまうのか(笑)10インチだけど、かなり重くて重厚な造りだ。感心したのは蓋の気密性の良さだ。ついでに参考図書も買って、その上モンベルのキャンピングマットのシートホルダまで...欲しい欲しい病絶好調!ステッカーのことなど隊長Iさんとまたまた話し込む。
宮川沿いにクルマを走らせながらまでの危険箇所をチェック。うぉー、増水だぁ!川の曲り角の岩に流れが当たってゴーって音がしてるし、川の岸辺寄りには直径2mぐらいの鳴門の渦潮(ちょっと大げさ?)みたいなのがいくつもあって太い流木が巻き込まれてクルクル回ってる。流速もかなり速いので初めてだったら川下りを中止するところだけど、宮川の場合ここまで増水すると瀬が無くなって岩に近づき過ぎないようにすれば(それと隠れ岩に注意すれば)普段より沈することが少なくて安全なぐらいだ。七保大橋にカヌーを置いて、クルマを中川大橋に回しておく。ヒッチハイクの準備をしているところへ申し合わせたように軽トラのおじさん登場!鮎つりの下見に来たのだそう。「こんだけの大増水やと無理やのう。」ってため息。なんのかんのしてるうちにおじさんが七保大橋まで送ってくれることに!いやあ、助かった!

七保を午後1時にスタート。ところによっては水位が1.5mアップしてるので流れは強烈に速い。遠くの景色を見てるとそうでもないけど濁った水から時々見える川底の石は凄い速さで後方に飛び去ってゆく。GPSによれば(正確かどうかわかんないけど)最大時速22km!13km下流の中川大橋まで1時間半だからいつもの半分以下だもんね。ほとんど漕いでないのに...。
クルマを置いてある中川大橋で折畳み自転車を積み込む。予定通りカヌーにぴったりのサイズだ。それまで多少浮き気味で瀬のたびに跳ねていたバウが自転車の重みでぐっと安定する。ショックコ−ド忘れてきたから、これからは沈できないゾ!(沈=自転車の水没>濁ってて探せない)

いつもはバス停やクルマの置き場所のこともあって、ある程度限られるゴール地点も、今日は自転車があるから自由に選べるので気が楽だ。妙に多いアオサギやカワセミに気を取られてるうちにあっと言う間に久具都姫橋上流の河原に到着。雲が厚くなってそろそろ暗くなってきたので、ここをゴールにする。結局20kmを2時間で下ってしまったわけだ。(ランチタイム、休憩も含んでだからスゴイスピードだ!)
イタズラされないようにカヌーを茂みに隠して(誰もいないけど)自転車を組み立ててサイクリングに出発。7km上流のクルマを目指すのだが、普段21段変速に慣れてると、この変速機なしのママチャリタイプは辛い辛い。ギアリングが低いので登り坂はわりあい楽だけど、下り坂で加速がつかないからひたすら跨がってるしかない。タイヤ径が小さいのは思ったほどのデメリットにはならなくてサスペンションなしにしては乗り心地はまずまず。

折畳みってことで全体の剛性が低いからか細かい振動がないのもそう感じる理由かな?ただ、こんなヘンテコな自転車にオジサンが乗ってると可笑しいみたいで下校中の小学生にゲラゲラ笑われてしまった。7kmの登り坂をジャスト30分だから平均時速14km(すみません数字ばかりで...GPS見てるとついつい)思ってたより使えるな、この自転車。

・・・・・帰宅した僕はエプロンして台所で洗い物してます。実はダッチオーヴン、妻にナイショだったのです(笑)カヌー倉庫に隠そうかなあって思いながら、ついつい自慢してしまったおバカさんな僕...。今回はこの先1週間の洗い物をするってことで許していただきました。トホホ...

 

 

 


 

 

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