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FLAME LAYOUT

 

 

 

 

 May.2004 part.2

 

 

 

 


ルートのスカウティングのため立ち漕ぎするMamaとMaakun

5月5日 “大きなコドモの日”ダウンリバー(宮川)

古座川のリバーフロントに2泊したけど、悪天候と濁り切った状態で結局川には出られなかった2日間。判断基準は人それぞれなわけで、他人はともかく少なくとも僕は家族連れでこの状態の古座川を下りたいとは思わなかったので、『川は逃げない』とお馴染みのフレーズを呟きつつ(笑)カヌーを一度も水に浮かべることなく帰宅した。
『せっかく来たのだから、何がナンでも川を下らなきゃ!』カヌーを始めた当初はそういう気持ちもあったけど、経験上そういう場合はつまらない怪我をしたり、楽しくなかったりってことが多いので、さっさと諦めることも長くカヌーを楽しむ秘訣なのかも。(特に家族を決定的なカヌー嫌いにさせないためにも...笑)
でも、そうは言ってもDiscoのルーフにそびえるように載った3艇のカヌーを一度も使用することなく、またカヌー倉庫に戻すのは『骨折り損のくたびれ儲け』的な感情になるのも確か。


この人はいつも楽しそう

古座川でともちゃんがチラッと『古座がダメなら宮川に移動しましょうよ。』って言ってたのを思い出し、良からぬ計画を胸に秘め、とりあえず昨夜はカヌーを下ろさずにおいたのだけど...。

今朝少し朝寝坊をして9時頃に目覚めると薄曇&微風!
『確か、この前の大井川で“風が吹かなかったら20kmでも30kmでも大丈夫なのに!”って言ってたよな?』
僕は“♪そうよ、ワ・タ・シ・は15キロのオンナァ〜♪”なMamaに尋ねる。肯定も否定もしない彼女と、早くもテンガロンハットをかぶってるAzuにYES!な雰囲気を感じ取った僕は、コールマンスチールベルトからシアトルスポーツに飲み物を移し変えるだけで即、出発。

『今日は5月5日、子供の日。パパに付き合ってあげましょうよ。』
『えっ?パパは子供じゃないでしょ?』
『見てごらんなさい、カヌー乗ってる時は大きな子供でしょ?』
『ほんとだ!』
MamaとAzuにそういう会話があったのかどうか、僕は知らないど(笑)、とにかく今日は『子供の日』。

“大きな”子供の気持ちを汲んで、『カヌーなんてイヤよ。』でも『ワタシはゴールで待ってるからご自由にどうぞ!』でもなく、それぞれがソロでのダウンリバーにシレッと同意してくれる心優しき奥様と子供たちに感謝!な僕である(セサミをスリスリ...笑)。

吹流し代わりの鯉のぼりが元気に泳ぐ高速を南へ...カシータを牽いて500km近く走った直後なので、まるで登山の後でザックを下ろしたような身軽さについついスピードオーバー。『カシータはないけど、カヌーは3艇積んでるんだからね!』Mamaに叱られつつ30分ちょうどで中川大橋に到着だ。
家でウェットスーツを着込んできたし、子供たちが積極的に荷物運びに参加してくれた(今日は家族だけでお友達がいないから手伝うしかない...笑)おかげで10分ほどで出発準備完了。


スタートポイントの中川大橋

HUNTERのMaakunを先頭にダウンリバーのスタートだ。
時計を確認すると、家を出て45分で川の上...ナントもお手軽なダウンリバー。中川大橋から下流は50回以上は下った我が家の定番コースだけに、『パパ、先に行ってよ!』コールもなく、HUNTERのMaakun、PATHのMama、ふたりのソロパドラーは思い思いのコース取りでどんどん先を漕いでゆく。


11:00a.m.スタート

実はソロで宮川を下るのは初めてのはずのMamaだけど、彼女の鼻唄が川を渡る春風に乗って聞こえてくるほどだ。『Mama、今日はご機嫌ね。』バウのAzuも振り返って満面の笑顔。
水位は低いけど風がないおかげで快調なスピードで僕らは進む。鰻屋“膳”を10分ほどで通過。今日は特にゴールを決めてないけど、このままだと19km下流の度会橋まで行けちゃうかもなぁ...そんなことを考えてた瞬間、『ケ〜ン!』左岸でキジが跳ねるのが見える。
『雉も鳴かずば撃たれまい...』そう呟いたMaakunとMamaが左に急転回、左岸にフネを着け、至近距離でその姿を観察しようと河原のキジを追い掛け回す(笑)。
散々キジを追いかけた後、ダウンリバーを再開したと思ったら、間髪入れずに『腹減った』コール...ダメだこりゃ...

ま、日没までに宮リバー度会パークに着ければいいかな、に予定変更(涙)。


所々に痛快な早瀬

“暴れ川”宮川の典型的な深い瀞場

 


鏡のように凪いだ瀞場をゆく

間もなく僕らは二つ岩の瀬に差し掛かる。右手の岩が水没する水量だとアンダーカットな岩にカヌーが引き込まれ10分ほどカヌーが行方不明!ってな経験もある場所だけど、今日はチャポチャポで泳ぎ下りたいほど。すぐ下流の長原の河原でおにぎりを二個づつ食べた後、稚鮎やウグイの群れのジャンプが作る波紋を楽しみながら進むと、眼前に赤い鮠川大橋が見えてくる。ここで初めてのライニングダウン。


「今の岩さぁ、返し波がないからもう少し手前でバウを振らないと増水した時は危ないよ。」「はい、先生!」

ライニングダウンはAzuのお仕事

増水すると楽しい瀬になるんだけど...

先月の熊野川以来、CAMPERのライニングダウンはAzuのお仕事。僕がライニングダウンを“犬の散歩”と呼んだことが、いたくお気に入りのAzu。CAMPERを黒いレトリバーに例え、“ハッピーちゃん”と勝手に名前を付けて...『ハッピーちゃん、そっちはダメ!ほら、こちらの深いところを通りなさい!』などと犬のお散歩ごっこを楽しんでる(ちなみにMaakunのHUNTERはキャンキャンうるさいからスピッツだそうだ)。

鮠川大橋下流をくぐった直後、雲間から陽光が差し始め、僕らは何ともほのぼのした気持ちで茶畑の対岸・岩登りで遊べるChichoの河原(その昔Chichoとダウンリバーキャンプをした場所)に到着。ちょうど昼時なので、ここで積荷を解いて昼ご飯ということに。スタートから約4km。普通に漕げばここまで30分の距離を一時間ちょうど...なんとものんびりした川下りである。

 


鏡のような川面を破るように進むMaakun

今日のメニューはまたしてもラーメン。要するに古座川用の“マルタイ棒ラーメン〜とんこつ味〜”の使い回し(涙)。鍋にお湯を沸かし麺と乾燥具材、その名も“ラーメンの具”を入れて3分。リバーナイフで焼豚を切って...おおっ、焼豚忘れて来た!(涙)焼豚レスなマルタイラーメン...決して豪華なランチではないけど、誰もいない河原で春の陽光を浴びつつ川で足をチャポチャポさせながら家族だけで食べるラーメン...最高にリラックスできる贅沢なランチだと、僕は思う。


太陽が覘くとこの透明度!

ランチポイントに到着

テンガロンハットが似合う珍しいタイプの日本人

ランチはマルタイとんこつラーメン

河原に自生するポピー

伊勢男に筑紫女(相性が良いらしいが...)photo by Azu

『ちょっと、行ってくるね!』カヌーに乗って上流の岩登りに出かけるMaakun、『カワイイィィ〜!』まるで蝶のように河原に咲く花々を見て回るAzuを見送り、僕らふたりはChicho岩に腰掛けてコーヒーを注いだカップ片手にのんびりと会話を楽しむ。フィールドに出ると家でよりもずっと話が弾むのが不思議だ。
『やっぱりこの川が一番ホッとするわね。』『今日は水も澄んでるしね。』
ここ数年の遠征続きなカヌーの反対側にある、お手軽カヌー...僕らは水上ピクニックのまったりした楽しみを忘れてたのかもしれない。


やっぱり我が家は宮川がNo.1!

 

 

一時間半近くをこの河原で過ごした後、ダウンリバー午後の部スタート。春の陽光は僕らの乗ったカヌーの影をくっきりと川底に映し、2艇の赤いOldTown以外全てがグリーンの同系色に塗りつぶされたような眼前の景色に息を飲む。
『ほら、見て!8の字よぉ〜』早瀬でAzuが覚えたてのスカーリングを披露。確か先月の熊野川ではただのブレーキだったはずなのに、今日はカヌーがサイドスリップを始め、見事に隠れ石を避けることが出来た。フォワードストロークに関してもかなりの力強さがあり、実際スカウティングのために立ち上がった瞬間にAzuがフォワードを入れた時は落水しそうになったほどだ。(Azuが漕ぎ始めると電動アシスト自転車のモーターが作動したのと同じような感覚がある)


午後の部スタート

少し泳いだPapaだけプルオーバーを羽織る

 


これぞ、Miyagawa Green!

 

そういえばMaakunが三瀬谷湖で初めてソロパドリングの楽しさを知ったのは小学3年生の時。今のAzuよりも身体が小さかったMaakunがJストロークでCAMPERを自在に動かしたんだっけ...カヌーに対する気持ちというか温度が男の子のMaakunとは少し違うAzuなので、彼女専用カヌーを買うには至らないとは思うけど(さすがに4艇積だけはご勘弁!)今度ショップに行った時にAzuの大人用パドル買わなきゃな、そう感じる僕である。

『来年、ふたりでカヌーマラソン出ようか?』
『ウフフフ...』
カヌーが上手くなった喜びというよりも、Papaにホメてもらえてワタシは嬉しい...Azuはそんな感じかな(笑)

Azuが生まれる前に良く通った久具都比売橋の河原を右手に見て、かつては2級の瀬があった左カーブの早瀬を快調に漕ぐ。1才のMaakunのオムツ交換をした流木前の木陰を、10年後の今日、彼はソロで無難に漕ぎぬける。
初めて宮川を下った時には、まだ運行していた渡し船“宮川の渡し”跡を通り過ぎると、ここからゴールの宮リバーパーク寸前の一之瀬川合流点まではそれなりの流れがあり、カヌーの姿勢を制御するだけで自然にカヌーは下流に運ばれていく。


1才でおんぶされてDRした時の流木前をソロで通り過ぎる

後方からはご機嫌な時に口ずさむMaakunの鼻歌、そして普段なら漕ぐのに精一杯のMamaの『あっ、ほらほらカワセミよっ!』の声。僕のバウに座ったAzuは飽きもせず『はちの〜じ、はちの〜じ』(笑)。
オレンジ色の内城田大橋をくぐると、ゴールの宮リバーパークの河原が目前に広がる。間もなく夕暮れになるというのに河原はBBQのグループで大盛況だ。
15:30、宮リバーパーク最下流の階段前にゴール。
『結局今日も誰にも会わなかったわね。』Mamaの言う通り、ゴールの宮リバーパークを除けば4時間半の川下りで出会ったのは釣り師2人と川遊びしてる少年3人だけ。カヌーはゼロ、BBQもゼロ...GW期間中にオシッコもスッポンポン着替えも自由自在(笑)な宮川恐るべし!なのだ。


あの橋の向こうがゴールだ!

河原にカヌーを上げ、防水バッグから“カヌーウェア・カモフラージュセット”を出してウエットスーツの上から羽織る。これだけですっかり普通の人(笑)。

カヌーを河原に残し、僕らはバス停へと向かう。
『バスの時刻表はどこ?』
Mamaの問いに僕は『・・・』。
“宮川でそんなの用意してるわけないじゃん!”って言いたいところだけど、怒りを買いそうなので口ごもる僕。
ゴールにクルマや自転車を置いてるわけでもないので、いつでもどこでもダウンリバーを終えられるパーフェクトな自由を手にしてるのに、わざわざバスの時刻表に縛られたくはないってのが本音だ。誰にも気を遣わず、依存も被依存もない家族だけのダウンリバー...ツーリングカヌーって遊びの本質は実はそんなところにあるのかもしれないな。

とにもかくにも、まだソロでは3回しか川下りをしたことがないカヌー初心者小学6年生と15km限定の奥様パドラー(笑)を抱えた我が家が、真の意味で“家族”単独行カヌーを楽しめる川は残念ながら多くはないけど、ここ宮川がその数少ない川のひとつなのは間違いないところだ。ただ、MaakunとMamaのソロが目を見張るほど上達したし(気遣いしなくとも、スムーズなパドリングフォームでバウを振らずに美しく漕げるようになり、僕にテールtoノーズ、じゃないな、スターンtoバウ(笑)でぴったり追随できる。)Azuも覚えたてのスカーリングを多用して僕をサポートしてくれるし...今日のダウンリバーで、それなりに頑張ればどこでも行けるかな?って自信を深めたのも確かだ。(遊びなんだから、そんなに頑張るつもりも頑張らせるつもりもサラサラないけど。)


次のバスまで1時間。ここで一句...
『来ぬのなら、来るまで歩こうバス道を』
オソマツ!

バス停6つぶん歩いてバスを待つ
アズ3...アズ・アズ・アズ...ボンバイエ
(なんじゃそりゃ?)

相変わらず“ウチマタ”シッティングポジションなMamaはともかく、Maakunは今年に入ってから妙に筋肉質になり(足もどんどん大きくなって今やTEVAのサイズは25.0!今は痩せて小柄な彼も3820gで生まれたわけだし。もしかしたら5尺9寸...177cmの明治男だった僕の爺さんの血をひいてるのかも??)、このGWで体重が2kgも増えたとかで、これまでの「流れを読んでカヌーを操るスタイル」からパワーでガシガシ漕げるように変化したって感じがある。試してはないけど、もしかしたらHUNTERなら担いで運べるのかも?なんて気もする...まだ無理かな?(笑)

1kmほど歩いてバス停に到着してみると、次のバスまで1時間近く。家族の顔色を覗うと全然疲れてない感じでTV番組“学校へ行こう!”のゲームで盛り上がってたりするので、携帯でタクシーを呼ぶのは止めてバス道を上流に向けてブラブラ散歩することに決める。一番文句を言いそうなMamaも“しょうがないわねぇ。”などと言いながらもさっさと歩き始め、バス停6つぶん河原から約4kmのお散歩で、ようやく後方からバスが追いついてくる。


バス代50円節約(笑)

中川大橋“立花口”バス停に到着

注連指行のバスは僕らの貸切。中川大橋最寄の“立花口”でバスを降り、Discoで宮リバーパークに戻りカヌーを積み込んだ後は、いつものようにアキヒロさんちとおつき合いが始まった4年前から通い詰めてる“アスピア玉城”へ。「弘法の湯」温泉で汗を流し、併設のBBQレストラン「アグリ」で玉城豚のBBQで舌鼓。

とにかく、こんな感じでイイカゲン&無計画な“まったり宮川”ツアーは無事終了。
1艇だった1995年まではもちろん、去年までの2艇体制の時さえも、Azuでさえも無理すればソロで下れなくはない宮川のこの区間では物足りなく感じてた僕ら。ここ数年は宮川ではこんなに楽しめなくなってたけど、3艇体制になった今年は宮川がジャストフィットな雰囲気だ。
我が家のカヌーは昔の歌じゃないけど、♪三歩進んで、二歩下がる♪(笑)。1艇のカヌーに3人で乗って(Azuが生まれて途中から4人に)、それなりに漕げるようになったところでカヌーが2艇になってまた初心者に逆戻り。MamaとMaakunのタンデムがそこそこ慣れて、ある程度距離も漕げるようになった頃に3艇になって、またまた初心者同然...いつまでたっても家族の総合力ではビギナーのまま。


アスピア玉城“弘法の湯”

ホワイトウォーターデビューも50km超レベルの川下りデビューも出来ないでいるけど、それも我が家流なのかな?なんて思うのだ。『いいじゃないの、楽しいんだから。』by Mama。おっしゃる通りでゴザイマス(笑)
♪ワンツー、ワンツー、焦らないで漕〜ご〜お〜♪...だよね。

 

 

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