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August.2003

 

 

8月31日 “ダウン”リバートレック&火星観察(宮川・某支流&青山高原)


天気予報大ハズレの好天に恵まれる

「なんだか、天気がねぇ...」夏休み最後の週末を控えた金曜日、アキヒロさんと僕はまたまた悪だくみ(笑)「うん、天気がイマイチというか全然ダメみたいだよね。」「ま、当日考えましょう。」「そうしましょう。」そんな感じで期待せずに迎えた日曜日、ベッドルームの天窓から見える四角い空は、やはり曇り空。『やっぱりダメかぁ〜...寝よっと。』...とか思いつつも、寝ぼけ眼で玄関のドアを開け外に出ると、南の方角は青空!で、慌ててアキヒロさんに電話する。
「こっちは晴天!朝から暑いよぉ〜!今日はリバートレッキングにしましょう。」「そうしましょう。」ということで、史上最速(笑)、15分で全ての準備を整え9:30家を出発し、“アキヒロ家のプール”こと宮川・某支流に向う。家を出て高速に乗る頃にはあんなに空一面を覆っていた雲は何処へ???と不思議なほどに夏空が広がり、少し開けたサイドウィンドウからは高速走行中だというのに蝉の大合唱が車内に響き渡る。


いつものようにビニルボートに荷物を満載してスタート

途中のコンビニで飲み物とおにぎりを買って10:00過ぎに待ち合わせの河原に到着。すでにウェットスーツに身を包み額に玉の汗を流しながら「アッチッチッチ!」と呟きながら、アキヒロさん登場。山村だけど割と人通りが多い場所なので女性陣は“スッポンポンでパッパと着替え”というわけにはいかなくて、開いたリアゲートに着替用のワンタッチテントを開く。彼女達が着替えてる間に、アキヒロ家のBudweiser号と我が家のEXPLORER号、2艇のビニールボートを川岸に運ぶ。防水ダッフルやクーラーバッグなどを運ぐだけで、ウェットパンツの裾からは汗が音をたてて(実際は音はしないけど)流れ落ちる。そんな僕らの目の前に広がるのはメロンソ−ダな淵。既にクリオネ状態で泳ぐAzu&Moeやタツノオトシゴ状態のMaakun&Koukun...う〜飛び込みたいっ!でもクルマをゴール地点に回送するまでは我慢我慢というわけで、手早くランカスターをゴールに置いて10:30、明るい雰囲気の渓流を下流に向って流れ始める。

エアマットに乗ったAzu&Moeを先頭に、シュノーケリングを身に着け水中を覗いたままふんわりと流れるMaakunたち、井戸端会議ならぬ川端会議でおしゃべりが止まらないMamaたち...荷物を満載したビニールボートがその間をぬってプカプカ下って行く。
交互に現れる早瀬と川底まで透き通った美しい淵。歩きに疲れたら身体を流れに任せ、カラダのクールダウンを兼ねて流れながらの休憩。仰向けで流れると視界いっぱいに広がる青い空をゆったり流れる白い雲。マスク&シュノーケリングを着けて俯せで流れると、岩にへばりつくように留まるヨシノボリの仲間、僕に向って泳ぎ上がって来る5寸程度の鮎を至近距離で眺めることができる!時折、数cmの小魚がマスクにぶつかり思わず目を閉じてしまうことも。これまで泳いだどの川よりも数多くの魚の姿を眺めつつ数分間の水中散歩。自分が肺呼吸であることを忘れてしまいそうになる感じ...ふと顔を上げると周りの風景が変わっていたりして軽い驚きを感じる感覚が新鮮だ。


Maakunの足元に小魚が!

そして、何よりも浮かんでいるだけで自分のカラダがどんどん下流に運ばれて行く安楽な気持ち良さがカヌー以上にお気楽でタマらない!普段の陸上でのトレッキングや登山では、必ず背中にそれなりに重いザックを担いでいるけど、この“ダウン”リバートレッキングはバック(背中)フリー。身体が荷物の呪縛から解き放たれると、そうしてこんなに自由なの?って嬉しくなってしまう。
(ビニールボートには一応ペインターロープを装着しているけど、実際には自然の流れに任せるだけ。淵で遊んでいる間にボートだけが見えないほど先に行ってしまうこともしばしばあるけど、必ず川の屈曲にあるエディや浅瀬で主を待っていてくれる。まるで忠犬“ボ−ト公”のようである。)


水中を眺めながら早瀬を流れる

エアマットに乗って瀬に入る


ボートに掴まってスタート地点の水中を見る

早瀬と目の覚めるような美しい淵をいくつも越えると、川は大きく蛇行して車道から徐々に離れ始める。道沿いに連なる集落の家並みが見えなくなると、川の両岸は太古の昔そのままの自然の姿が広がる。護岸も何もない自然の川。途端に川の透明度がさらに高まり、河原の清潔感?がぐっと増す。石も草も土も水も、そのまま触れても、仮に口にしても嫌悪感がないというのは何て素敵なんだろう。手に土が付くと「汚れた」ことになる僕らの普段の生活がいかに息苦しいことか!何とも言えない開放感が僕らを包み込む。


母と息子

夫婦河童(アキヒロさん&いずみちゃん)

こんなに素晴らしい川が自宅から3〜40分の通勤圏内(最近、このフレーズよく使うな...笑)に存在することに感謝!この国に生まれてヨカッタ!三重県人でヨカッタ!心の底からそう思える瞬間である。田舎だ、何もない、ツマラナイなど、東京と比べて何かと自虐的になりがちな我が県民(笑)だけど、今さら(小京都ならともかく)小東京を目指してどうする!下水道普及率が全国で2番目に低くても(ちなみにワースト1は和歌山...笑)それを補って余りある強くて美しい川がここにはあるじゃないか!...なんて変なナショナリズム(?)に目覚める僕であった。

『ねぇ、ライジャケ脱いでもいい?』Maakunがお伺いをたてて来る。今年に入ってからカヌー以外でのP.F.Dの着用は自身の判断に任せているのだけど、0才からずっと有無を言わさず身に着けさせられている義務感はなかなか頭から離れないみたい。『ねぇ、ウェット脱いでもいい?』なぬ?ウェットまで脱いで何するの?...どうやら、深い淵に潜って川底の石をいくつ拾えるか競争をしているようだ。確かに彼らのウェットスーツは3mmネオプレンゴムで出来ていて、それだけでかなりの浮力があり潜水には向かない。「寒くなかったらいいよ。」僕がそう答えると、『やったぁ〜!』さっさとウェットを脱いでラッシュガードだけで淵に飛び込んでゆく。ところが3mもの水深がある川底は想像以上に水温が低い。すぐに戻ってきて『やっぱり着るわ。』(笑)


石を抱いて水深3mの川底散歩を楽しむMaakun

そのうち息が続く限られた時間の中で、いかに早く川底に到達するかを自分達なりに考え、大きな石を抱いて淵に飛び込んでゆく。き、君らはジャック=マイヨールか!?
そして今度は、石を抱いて淵に沈み川底を歩いて渡る遊びに変化していく。『超・重い石を持つと陸上と同じ感覚でフツーに川底を歩けるんだ!中ぐらいの石だと無重力みたいにフワフワ歩けるし!』こうして彼らは新しい川遊びの方法をまたひとつ発見する。名付けて“川底ムーンウォーク”...確かに楽しいかも(笑)


美しい淵でシャクリ漁を楽しむいずみちゃん

 


白砂の淵で魚を狙う

は、はい、キレイです(川が)

先ほどまでお喋りに夢中だったMamaたちがシャクリ竿を手に水中に没したので、川面は静けさを取り戻す(笑)今、奥様たちが潜っている淵は本当に美しい!(あっ、奥様たち“も”美しいです、ハイ!)何なんだろ?この色、この透明感...どんな高いカメラでも、どんな素晴らしい画家でも再現することは不可能だろう、そう思える川面である。君たち座っているの?実際は6〜70cmなのに、あまりに透明で水深10〜15cmぐらいに見えてしまう。

一時間ほど歩くと雰囲気の良い河原に到着、ここで昼食にする。気温は33℃、日陰のない河原は40℃にも達するというのに、ずっと川に入っていていい具合に身体がクールダウンされている僕らには、温かいラーメンがぴったりな気分だ。Mamaが九州で買い込んで来たとんこつラーメン&コンビニおにぎりを食べ、一時間ほどを過ごした後、再び川に入る。


ランチポイントでエアマット瀬下り
 

しばらく流れると右岸にそびえ立つ屏風岩(僕が命名)。それまで水中歩行に夢中だった小学5年コンビは、いそいそと岩を登る。去年はアキヒロさんが裏壁登攀ルートをレクチャーしてくれてたけど、今年は表壁The Front Face(笑)をスイスイ登って行く。そして、思い思いのポーズでどんどん飛び込む。しかも満面の笑みを浮かべて、去年の位置ではなくピークからの躊躇いのない飛び込み...たった1年だけど10cmしか伸びてない身長以上に大人になったなぁという印象を受けた。


JUMP!この嬉しそうな表情を見よ!(笑)

屏風岩の飛び込みを終え、ますます深さの増す淵でMamaたちはシャクリ竿を片手に漁に励む。足でカニを捕まえるという曲芸でみんなを笑わせてくれるMamaだけど、簡単に手掴かみで鮎を捕える(もちろんリリース...です)アキヒロさんとは対照的に魚は全く捕えることは出来ない。『反応速度大学No.1』を誇るMamaだけど、シャクリ漁は反射神経だけでは上手くいかないようだ。それでも、彼女たちは何故か楽しそう。『捕れなくても楽しい』などと言ってるけど、果たして本音は...?


カメラ目線でポーズをとりながら飛び込むMaakun
どうして男の子は飛び込みが好きなんだろう...

アキヒロさん、手掴かみ!

お嬢さまたち御用達のエアマット

Mamaが足で捕まえたカニ

スタートから6時間、楽しかった“ダウン”リバートレッキングもいよいよ終わり...ゴールの大岩の淵に到着だ。『明日から新学期だし、疲れない程度にほどほどに遊ぼうね。』なんて言ってた僕らだけど、いつの間にやら『夏休み最後の休日だし思いっきり楽しもう!』などと口走り、結局、丸1日川遊びを楽しんだのだった。


捕まらないけど、楽しいの!

淵を自由自在に泳ぐ子河童たち


透明すぎて宙に浮かんでいるかのよう!

でも、ウェットスーツを脱いで陸上モードに頭が切り替わると、そろそろ家に帰らなくっちゃ!ってな気分になる。宿題もやらなくちゃいけないし...そう!夏休みの宿題がまだ終わってないんだった!でも非情な母親たちは...『夕食作るのイヤだし、今から玉城豚のBBQよっ!』で、18:00過ぎまでBBQ(笑)。
さて、ホントに本当に帰らなくっちゃ!でも、Papaの携帯にNESSYさんからの着歴『本日、火星観察会決行で〜す!』で、慌てて30分で帰宅して荷物を下ろし、宿題の続き...のはずはなく、空母の離発着訓練“タッチ&ゴー”よろしく、そのまま着替える間もなく明るいうちから天体望遠鏡のセッティングをしてくれている、にしび〜の待つ火星観測会会場・青山高原へ(笑)


 

「ごぶさたぁ〜!」ホントにご無沙汰、2年ぶりに会うにしび〜、そしてNESSYさん夫妻とともに望遠鏡のアイピ−スを覗き込む。うぉぉぉぉ〜、はっきりくっきり!縞模様まであられもない姿(笑)で見える火星に感動。にしび〜に望遠鏡の選び方&使い方を熱心に尋ねるMaakun。実は彼、数年前から密かに天体望遠鏡が欲しいのだ。(今月、名古屋市科学館の本格プラネタリウムを見た後、福岡県星野村の村営天文台を備えるホテルに宿泊して以降、その熱は太陽のプロミネンスのように燃え盛っている。あ、ちなみにその夜は曇りで何も見えず、翌日太陽の黒点とプロミネンスを見たらしい。)


青山高原にNESSYさん&にしび〜大集合

あっ、縞模様が見えるっ!

『望遠鏡は中途半端なモノは買っちゃいけないよ。そういうのは月のクレーター見て、はい終わりになっちゃうからさ。最低でも土星の輪が見えるぐらいの口径は欲しいね。』そ、そういうこと言わないで、にしび〜!Maakunマジで欲しがるからさ...(笑)
高原の夜はもう秋の気配。みんなでひときわ明るく輝く火星を見ながら、持参したシングルバーナーでコーヒーを煎れ、戴く。「さて、そろそろお開きにしましょうか?」そう言って高原を出たのが22:00過ぎ。「今日は楽しかったねぇ、川遊びに火星観測!」「今日は、じゃなく今年の夏は、だろ?」
熱を出して学校行事のキャンプを途中リタイアしたMaakun。「最悪のスタートを切った夏休みだったけど、あとは楽しいことテンコ盛りだったよね。」「さっき数えてみたんだけど40日のうち30日はどこかへ遊びに出かけてたのよね、パパ以外は。」「へっ?」計画性ゼロ、直前の思いつきで行動してばかりだったけど、概ね思い通りに楽しめた夏休み。いろんな体験を通じて少しは賢くなったかな?ちょっとした満足感を胸に家路を急ぐ僕らだった。「あぁ〜、忘れてた!宿題ぃぃぃ〜!」8月31日10:30p.m...夏休みはあと1時間半。自由研究を残したMaakunが悲鳴をあげた。

 


8月26-27日 瀬戸内底引き網体験(岡山・笠岡諸島)


民宿の窓から眺める白石ビーチ(35mmを3枚合成しパノラマ化・・・14mm魚眼相当)


白石ビーチで貝殻拾い

クル−ザ−に乗せてもらう

友人のクルーザー

北木島に到着

キッモチイイィィ〜!

底引網船に乗り換える

船首に陣取る子供達

網が上がり始める

上がった獲物を選り分けるMama&Azu

ペンションの子猫たち

 


 

 


パドルもオールもなく、ただ流れに身を任せる恐怖!

8月24日 “サワ−”トレッキング!(沢登り)

8月10日に台風で中止になった、友人U宅でのシャワークライミング。川の増水も落ち着いた本日決行である。某マリーナでフラメンコを踊るために欠席のMamaを残し、MaakunとAzuを連れて8時前に家を出発、K川上流部にある友人U宅へと向かう。川に沿って続く3桁国道から見たK川はこの時期にしては少々増水気味だけど、宮川にも勝るほどの透明度。大岩の間を縫うように流れるエメラルドグリーンの流れにMaakunが思わず“カヌーで下りたいなぁ〜!”とつぶやくほどの素晴らしい状態だ。Maakunが言うように、今日の状態であればダウンリバーも可能だけど、道路から見えない部分には3mの滝のような落ち込みや水面から50cmしかない沈下橋、ロイヤレックスカヌーを簡単に引き裂いてしまうナイフのような岩場もあって、それなりの装備で挑まないと大怪我をする川でもある(...らしい)。


10日遅れの小鷹網漁は3尾

Azuもなんちゃってラフティングに挑戦!

9時ジャスト、友人U宅に到着。今日はUの奥様Yokoちゃんのお友達3名(独身!)も参加ということで、まずはK川の広い河原へと向かう。そこでUは小鷹網で鮎漁開始。今年は解禁に合わせてやってきた台風10号のせいで鮎は全くの不漁。今日も一回目こそ3尾の姿の良い鮎が捕らえられたけど、その後はさっぱり。で、僕らは持参したEXPLORER号(=ビニールボート¥1980)にエアを入れて、ちょっと増水気味のK川の上流から“なんちゃって”ラフティング(チュービング?)を楽しむ。カヌーで下ればチャポチャポのつまんない瀬でも、パドルもオールもない頼りないビニールボートだと怖さは3倍。ちょうど3級の瀬のような雰囲気でかなり楽しめる。最初はMaakunがソロで、次に僕とMaakunのタンデム、そして最後はAzuまでもがおねえちゃんたちと迫力満点の瀬下りを楽しんだ。
ビニールボートではちょっと迫力不足なMaakunと僕はP.F.Dひとつでの“河童の川流れ”も楽しんだけど、思いのほか流れにパワーがあって、親子で川の水をしこたま飲み、気管支にたっぷり水が入っちゃって当分の間声も出なくなるほどになったのには参った。「怖いねぇ〜!」「うん、怖い。」「ナメちゃいかんなぁ。」「うん、増水恐るべし!」


Maakunの“なんちゃって”ラフティング


午前中をK川で過ごした僕らはU宅に戻り、友人U&お父さんが準備してくれたBBQを渓流沿いの木陰でご馳走になる。この時期、普段なら暑さのせいでそれほど食欲のない昼食も、適度な運動のあとにこんな涼しい場所でとなると話は別。遠慮知らずの僕らは、いい具合に焼けたお肉を休みなく胃袋に収めるのだった。(ちょっとは遠慮しろよ!>子供たち)
美味しいランチの後はいよいよK川の支流F川を河口から遡るリバートレッキング、名付けて“サワートレッキング”(サワー=沢です。僕の今日履いてるブーツがmont-bellの“サワートレッカー”なので...)に出発だ。
K川の合流点の少し上流の道路から、10mほど下を流れる川に降り立った僕らは、サワートレッカーやウォーターMOCを履いて、ウェットスーツ&ラッシュガード、そしてP.F.Dに身を固めK川よりもさらに水温の低いF川に足を入れる。


うん、お腹イッパイだよ!BBQ会場で談笑するMaakun

サワートレッキングのスタート

流れが強く、困難を極める

ここからBBQポイントまでは切り立った岩を縫うように走る流れが少々危険なので、ツアーリーダー友人U以下、僕とMaakunの男3人でのチャレンジとなる。
道路から見下ろす川は何でもなく見えるけど、実際に川に入ると背丈を越す深い淵と、膝丈程度なのに油断すると転倒に陥る強い流れの連続。しっかり履いたMaakunのウォーターMocがいとも簡単に剥がされるほどの水流である。立っていられないのは当然ながら、油断すれば大人のUや僕でさえも一気に下流に押し流されるほどで注意が必要だ。


さ〜て、あの岩の向こうまで泳ぐぞ!

強い流れの後にはため息が漏れるような美しい淵。
苔生した岩に囲まれたほぼ円形のプールの川底は白い砂。そこにゆったりと渦巻くメロンソーダ色の水。周囲を大きな岩に囲まれ、あたかもインディ−ジョーンズの良く出来たセットのようにそこだけで完結する空間...そう、どこかで見た川のジオラマを連想させる雰囲気だ。
水面下の岩はどれもオ−バ−ハングになっていて、潜ってその下を覗き込めば、そこには豊富な魚の群れ。そんな光景を見るためにPFDを脱ぎ去ったMaakunが水中の光景を楽しみながら上流に向け泳ぎ上がってゆく。水面スレスレに浮かび上がったり川底に沈んだり...ラッコというか半魚人のような泳ぎが笑える。


おおっ、鮎の群れが!岩の下を覗くMaakun

水中の岩の上でひと休み

泳いで淵を渡るたび、水深40mまでOKの防水防塵ハウジングに入ったOLYMPUS C-40ZOOMのレンズが曇る。ハウジングで水の侵入はシャットアウトできても、渓流の冷たい水に浸すたびに急激にハウジング内の空気が冷やされるために、内蔵の防湿材では吸収できないほどの結露を生じる。淵の岩の上でハウジングを開けて曇りを取る作業を繰り返しつつ、僕らは進む。
川が屈曲を繰り返しているため、淵の向こうに続く流れがどのようなものなのかが見えない。水深3mの淵を泳ぎ切り幅1m未満の狭い岩戸に辿り着くと、そこからは白蛇のような美しく激しい流れが急角度で伸びている。水が長年に渡って刻んだ岩の裂け目。早い水の流れは垂直に切り立った壁を滑らかに磨き、手足を掛ける窪みさえない。慎重に左右の壁に手足を突っ張ってスパイダーマンのごとく難所を通過。気の抜けない小滝と天国のような淵をいくつか越えると、BBQの淵に到着。ここからはAzuも一緒だ。


瀬の下にいる魚の群れをチェック!

落ちたら滝をまっ逆さま!

足の届く場所まで流れに逆らって泳ぐ

淵は泳いで渡るしかない


滝のような流れを登り切ってホッと一息のMaakun

Azuとともに初めての橋まで上ったところで、一旦サワートレッキングは中断。ここから数百mは、谷が開けて両岸に水田が広がるゾーンということでパスして、友人Uの運転する軽トラでさらに上流へ。ここからは下流域の断崖絶壁の“地底を這う”ような雰囲気とは打って変わって、広葉樹林の中を大小の滝が流れ下る明るい雰囲気に変わる。大きく深い淵は姿を消し、ほとんど泳ぐことはない代わりにルート選択に頭を悩ませる“頭脳的な”登攀が要求される。将棋やチェスのような何手も先を読む沢登り...これもこの遊びの醍醐味のひとつなのかも知れない。
どんなフィールドアスレティックやジャングルジムよりも変化に富んだ本物のフィールド。ザイルやカラビナの必要性はないギリギリのコース。頭から水しぶきを浴び、ウェットスーツを着用していないとすぐに身体の芯から震えが湧き上がって来る涼しさ...サワートレッキングはこれから我が家の夏の大定番になりそうである。


危険箇所を抜けたポイントからAzuも参加

ウォータースライダーのような真っ黒な一枚岩で出来た緩やかな傾斜の滝や、赤目四十八滝ならちゃんと名前が付いていそうな美しい小滝をよじ登ると、いよいよ今回のサワートレッキングのゴール。川岸の斜面を斜めに登り車道に出ると、それまでのヒンヤリした空気とは10℃以上も違うのではないかと感じる夏のどんよりとした重い空気が僕らを包む。(標高のかなりあるここは、これでも平野よりも何℃かは低いはずだが...)沢を一時間以上も歩いたのに車道を歩けばスタート地点まで、ほんの10分。僕らは軽トラの荷台に乗って友人U宅へと戻るのだった。


Azu、こっちだ!

ひぇ〜、これ登るの?

Azuも泳いで淵を渡る

流れの強い滝は四つ足で

Azu、渡るぞ!ほら手をのばせ!

よっしゃ〜!もう少し!


だ、だめだ!落ちる!!

 


さて、どうやって登ろう...

ゴールはもうすぐだぞっ!

あの滝の上がゴール!

軽トラの荷台に乗ってスタートポイントへ戻る

友人U宅では、お父さんが長い竹を切り出して流しそうめんの準備をして下さっている。何一つ手伝わずに、いきなりお箸を持って流しそうめんを戴くのは非常に心苦しいのだが、せっかくのご厚意に甘えてしっかり楽しませてもらった我が家の3人。時計はすでに17時を回りそろそろお暇の時間となった僕らは、帰り支度を始める。
ところが!Maakunは縁側を開け放ったふた間続きの日本間でゴロン!川遊びの心地良い疲労を感じながら、蜩の声をBGMに川を越えて吹くそよ風の中、頬に畳の痕を付けての昼寝...、ニッポン人に生まれた幸せを感じていることだろう。

17:30、U家の皆様やYokoちゃんのお友達のオネーサンたちに別れを告げ、僕らは家に向けクルマをスタートさせる。「楽しかったね!」そう言って振り返ると、スタートしてものの5分と経ってないというのにAzuがクマの縫いぐるみのような姿勢で眠りについていた。カーブのたびにゆらゆら揺れるAzuの肩を苦笑いしながら支えるMaakun...。
「Mamaに何て話そう?思いっきり羨ましがらせようよ!」「サワートレッキングしながら“シャクリ竿”でコレ釣ったなんて言ったら、Mama悔しくて気絶するかもよ!(笑)」イタズラっぽい笑みを浮かべながらMaakunはUおじさまから貰った鮎の入るフロストバッグを高く掲げた。


竹串に刺してユニセラの炭火でじっくりと...ウッシッシ〜!

 


 


三尺玉海上自爆
(たぶん難聴になった人多数?)

 

8月17-18日 列車に乗って行こう!(熊野大花火大会ソロキャンプ)

一旦ペグダウンしたテントのそばに沢水の流れた痕跡を見つけた僕は、テントをもう一段高い場所に移すことにする。再び雨天用のボトムシートを敷いて、その上にEureka!を載せメッシュアンカーに大きな石を抱かせて固定。ピンと張られたフライシートの幕体に目をやり、うんうんと独り頷いて、テントの中に広げたエアマットにどっかりと腰を下ろす。
ザックから取り出したPrimusP-121Aに架けた小さな鍋には熊野灘の海水。沸き立つ海水にパスタを放り込み、吹きこぼれを防ぐためにバターをひとつまみ。7分でアルデンテに茹で上がったパスタをオリーブオイルで炒めたアンチョビー缶詰の入った鍋の蓋に移し、サッと絡める。クレイジ−ソルトとパセリをひと振りすると今夜の質素だけど贅沢な夕食が出来上がる。シェラカップから立ちのぼる湯気は長く伸びたテントの前室を伝い、空へとたなびく。

料理は質素だけど、この僕専用レストランのロケ−ションは最高の部類に入るだろう。僕の前にはテントでフレーミングされた大平洋。右手には大泊漁港。その向こうには鬼ケ城がその豪快な岩肌を覗かせている。突堤の向こうに停泊しているのは戦艦のように巨大な2隻の客船。鬼ケ城の裏山は半分ほどが雲に覆われ、立ちのぼる湯気がその白さに同化していくようにも見える。8/17の夕暮れ。僕は今、ひとりで熊野にいる。

毎年恒例となった、夏の独身ウィーク。今年は8/13から8/22までとかなり長め。Mama&子供たちは九州の実家でいろんな場所に連れてってもらって、とてもイイ思いをしてくるわけで、仕事のために家に残る僕も休日は負けじと楽しまなければ!

...というわけで、今年は北山川〜熊野川42kmを2泊3日のスローペースで慈しみながら下る計画を立てる。普通に下れば丸一日で下れちゃう距離を2泊3日もかける旅に付き合ってくれるおバカさんは誰もいないので、計画当初から完全ソロを想定。全ての装備をカスケードデザインの防水ザックひとつに詰めて準備万端!ところが...
14日に某・新宮特派員Aさん(笑)から『熊野川、ダム放流中のランプがくるくる回ってます。濁流です。』情報が入り、目的地を以前から行きたかった岐阜の某・日本一青い湖に変更することに決める。青く澄んだ湖面を渡るカヌー。手付かずの自然が残るホワイトマウンテンの原生林に分け入りランチ。湖畔の温泉で疲れを癒した後、滝のそばにひっそりとあるブナ林のテント場でのんびり星を眺める...イヒヒなシチュエーションを想像しながら防水ザックの荷物をマウンテンスミスに移し変えていたのだが...
出発前日16日、秋雨前線(僕は奴は絶対梅雨前線だと思う)の動きをウォッチングしてたら、どうも16〜18日は北上しそうな気配。僕がこれから向おうとしている湖ってのは電話はなく(携帯も圏外)防災無線でしか下界と通信手段がない上に、崖崩れ&土石流多発地帯で数年前に登山客が孤立した!という場所。(しかも熊も出るらしい...)妙齢の美しい女性としっぽりとってのならともかく(そういう夢、高校生の時よく見たなぁ)、ソロで孤立→数日後救出→くたびれた顔が全国ネットで...ってな伊豆の某・キャンプ場みたいなのはさすがに勘弁して欲しいということで、16日は薫製を作ったりしながら一日家でのんびりして天候の回復を待つことに。
またまた“ところが”、翌17日も目覚めると雨...憂鬱な気分で再びベッドに入るけど、『ま、川は逃げない。湖はもっと逃げない逃げない。ゆっくり朝寝坊しようよ。』という自分と『おいおい、ソロで出かけるチャンスは今しかないぜ!Now get a chance!』なんて古いTV番組みたいな合言葉を叫ぶ自分のせめぎ合い(笑)。ふたりの自分がベッドの中で話し合った結果、北上する前線に背を向けて南下すればいいじゃないか、という結論に達する。南下?熊野?ん?今日は熊野大花火大会じゃないか!!そんなこんなで熊野に花火を観に行くことに決まったのだった。


海辺ののキャンプサイト

ところがところが(笑)、討論に手間取り結論が出たのはお昼前(楽しい夢と心地良い微睡みに酔いしれてたのが事実?)。今から南に向ってもR42の殺人的渋滞にハマってしまい花火なんて観られないのは必至。で、ふと思いついたのがJRでの列車旅。そんな思いつきの5分後、準備万端のザックを担いで僕はバス停に立っていた。
時刻表の確認もせずにやってきた駅。「熊野行きは乗れますか?」そう駅員さんに尋ねると、大きなザックを担いだ僕の姿を一瞥して、「う〜ん、乗れなくはないけどなぁ...でも座れんよ。始発があるから、そっちの方がいいかもな。時間は掛かるけど、楽だわな。」親切な駅員さんの勧めに従って、そのまま近鉄で始発駅へ。
発車5分前の新宮行きに滑り込みで乗り込むと、駅員さんの話の通り、まだまだ席は半数近くが空いている状態。大荷物が迷惑にならないベンチシートに陣取ってザックを網棚に載せる。スリムな40LのザックはJRの網棚にすっぽり収まって具合がいい。

13:00ジャスト発の各駅停車は、熊野市駅まで3時間20分を要する。新幹線に同じだけ乗れば博多まで行けちゃうスピード優先の時代に、このスローな旅はどうだ!遅すぎて退屈と感じるか、それとも¥2000余りでこんなに長く列車の旅を楽しめると感じるか...それは乗っている人の心の余裕の違いだろう。
始発駅を出た列車は、いつも走りなれたR42に沿うように南へと向かう。普段ならわき見は許されないけれど、列車なら車窓の景色を存分に堪能することが出来る。途中から乗り込んできたおばちゃんふたり連れと楽しい会話に花を咲かせながら、止まるたびに特急や快速を待ちつつ列車は南へ向かう。
「にいちゃんも所帯を持ったらな、今みたいに気ままにふらふら出掛けられへんようになるでな。今のうちやで!」「そやそや、今が一番幸せなんやで。でもな、結婚はせないかん。結婚せん根無し草は社会が相手にしてくれへん。」(ね、根無し草ぁ??)
大きな“リュックサック”を担いでひとりで列車に乗って花火を見に行く=若い独身男(しかもモテナイ)という固定観念に基づいて、子供が出来たらいかに大変かを切々と語るおばちゃんたち(しかも、この年代のおばちゃんは男性の年齢を見る目が全くない場合が多い。悲しいことに同年代以下には老けて見られ、老人には若く見られるよなぁ、いつも...)。おばちゃんたちに比べたら少し若いけど、ホントは若くはないんだなぁ...ついつい言いそびれてしまい、話を合わせて相槌を打つ。

『通過列車の待ち合わせで、15分ほど停車しま〜す。』車掌さんのそんなアナウンスを何度聞いただろう。花火大会のための臨時列車が数多く走り過密ダイヤが組まれているからか、海山町・ですでに30分以上の遅れ。でも、全然ノープロブレム。急ぐ旅ではない。
相賀駅、さらに尾鷲駅からドッと乗客が乗り込んで来て、車内は体勢を変えられないほどの大混雑となる。僕の前に立つ15〜6歳の若い女の子が列車が揺れるたびに押されて迫ってくる。「せ、席代わろうか?」って言ったって身動き取れない状態のまま、いよいよ最後には僕の膝の上に座り込むような体勢。そばの彼氏が複雑な表情。苦笑いを彼氏に送るけど、彼は見て見ぬふり。膝の上に女の子を乗せたまま、列車は進む。『なぁ、にいちゃん、得したな。』おばちゃんの耳打ち(笑)『娘を膝に載っけてるみたいですわ。』彼氏にも聞こえるように呟くと『よう言わんわぁ〜!』おばちゃん、何を勘違いしたのかキキキ笑い。

16:47、列車は35分遅れで大泊駅に到着。列車の大混雑がウソのように閑散とした無人駅からは浜まで徒歩5分。いつもなら弓状の小さな砂浜に色とりどりのテントが並んでいるところだけど、今日はあいにくの雨でその数は少ない。浜辺の左手の岩場にザックを下ろして、しとしとと降る雨の中、設営を始める僕だった。

夕食を終えた頃、鬼ケ城の向こうで花火の開始を告げる空砲が一発。僕はテントのジッパーを閉じ、The-Butonを手にいそいそと花火会場へと向う。
花火会場までは約2km、R42で渋滞にハマりサイドブレーキを引いたまま動けないクルマの列の横目に(残念ながら彼らは花火を観ることは出来ない。きっとこれから4時間待ってもトンネルの入口にすら辿り着けないから。)雰囲気満点の旧道トンネルを通って市街へ。


このトンネルを通って花火会場へ

2万人余りの町に15万人もの見物客が押し寄せるこの花火大会。トンネルを出た瞬間から都会の雑踏のような雰囲気に花火気分も盛り上がる。既に熊野入りしてる友人U夫妻と落ち合い、予め場所取りをしてくれてある七里御浜の観覧席に着き、辺りが漆黒の闇に包まれるといよいよ花火大会はスタートだ。

生前のご厚情に感謝し...この花火は追善供養だ。
高速で疾走する船から投げ込まれる海上自爆

元々、お盆の追善供養を目的に始まったこの花火大会は、やはり追善の仕掛け花火で幕を開ける。“生前のご厚情に感謝し...”故人の人となりと縁のあった人々への感謝の言葉がアナウンスされ、その後に「追善●●家」の文字が熊野灘に浮かび上がる...花火を使って告げる別れ、そして感謝の言葉。その美しい花火に酔いしれ、最大級の拍手で見送る観客たち。どんなカリスマロックミュージシャンでさえ集めることはできない15万人もの観客に見送られる死...そこにはいかにも漁師町・熊野らしい気っ風の良さを感じるのは僕だけではないはずだ。


花火の向こうには豪華客船『飛鳥』と『ふじ丸』
この両船提供の花火も打ち上げられた。う〜ん、リッチ!

どうしてこれだけ多くの人々が幾多の苦難(?)を乗り越えて、この小さな田舎町に集まり、たった一万発でしかない花火に酔いしれ絶賛するのか?こんなところにその秘密が隠されているのかも知れない。前にも書いたかもしれないけど、ここが熊野だから人々はこの日ここを目指す。熊野大花火大会は『現代の熊野詣』と言えるのかもしれない。

もちろん、熊野という土地の魅力(魔力とも言う)だけでは語れない部分もあって、七里御浜沿いの狭い平野、そしてその背後に迫る切り立った頑強な岩山という地形もその一端を担っていると思う。平野が狭いため、打ち上げ場所と観客席が異様なほど近く、音というよりも衝撃波が腹にズンッと来る感じ。浜を囲むように切り立つ岩山が独特の音響効果を生み、一発の花火が5発、10発にも聞こえる感じ...

他所では味わえないサラウンドな“感じ”が実際の規模を何倍、何十倍にも増幅させるのだ。それは、音ばかりが大きい体育館でのコンサートよりも音響に優れたホールで聴く音楽の方が深く心に響くのと似ている。


フィナーレの鬼ケ城スターマイン
(さすがに昔のように花火が頭上を越えて自分の後ろの浜に落下
するようなことはないけど、それでも大迫力には違いない。)

スターマイン、高速船から海面に点火した一尺玉を投げ入れる海上自爆、そしてフィナーレは鬼ケ城の岩場や洞窟に花火を直置きし斜め打ちで連続発射するという「鬼ケ城大仕掛け」と、ここならではの地上大爆発の連続が数分も続く。


大迫力の鬼ケ城大仕掛が連続して炸裂
(あまりに暴力的で初めての人は事故だと思う)

22:00p.m.耳をつんざく大音響の後に突然訪れる静寂で、花火が終わる。15万人もの人がそこにいるとは思えない一瞬の静寂、そして数秒後に始まる15万人が玉砂利を踏みしめるズゾゾゾゾォという音。
友人U夫妻とともにそのまた友人・Kenさん宅にお邪魔し(本当にお世話になりました>Kenさん&奥様)、一時間ほどして彼らと別れた僕は再びトンネルを越えてテントサイトに戻る。

列車に乗り遅れたらしい前を歩くOL風2人連れにちょっかいを出されながら(残念ながら僕にはクルマも宿もないっ!...笑)トンネルを抜けR42から一歩堤防に足を踏み入れると、そこはZIPKAがないとまともに歩けない漆黒の闇。喧噪と静寂...正反対の環境に戸惑いつつ、僕はテントのジッパーを開けてマットに腰を下ろし、ザックから昨日作った薫製を取り出しKenさんに貰った冷え冷えのビールを飲む。
真っ黒な海の向こうには花火が終わって2時間にもなるというのに、まだ街の明かりが鬼ケ城沖に滞留している青い煙を照らすぼんやりとした光が、鬼ケ城のスカイラインを美しく見せている。そして振り返ればいまだに続く渋滞の赤いテールランプの列。
頬を撫でる涼やかな潮風、大平洋の荒波の音、寝床にどっかりと腰を下ろしたまま何でも手が届く“四畳半”のようなテントスペース...(OLゲットハデキナクテモ)幸せというのは、コレなんだよなぁ〜ってな夜を過ごす。


煙が立ち込める鬼ケ城の向こうに市街の明かりが

ビールを飲み干した後は、テントを全開にしたままLEDヘッドランプジプカの青白く均一な光で読書。素樹文生、そして重松清。旅の本と家族の本...家で読むのとはまるで臨場感が違い深く深く感動してしまう。感動を胸に、マットにゴロンと横になる。聞こえるのは打ち寄せる波の音だけ...いつしか眠りに落ちてしまう僕なのだった。

(おわり)

 



大泊海水浴場全景
(画角38mmを重ねて3枚合成・・・18mm魚眼相当)


キャンプサイトの朝

JRおおどまりにてセルフポートレイト(笑)

 

 


1

ザック/Mountainsmith Zone 40L

11

食料/4食&予備1食、コーヒー、行動食など

2

テント/Eureka! Skylite2

12

燃料/麒麟端麗、楽膳、8月のキリン

3

シュラフ/mont-bell SBB #4

13

ファーストエイドキット

4

エアマット/UNIFRAME OD-BED UL

14

トイレットペーパー&ショベル/mont-bell

5

レインウェア/mont-bell STORM CRUISER

15

革手袋

6

コッフェル/snowpeakWapperCompo

16

ウォーターコンテナ/Cascade Design PLATYPAS 2L

ストーブ/PRIMUS P-121A

17

折畳み傘/スポ−ツオ−ソリティオリジナル

シェラカップ/EVERNEW TITANIUM FD

18

カメラ/OLYMPUS μ-20 DIGITAL

ガスカ−トリッジ/PRIMUS PG-110

19

文庫本2册

7

ランタン&予備スト−ブ/PRIMUS IP-BML

20

細引き、スペアガスカ−トリッジ、短中波FMラジオ

8

テントマット、mont-bellメッシュアンカー

携帯電話、OPINELステンレスナイフ、

9

シッティングマット/UNIFRAME The-Buton

OPINELハンディソ−、VICTORINOX SWISS CHAMP 、

10

着替え/2泊用(コンプレッションバッグ入り)

ZIPPOオイルライター、PETZL ZIPKAヘッドランプ

 


 

8月10日 波乗りタイフ−ン!(国府浜ボディボード)

  

L.L.Bean タ−プから見える国府浜と安乗灯台(岬の先端)
本州では稀な大平洋にダイレクトに面した遠浅の美しいビーチだ!

 

長引く梅雨のせいで、今年は純粋に川遊びを楽しむ機会のない我が家。アキヒロさんに買ってきてもらった“しゃくり釣り”の竿も出番なし...。でも、今週末は友人Uの実家F川にお邪魔して、鮎を狙いながらとても雰囲気の良い渓流を遡上するシャワークライミングの計画...だったけど、憎っくき台風10号の直撃を受けたF川は何年に一度かの大増水(涙)で計画はキャンセルになってしまう。
でも、台風一過の青空を見上げて何もしないでいられない我が家。「アレ、行っちゃいましょうか?」「そうですな、アレ行くしかないでしょう。」(笑)大きな声では言えないアレに行くことに決まる。

その“アレ”とはボディボード。台風翌日に海に繰り出すとなると、周囲の常識ある方々に叱られちゃう場合が多いので、そ〜っとお忍びで行くことになる。でも、我が家と価値観の近い例のお宅(笑)には連絡を入れてみよう...ってことでMamaがアキヒロ家に電話。『今、準備してるのよぉ〜』アキヒロ家は何やら忙しそうなご様子。「うち、明日、国府浜へ行こうと思うんだけど...」遠慮がちに話すMamaの受話器から爆笑が響く。「な〜んだぁ、いずみちゃんちも?」(笑)お誘いしなくても、現地で会えたアキヒロ家でありました。


普段の宮川

今日の宮川

8時出発の予定が例によって30分遅れの出発。すでにお盆休みの帰省ラッシュが始まっている高速を避けて玉城ICからサニーロードへ。南伊勢大橋から見る宮川は最高水位より幾分ましになったとはいえ、+1.4mの増水中。昨日の同じ時刻の+6.8m(!)ってのを想像すると、ちょっと震えが出てしまうけど、とにかく今日の状態ではカヌーでダウンリバーしたって瀬も淵もな〜んにもなくて、ただザ〜って流れるだけで面白くもなんともないのは確か。(鮎釣り師はいないけど)「今日は海にしてヨカッタね!」家族でそんなことを語り合いつつ、家から1時間半、志摩半島最先端・国府浜に到着。


防風林を通ってビーチへ

台風一過のいつになく青い空と海、弓状に4kmに渡って伸びるベージュ色の浜を辿ると、彼方に白い安乗灯台が見える。ここは南の島かと見紛う青い海が“通勤圏内”で行ける幸せを感じつつ、僕らは先着のアキヒロ家の隣に、“我が家の移動式海の家”L.L.Beanセルフスタンディングタ−プを設営する。
ビ−チは海に向って右手400mほどの海水浴エリアと左側数kmに渡って延びるサーフィンエリアは赤い旗の列で仕切られていて、僕らが陣取るのはいつもその境目のサーフエリア側。
どうしていつもそこかって?海水浴エリアは貸パラソルの営業があってタ−プ禁止。でもサーフエリアはみんなウェットやラッシュガード着ててつまんない...で、タ−プを張れてビキニのオネエチャンやオクサマが至近距離で楽しめるロケーションといえば、ここしかないのです。ね、アキヒロさん!え、違う?そんな緻密な計算をしてるのは僕だけ?...失礼しました(涙)

設営している間に、我慢できない少年たちはボディボードを手に走っていきなり海に飛び込んでゆく。少女たちは波打ち際まで駆けて行って、ちゃぷちゃぷと手のひらで水温を確認してからそおっと海に入る。Mamaたちは設営が終わったタ−プの影で日焼け止めをヌリヌリ。


台風一過!砂の白さと透明度は沖縄にも負けない

台風翌日は海藻も豊富(笑)

台風最接近から24時間。2m近い波がザバンザバン打ち寄せているだろうという予想に反して、今日の波は50cm程度のチャポチャポなレベル。ちょっとがっかりではあるけど、その代わり水の透明度と浜の美しさは、あの沖縄本島の有名ビーチを凌いでると断言してもいいほど。

午前中は期待外れの小波にボードで滑走できる距離はスープのみ2〜30mで、当然のことながらターンなんてのは無理だけど、Maakunは今年初めての海にかなり嬉しそう。AzuはMoeちゃんと連れ立って貝殻拾いに夢中だ。今日の昼ご飯は、いつものように“おばちゃんち”のヤキソバ。これは18年変わらぬ我が家のルールだ。

ヤキソバを食べ終わった頃から序々に波が高くなり始め、サーファー達の波待ちのポジションが段々と沖に移動してゆく。もしかして、これは期待出来るかも!...その期待通り、昼過ぎからは波高1〜1.5mの姿の良い波が連続して打ち寄せ、もう波待ちどころかどの波を選ぶか困ってしまうほどのグッドコンディションだ。早まって目の前の波に乗ってしまうと、その次の大波までにポイントに戻れなくて悔しい思いをするほどの連続波状攻撃(まさに波状だな...笑)。


小さな波をやりすごすMaakun

ひとたびテイクオフするとブレイクから一気に波打ち際まで7〜80m、数十秒のライドが楽しめる。これだけあると、上手いボーダーは様々なテクニックを試すことができるので、一気に楽しさ倍増である。そんなサーファーやボーダーに混じって並んでテイクオフするMamaたち。いつになく真剣な表情で“なんちゃって”だなんて思えないほど。


波に乗り遅れたMamaを気遣うMaakun


Azuもボディボード開眼!

Maakunの向こうにはサーファーの列

体重の軽い少年たちは、いとも簡単に波のフェイスに押されるようにスムーズなテイクオフ...そんな中、これまで決してボディボードをやらなかったAzuがMoeちゃんに誘われるようにボードを持って海に!この機会を逃してなるものか!
早速、Papaが彼女をブレイクの瞬間に強く押してテイクオフの手助けをしてあげる。テイクオフさえすれば犬でもサーフィン出来るわけで、「うぁ〜すっご〜い!すべるぅぅぅ〜!」海面を波より先に滑る感覚を味わってしまったら、もう止められない。
2〜3回Papaの助けを借りたあとは、早くも自分だけでテイクオフが出来るようになったAzu...

ちびっこボディボ−ダ−がまたひとり。もう彼女は海に来て貝殻拾いをすることはないだろう(笑)。

波にもまれてご機嫌麗しいお嬢さま方
体重の軽いお嬢さまたちは身体だけで波乗り


Mamaたちの華麗なライディング

波乗りを楽しんでいるうちに、あっという間に時刻は2:30p.m.。お盆の帰省ラッシュ&行楽ラッシュに巻き込まれないためには、そろそろタイムアップである。(疲れが出て怪我をしたり日射病になったりしやすいのは、たいていこの時間以降だ。)そんなことを思いつつ海を見れば、レジャー用エアマットで器用に波に乗るアキヒロさん(これがめちゃカッコイイ!周りのサーファーが目を丸くして見つめてましたよ!>アキヒロさん)を始め、ふたりのMamaたちもまだまだマジになって波に乗っている。ホンマに好きねぇ...呆れながらも、ついついMaakunからボードを奪い取って波乗りに参加するイケナイPapaなのでした。

結局海から上がったのは3時過ぎ、ビーチからクルマに戻る道すがら、Azuが急に僕にすり寄って来て、小首を傾げておねだりのポーズ(笑)『ねぇ、Papaぁ〜、アレ買ってぇん!ア・レ・よ・ア・レ!』
ハイハイわかりましたよ。ご所望の品はきみ専用のボディボードでしょ?
ビーチから直接、ショップへ向う我が家。ところがショップで、またまた始まってしまいました。『ねぇ〜ん、Papaぁ〜ん、アレ買ってぇん!ア・レ・よ・ア・レ!』ハイビスカスの絵が入ったグレーのボードを指差しているのは、少女Azuではなく...元・少女Mamaなのでありました。『アレよ、アレ!』ハイハイ(涙)

 

 


向こうからアキヒロさん、いずみちゃん、Mama、そして僕も波に乗りながら撮影中

 

8/1-5 万水川、乗鞍、上高地へ

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