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November.2004 part.4

  

 

 

 

 

 


秋の陽射しが降り注ぐ湖面をゆく

11月21日 紅葉レイクワンダリング(青蓮寺湖)

11月後半と言えばカヌーシーズンで最も自然が美しい時期...万水川〜犀川のミニツーリングで今年のカヌーはオシマイってのは、あまりにも寂し過ぎるのだ。ご存知の通り僕らのホームリバーはどこも台風の爪痕が今もなお深刻で、遊びに行ける状態ではない。行って行けないことはないけど、宮川ではこの週末にまだ遺体が見つからないお一人を含む犠牲者の合同慰霊祭が執り行なわれたばかりだし、先週、カヌークラブの知人が熊野への道すがら立ち寄った海山で、ひとりの老人に『遊べる余裕のある人らはええわのぅ。』と言われたとかで、たとえ“海山の経済的復興のために海山で遊んでお金を使おう!”って考えが正論だったとしても、僕はカラフルなカヌーを被災地に持ち込んで笑顔で遊ぶ気にはなれないのだ。


今日は瀬はないのよね?

そんな時、耳にした青蓮寺湖情報。
ほぼ同時にひだださんとにっしゃんが進水式を行われた様子をウェブで拝見し、是非行ってみたい!...そうと決まれば話が早いのが我が家(笑)。金曜の記念日ディナーの帰り、アキヒロ家もお誘いして紅葉の美しい青蓮寺湖でのレイクワンダリングに出かけることになった次第。

8:30、R165沿いのコンビニに集合して一路、青蓮寺湖へ。
9:30現地に到着。ロマンの森キャンプ場下のトイレもある良く整備された舟降ろし場にクルマを停める。クルマから降りた瞬間、進入路に何だか見慣れたビッグホーンが...えっ?へっ?おおっ?もしかしてひだださん!?何たる偶然! 何と!現地で1分の誤差もなく、ひだださんと遭遇(待ち合わせてもこんなタイミングでは会えないぞ!)。彼も今日はここへのんびり漕ぎにきたらしい。


湖面に浮かべた我が家の3艇

乗艇しやすい場所に回送するボート屋の主のような僕

湖面に3艇のカヌーを下ろして荷物を積込んで、お着替え用“The PUP”テントを広げて着替えをした後は、10:15 いよいよレイクワンダリングのスタートだ。
今日のメンバーは...

Mad River EXPLORER アキヒロ家
Fethercraft FRT ひだださん
Old Town CAMPER Papa
Old Town PATHFINDER Mama&Azu
Old Town HUNTER Maakun...の5艇9名。

ひだださんのサイトで予習をしていたので、迷わず進路を右にとり、青い青蓮寺橋をくぐって青蓮寺川を上流に向けてカヌーを進める。青い空、グリーンの湖面、そして湖面に映る真っ赤な紅葉...ってなわけではなく、青蓮寺橋周辺の紅葉はまだ見頃には達していないようだ。


青い橋をくぐって青蓮寺川を遡る


逆光に輝く湖面が美しい

 


キモチいいわねぇ〜!

僕がプレゼントしたWatershipTrading,USAのハット

湖面をしばらく進むと正面にテニスコートが見えてくる。
テニスコートの200mほど手前には、ダムに流木が流れ込むのを防ぐために設けられたフェンス(ブイをロープで結ぶカタチのもの)があり、今日は中央のゲートが開いていたのでそのまま通過する。フェンスを通過した途端、遥か前方の湖面が波立ちそれまで鏡のようにキレイに映っていた湖岸の風景が乱れる。「か、風だぁ〜!」ものの数秒で風が僕らに到達。カヌーは風下に傾いて、そのままスーッと流されていく。


クロスで風をやり過ごす

この程度の風には慣れてる僕や、あのカヌーが吹き飛ぶほどの強風に悩まされた古座川クリーンアップを漕ぎ通したMamaはともかく、24kgのHUNTERにソロで乗る若干38kgのMaakun(合計62kg。僕より軽いぞ!...笑)が心配になって振り返ると、アハハハ...まるで湖面に漂う発泡スチロールのトレイ状態(笑)。
笑っちゃいけないけど、彼のいつもにも増して真剣な表情と異常なスピードで風下に横滑りしてゆくカヌーのユーモラスな姿が好対照で笑えてしまう。何度か風に持っていかれた後、彼は彼なりに考えたのかバウを風向きに対して45度に保ち風下にリーンさせた状態...いわゆるフェリーグライドで風力を推進力に変えて進み始めると、これまでとは打って変わってグイグイと進む。ただある程度一定の水の流れとは違って、風を読むのは難しい。橋を越えるまではかなり苦労していた。

(体重が20kgぐらいでキッズパドルで漕いでた小学3年の頃は、こういう場合はサッとバウシートに乗り移って“前輪駆動”で漕いでたものだけど、そういうTipsはもう忘れちゃったかな?)


羅漢滝

湖面に残る航跡

右手に羅漢岩の絶壁が見え川幅が狭まると、ウソみたいに風も止み、周囲の風景を眺める余裕が出てくる。僕らの姿を見て驚いて飛び立つ美しいオシドリの夫婦、そして羅漢岩の上流には、角度の急な滑岩を一直線に落ちる羅漢滝...色々な自然が僕らの目を楽しませてくれる。

滝を過ぎ大きく右にカーブすると、そこから両岸の絶壁を覆う木々の紅葉の色合いが一挙に濃くなり、左岸の稜線ギリギリから射す太陽の光が七色に輝きながら降り注いでいて、光線の一筋一筋は赤だったり青だったり黄色だったり...様々な色なのに全体では優しいベージュ色に見える秋の陽射し...まるでキャメルの毛布?あ、いやツイードの毛布(そんなのないって!)に包まれたような暖かなほっこり感が心地良い。
影に入ってるMamaのPATHFINDER、そして日なたのMaakunのHUNTER、2艇のOldTownレッドはそれぞれに美しく、決してアースカラーではないけど自然の中でそのバランスを壊すことがなく見事にハマっている感じ。たぶん数年のうちに買い換えることになる次期CAMERは絶対にレッド&白木のウッドガンネルだなぁ〜って思いを新たにする瞬間である。


川幅が狭くなるにつれて両岸の紅葉が色付く

前方に低い堰堤が見えてくると、さらに川幅が狭まり、両岸の紅葉は“真っ盛り”状態となる。時折吹く風に揺れる湖畔の木々から舞い散る落ち葉。青い空に逆光でキラキラと金色に輝く落ち葉のシャワー!桜吹雪ならぬ紅葉吹雪はそれはもう素晴らしい光景である。
『あっ、ヤマセミ!』ひだださんが叫ぶ。僕らの100mほど前方に樹から樹へ僕らと等間隔の距離を保ちながら飛ぶヤマセミの大柄で真っ白な姿を視認する。ヤマセミはつがいなのか2羽いるようだ。飛行姿勢、飛行速度ともにカワセミそっくりだけども、中流域に住むカワセミよりもちょっと警戒心が強いのか近くで観察するのはちょっと難しいようだ。


スケールの大きな絶壁の間を進む

 

湖の水位が高いので堰堤は高低差1mもなく、容易にポーテージ可能。堰堤上で再乗艇して漕ぎ出すと、若干の流れがあるものの遡行はさほど難しくはない。透明な水の上を空を飛ぶような感覚を味わいながら200mほど漕ぎ上がると、左側(右岸)に河原が現れ、そこからは渓流然とした浅瀬になってカヌーで上るのは不可能となる。
特に目的地があるわけでもない僕らは、ここをランチポイントに定め、11:40 カヌーを河原に上げて積荷を解く。


堰堤を超えると透明度がアップ

流れに逆らって進むMaakun


堰堤の上流は美しい紅葉が続く

今日のランチは、もうラーメンはイヤッ!ってことで、昨夜近所の鳥焼屋さん(焼き鳥屋ではない。串に刺してあるのが“焼き鳥”網で焼くのが“鳥焼”...笑)でテイクアウトしてきた鶏。普段お店で食べても家族4人でビール付き¥5000以下という格安な値段はウシじゃなくトリの良いところなんだけど(三重県は総じて焼肉が安い)、テイクアウトすればさらに20%OFF!なのが嬉しい。


堰堤の200m上流、漕航不能になる場所でランチタイム

今日のランチは美味しいBBQ

ユニセラに炭火を熾して“秘伝のタレ”付きのトリ、豚タン、豚カルビを焼く。鳥焼屋さんのお肉に加えてスーパーの大特価牛ステーキ5枚¥580(!)はパドルをまな板にレスキューナイフで小さく切って塩コショウをパッパでいただく...食べ物ってのは素材も大切だけど、やっぱり良い環境で雰囲気に合った料理法で食べることが一番!美味しいものは好きだけどグルメは大嫌いな僕の持論。ま、とにかく、思い出しても涎が出てくるほどの美味しさ!ついついビールが進むのである(笑)。

Azu&Moeのふたりは“河原の宝石”ビーチガラス...じゃなくリバーガラス探しに夢中。Maakun&Koukunは大きな岩を投げ割って、珍しい結晶を持った石を探す鉱物探しの後、平らなベッドのような岩の上で昼寝。大人たちは、炭火を囲んで愉快なおしゃべりを楽しむ。


平らな“ダブルサイズ”の岩で昼寝するMaa&Koukun

僕らにしては豪華な食事をゆったり楽しんでいると、次第に河原が山影に入って深々と冷え込んで来る。
半袖で走り回ってる体温サーモスタット故障中のMaakun(スイミングインストラクターでもあるひだださんによれば、長年スイミングをしてる子供は、彼のように非常に寒さに強くなるらしい。皮膚の感覚がちょっと違うんだろうなぁ)以外のメンバーはパドリングジャケットヤレインウェアの下にフリースを着て寒さをしのがないと少し辛い気温になってきたので、コーヒーで身体を暖めた後、積荷を再びカヌーに載せて14:00 、スタートポイントに向けて出発することにする。
(2時間半ものランチタイム...これはダウンリバーではあり得ない非常にゆったりした時間の過ごし方だ。実は我が家はこういうの大好きなんだなぁ...)

堰堤のポーテージを無事済ませて流れのない湖の水域に入ったころには、もう太陽の光は湖面には届かないほどに西に傾いてきている。地味な色彩の湖面と全くもって晴れやかな青い空、そして両岸の絶壁の上部の紅葉の色彩のコントラストが不思議な雰囲気...なんだか地底探検でもしてるような気分だ。


スカーリングで離岸する

自分の力で堰堤をポーテージする(冷た〜い!)

たっぷりの荷物を積んで豪華なクルーズ...カナディアンカヌーにぴったりな楽しい遊びであるレイクワンダリング。でも、湖を一周でもしない限り同じコースを往復することが多いわけで、実は帰り道は驚きも少なくて単調になりがちなものだ。でも今日はひだださんが一緒!ひだださんと言えば“静水フリスビー”(笑)。行者不動滝までのしばし、ひだださんがカヤックから取り出したフリスビーでキャーキャーワーワー楽しい時間を過ごす。この手の遊びで一番エキサイトするのは、やっぱりMaakun。湖面に着水したフリスビーに我れ先にと近づいてカヌーから大きく身を乗り出して拾うわけなんだけども、僕の見てる限り3回ほど沈の危険性がありました(笑)。『あんまり興奮するとヤバいぞ!沈するなよ!』口ではそう言ってるけど、心の中では秘かに彼の沈を期待してるイケナイ父親。だって、決定的瞬間を写真に収められる上に湖でのレスキューの実演ができるもん(笑)

 
まだまだ腕が短いのでピッチストロークする時はここまでリーンさせる。
いずれにせよ、ソロで乗り始めて3年。やっとカヌーを乗りこなして来た感のあるMaakun

フリスビーで楽しんだ後は、往路では立ち寄らなかった行者不動滝へ木の枝をくぐって入って行く。こういう局面ではコンパクトなHUNTER &Maakunが有利。水面から突き出た倒木や水面ギリギリにまで垂れ下がった木の枝を器用に避けながら滝の流れ込みに近づいてゆくMaakun。流水ではまだまだパワー不足で思うようにカヌーを扱えない彼も、こうした静水でのパドルワークは確実に僕よりも上手かったりする。数cm単位の細やかな動きで操られるHUNTERを見てると、師匠の僕はちょっとシャクな気分だったなぁ(笑)。


今年の紅葉は今一つのようだけど、所々にこうした
美しい木々があって僕らの目を楽しませてくれる


行者の滝壷に入る。小型なHUNTER&Maakunならではの芸当

水没した樹林帯を進む。美しい!


Maakunに曳航してもらいつつボトムで昼寝

水没した樹林帯を過ぎ少し風景が単調になってきた辺りで、ちょっとお遊び。僕の艇とMaakunの艇をロープでつないで、カナディアンカヌーのトレーラー遊びなのだ。さすがに川ではこんなことをする可能性はないけど、湖で万一誰かが漕げない状況に陥った時(我が家は4人で3艇だから可能性はなくはない)、こうしてト-イングする局面もあるだろうってことで...ってのは冗談で、ただ遊びでやってみただけ(笑)。以前無人のカヤックを2艇引っぱって宮川を5kmほど下ったことはあるけど、人を載せたカナディアンを牽くのは初めて。重いだろうなぁって予想に反して、これがもうラクチン!ロープがピンッと張る瞬間に漕ぐのではなく、弛んでる間に大きくパワフルに漕ぐと腕や腹筋ヘの衝撃も小さい、というコツを掴むと、もうMama&Azu艇を追い越すほどのスピードが出るのだ。『なんだか、タイヤ引っぱって走る野球部の練習みたいだなぁ。』

でも、これきっとすごく効果のあるパワーパドリングの練習になりそう(笑)。さて、引っぱってもらってるMaakunはエアバッグのベッドに寝転がって楽チンお昼寝モード。
しばらく漕いでからは、選手交代。Maakunが僕の艇を引っ張ってくれることに。さすがに総重量62kgの彼が僕+CAMPER+荷物=100kgオーバーを牽くのは無理だろうなぁと思いきや、おおっ!進む進む!『Papaとを繋ぐロープが張るとカヌーの向きが修正されるだろ?だからJストロークのJを早めに切り上げられて抵抗が少ないからメッチャ速いのかも。』正解!!Maakunの言う通り、ロッカーのきついカヌーに初心者を乗せる時にスターンに500mlのペットボトルをぶら下げたりするのと同じ原理なんだろうけど、ま、それにしても力がついたもんだなぁ...師匠は嬉しさを隠し切れずニヤニヤしながらボトムにゴロンと横たわって昼寝を楽しむのだ。


まだ14:00なのに夕暮れのような光線

そんなこんなでホントに目を閉じて昼寝をしてる間に、ゴールはもう間もなく。岸辺の観光客が誤解して119に電話されたり、子供に漕がせて自分は楽をしてる“児童虐待パパ”に思われても困るので、負傷者のような姿で横たわるのは止めにして2艇のカヌーを切り離す。青蓮寺橋をくぐると岸辺に停めた僕らのクルマが見えて来る。
そんな時...♪静かな湖畔の森の陰から、ポルトガル語のカラオケ響きわったるぅ〜♪オブリガド〜チャオ〜サウジ〜フォルサ〜ボア〜♪(“カッコウ”の曲で...笑)何と、ブラジル人の大集団が大宴会中(涙)。ま、ちょっと僕らとは状況判断の基準が違うような気もするけど、oh! Que droga! Desaparece da minha vista! silencio!なんてことは言わないで仲良くやりましょうってことで(笑)。


まてぇ〜!鴨を追い掛けるMama&Girls

Discoの3艇積みはもうこれが最後...になると思う。

15:20ゴール。まだ漕ぎ足りない僕らは湖面に浮かぶ鴨と鬼ごっこ(笑)を30分ほど楽しみ、その後それぞれカヌーをクルマに積込んで、青蓮寺湖を後にする。
『今年はもうカヌーは出来ないと思ってたけど、ヨカッタ〜こうしてカヌーが出来て。もう何も思い残すことなくスキーやスケートが出来るよ!』そんなアキヒロさんの言葉じゃないけど、♪こうしてカヌーが出来るのも、ひだだ〜さんのおかげです♪(笑)。素晴らしいカヌーゲレンデを紹介して下さったひだださんを始めとするウェブマスターの皆々様に感謝!である。
秋の素晴らしい気候に恵まれたレイクワンダリング...誰からともなく、『また来ようね!』という言葉が交わされたのは言うまでもない。(その後、みんなで榊原温泉に行ってほっこりまったりと温泉を楽しんだ。)

 

 

 

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