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March.2003 part.4

 

 

3月30日 漕ぎ初めダウンリバー in 宮川(泳ぎ初め!?)

 

 

「もう、雪遊びはいいよ。カヌーがしたいよ。」Maakunがそんな言葉を吐いた比良山の雪遊びから、たった20日。48もの季節があるニッポンだというのに、我が家は“カヌーシーズン?or not?”(笑)
そんなわけで気分は冬からイッキに春へ。いよいよ2003カヌーシーズンの開幕だっ!...と言いたいところだけど、超・寒がりの僕ら夫婦。背中を丸めて薪ストーブに手をかざしながら...「寒いよね。」「うん、寒い。」「沈したら死ぬかも」「うん、確実に心臓が停まる」僕も含めて、週末のカヌーにはかなり消極的。
そんな木曜日、アキヒロさんからメールが。『南国行きの準備等で忙しいかとは思いますが、今週末の予定はどうなってますか。暖かくなってきたし、ちょっと漕ぎに行く?なんて話も出ているのですが...』
このメールを読んだ途端、「西表島の前にちょっと練習したいわよね。」「装備のチェックもしなければ...。」「泳ぎた〜い!」とみんなの気分は初漕ぎに一直線!かくして、2003シーズンの始まりはじまりぃ〜...

「おい、防水バッグどこだっけ?」「ちゃんと片付けておきなさいよ!ところで着替えって2セットでいいかしら?」「アホか!ワンディのツアーで2セットも要るか、バカ!」毎年毎年カヌーシーズンは、準備がはかどらないイライラ→夫婦喧嘩の険悪な雰囲気で幕を開ける。
シーズン終了の11月にはソロ用装備、名付けて『家出セット』、ファミリー用装備『夜逃げセット』共に常時スタンバイOKで、ものの10分で完了するカヌーの準備も、要領を得ない春は何時間も掛かってしまう。(カヌーのカートップなんて最短3分!でも今回はあ〜でもない、こ〜でもないと15分以上を要し、しかも左右逆に積み込む始末。)しかも、何を持っていくかの判断も鈍っているので「何泊するの?」ってな大荷物(涙)。今回も例によって防水バッグがふたつも必要なほどで、ミニマム装備を良しとする僕はご機嫌斜め。
早朝から2時間ほど掛けて準備が完了した頃、電話が鳴ってTake家の参加表明。これで、今日はアキヒロ家、チキンルートさん、Take家、そして我が家の6艇13人のツアーということになる。

10:30 中川大橋をスタート
お天気上々、気分も上々

8:40、ちょっと早いけど宮川・中川大橋に向け自宅を出発。コンビニを経由して9:15、河原に到着。
田んぼと茶畑に面したいつもの駐車位置にパワーショベルが停まっているので、近くにいるオジサンたちに挨拶を兼ねて話しかける。
「おはようございます。なぁ、あっこ(=あそこ)のユンボの前にクルマ停めてもエエやろか?」「エエに、エエに!今日は動かさへんで。」
軽トラで通りがかったおじいちゃんにも一言挨拶
「おいさんとこは田ァはいつ植えるん?」「田ァは7日に水入れてから12日に植えるんやわ。」「そんならここにクルマ置いといても邪魔やあらへんな?」「ええさぁ。今日は在所(ザイショ=集落のこと)のモン(=者)で、花見の一杯やり(=野外宴会)なんやわ。わしらが見とったるさかい、安心して停めとき!(笑)」

着替えを始めたところで水平対向4気筒独特のエンジン音が聞こえてくる。チキンル−トさんのVWヴァナゴンT3カラットだ!続いてこちらも水平対向4気筒のアキヒロ家・ランカスター、Miyagawa's River BlueのTake家・ステップワゴンも到着。今回もアキヒロ家のパンちゃん(=FIAT PANDA)が出動してくれてゴールポイントに待機済みということで、ダウンリバーの準備が出来次第、スタート!

鮮やかなモンベルム−ンライト色(笑)のノーティレイのチキンルートさんを先頭に、ピラニアのTAKE家シュン君、OldTown アニバCAMPERのTAKE家3人乗り、赤HUNTERにMamaとMaakun、Mad River Explorer(緑)にアキヒロ家3人、そしてオリーブCAMPERに僕とAzu&Moeコンビを載せ、青い空の下、春の匂いがするそよ風を受けてダウンリバーを開始する。今日の宮川の水位は最低レベル。でもそのぶん水質は最高レベル(笑)で気持ちの良い川下りを楽しめそうだ。


『パパ、漕いじゃダメ!』
今日のCAMPERのバウはフレキシブル・ダブルパドル

いずみちゃん、Jストローク開眼!
昨秋の増水で流された倒木とTAKE家


渇水だけど晴天微風の宮川をのんびり進む

スタート直後、バウのAzuが振返って僕に告げる。「今日は私たちが漕ぐから、パパはじっと座っててね。」ん?ホンマカイナ?「大丈夫なんだもんん、ね〜!」「ね〜!」スウォートの前に並んで膝立ちしたおジョウちゃまに小首を傾げながら声を合わせて、そう言われると手出しできない僕。


...というわけでパパは前半はほとんど漕がず
浮力体のベッドで寝てるだけでいい(笑)

しょうがないので、着座位置をずらして、スターンのエアバッグ(浮力体)をベッドにフテ寝することにする。仰向けに寝転がると僕の視界には春の霞がかった空だけが広がる。遥か高い所を大きく円を描いて滑空するトビ。良く見るとその円の中心は僕ら...“またニンゲンがアホなことしてら!”そんな感じで僕らを観察しているかのようだ。のんびり寝転がって川下りってのはホントにラクチンだけど、限りなくヒマなのも確か。そのうち漕ぐのに飽きて、泣きついてくるに違いないって思ってたけど、バウの2人のオジョウサマ方はなかなか熱心かつ頭を使ってパドリング。「ホラッ、Moeちゃん、カヌーが右よっ!バック漕ぎして!」「は〜い、Azuちゃんももっと強く漕いでね!」最初はてんでバラバラに漕いでてカヌーがジグザグに進んでいたんだけど、そのうち強弱をつけ考えながら漕ぐようになってからは、僕がひとりで漕いでるのと変わらないスピードでぐんぐん進んでゆく。3kmほどを“ふたり合わせてダブルパドル”の力だけで進み、赤い鮠川大橋を越えたあたりでランチタイム。

ランチタイムは“Chichoの河原”にて
少年たちは岩登り


『Moeちゃん、右に曲がるわよっ!』『はい、Azuちゃんはバック漕ぎよっ!』
『お〜い、オレはいつになったら漕いでいいの?乗ってるだけじゃツマンナイよぉ〜!』


3月に初泳ぎの暴挙!Maakun&Koukun

以前子猫だったChichoと2人きりで宮川を下った際に、キャンプしたことで“Chichoの河原”と呼んでいるこの河原は、上流側におサルトリオ(申年3人衆?=Shunkun、Koukun、Maakun)垂涎の岩場があって、その周辺は粒の揃った座って心地よい玉砂利が敷きつめられている。大人たちがシングルバーナーでラーメンを作っている間、おサルトリオにTatsukiくんを加えた4人の少年たちは期待通り大岩に登って、その頂上の窪みに水を入れてタイドプール作りに夢中だ。しめしめ、これでゆっくり大人の会話が楽しめる...そう思ったのもつかの間、気が付けばそこにおサルキッズの姿はない。えっ!まさか!やばい!止めなければ!...でも時すでに遅し。河原上流の岩場の水面にはおサルキッズ改め“河童キッズ”約2名がジャブジャブと泳いでいる姿が!おいおい、まだ3月だぜ。しかも気温は10℃ちょい。たぶん水温はひと桁だというのに...しかも、 Koukunはウィンドブレーカー代わりのレインウェア着たまま泳いじゃってるよ(涙)

 

「寒くないか?」「ぜ〜んぜん!」これはたぶんウソ。サムイ、というよりツメタイはずなのである。男の子特有のやせ我慢だな、きっと。でも、これって大切なこと。だってオトコって大人になったらやせ我慢ばっかりだもん(笑)
玉砂利の上にどっかりと座った大人たちは、あれこれカヌー談義&子育て談義に花が咲く。確かにカヌーを漕いで旅することも楽しいのだけれど、こうやって時間を気にせずに誰も居ない河原でのんびりと会話するのが一番の楽しみなのかもしれないな...。


岩一面に咲く白い花

ゆったりまったりしたランチタイムを終えて、再び僕らは川面へ。相も変わらず、バウのお嬢ちゃんたちは僕が漕ぐことを許してくれず、ちょっと2人には荷が重いかなぁって時だけ、内緒で微調整する程度でダウンリバーは続く。


自生したユキヤナギ

水面に浮かぶ椿を拾って髪飾りに。

宮川両岸の岩には自生したユキヤナギの真っ白な花弁が咲き誇り、水面には薮の高い場所から落ちた椿の花が僕らと同じスピードで流れて行く。そのひとつをMoeちゃんが拾い上げ髪に当てて髪飾りにしていると、ソロでカヤックに乗るシュンくんがもうひとつ拾ってきてくれて、Azuに「ハイッ!」ってプレゼントしてくれる。花を手にした以上に嬉しそうなAzu。その手渡しかたがスマートでカッコよく、「君、モテるようになるよ!」って僕は内心ムフフなのだ。

ざら瀬と瀞場を幾つか越えると、久具都比売橋が見えてくる。この橋の下は今回のコースで最も透明度の高い場所。ここで最後の休憩を取る。上陸するたびに岩登り、水泳(!)を楽しんだ少年たちは、ここでは水際での穴堀り(笑)に夢中。オジョウサマ方は...なんと、チキンルートさんに遊んでもらってる。さすが女の子ふたりのお父さん、女心を掴むのが上手いわ(笑)。その間に大人たちはまたしてもゆったりと過ごすことが出来る。


『お水がきっれ〜い!』後半休憩ポイントにて。

透明な川を眺めながら20分ほどのおしゃべりを楽しみ、はるか下流に姿を現している内城田大橋のオレンジ色を目指し再スタート。
少し疲れたオジョウサマ方に代わって、僕のパドルが水を捉えカヌーはぐんぐんと進んでいく。
内城田大橋のすぐ下流には支流・一之瀬川が合流し、宮川の流れは更に清冽さを増す。ダブルパドルガールズの希望でバウを一之瀬に突っ込んで見せると...
「うぁ〜きっれ〜い!」二人同時にザ・ピーナツのように(古い?じゃ、ウィンクのように...これも古いか?)ハモりながら歓声をあげる。確かに美しい一之瀬川。きっと表層を流れる水ではなく、そのほとんどが伏流水なんだろうな。


大きく弧を描く航跡が美しい(チキンルートさん)

やっと漕げると思ったらMaakun艇のバウ(涙)

川の真ん中の流木にすかさず登る猿軍団

水の掛けっこを楽しむMaakun

無粋なコンクリート工場を左岸に見ながら、大きく左に回り込むと、いよいよ僕らが目指す宮リバー(正式名称・宮リバー度会パーク)の桜並木と遥か先に三ツ岩が目に入る。
川に面した場所に並ぶソメイヨシノの枝は、ほんのりと桜色に染まっていて、僕らの目を楽しませてくれる。たぶん、今日の午前中に開花したばかりの1〜2分咲きの初々しい桜。満開爛熟桜もいいけど、咲き始めたばかりのロリコン桜も可愛くて良いよな(見てるぶんには...だけど)。

ゆっくり愛でるながら下ろう、と思ってた矢先、右岸の岩間に漂っていたハンドボール大のゴムボールを発見し拾い上げた途端...カヌーポロ(?)が自然発生的に始まってしまう。
ボールを投げ合っているうちに段々とルールが決まっていく楽しさ。

最初はただの水上ドッヂボールだったのが、いつの間にか川下りしながら“相手の投げたボールが自分のカヌーの中に入ったら負け”というオープンデッキならではの単純なルールが出来上がって「ゴールが逃げる総当りのバスケットボール」ってな感じで騎馬戦とポロのいいとこ取りのゲームとなる。

相手にカヌーの横腹を見せたらバウマンとスターンマンの手の届かないセンターヨーク付近にボールを投げ入れられてしまうので、戦闘機の空中戦のように常に相手に捕捉されないように動き回りつつ常にボールを持った艇を正面に見る位置にカヌーを置くことが肝要。また、わざと相手に狙わせて反対側にリーンしてボトムでボールを受け止め、速攻に打って出る作戦も有効...とにかく持てるパドリング技術を総動員でキャーキャーと黄色い歓声を上げながら面白いプレイが繰り広げられる。(子供たちはともかく、拾ったボールであそこまで盛り上がれるオジサンってのも僕らぐらいでしょう...笑)。
結局、桜そっちのけで、プレイをしている間にゴールに到着。「いやぁ、楽しかったねぇ。」「うん、今度またやろうよ!」あまりにも楽しいので、今度,海山の堰堤上流で再戦を誓う僕ら。歴史あるスポーツもこんな風に始まったんじゃないかな?なんて感じた僕だった。


太陽は西へ...
宮リバーパーク駐車場にて
本日、サクラの開花!

アキヒロ家の小さなPANDAのパンちゃんでスタートポイントに送ってもらい、各々のクルマで宮リバーに戻ると、女性陣&子供たちの手によってカヌー以外の装備が駐車場に上げられている。お父さんたちは最後の力を振り絞って、岸辺のカヌーを担いでそれぞれのクルマに載せタイダウンベルトで固定する。

夕方を迎え黄金色の光が辺りを包む中、芝生に覆われた堤防に腰掛け、ふと空を見上げると、青いような金色のような不思議な色合いの空をバックに、桜が数輪、僕の方を向いて咲いていた。僕はカヌーシーズンの始まりを感じた。

 


夕暮れ近い宮リバーパークの桜並木(ゴールポイント)

 

 


今回の参加メンバー
(あり得ない写真?誰が撮ったの?答:合成写真です...笑)

 

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