WWW.PAPAPADDLER.COM

FLAME LAYOUT


 

 

August.2002

 

 

 


水深3m。鮎を追いかけて泳ぐMaakunの頭を啄む鮎(笑)

8月17日 リバートレッキングその2...のはずが 

鮎網漁から一夜明けて、我が家はさすがに夏の疲れが頂点に達し、ゆったりと朝寝坊...のはずが、大人の哀れなほどのやつれとは対照的に、子供達は朝早くから超・元気。
「だってぇ、今夜はMoeちゃんが来るんだもん!」Azuは朝からアキヒロ家の到着を今か今かと待ちわびてる。
結婚10周年を越えると、毎年の記念日ディナーをどこにするかが悩みの種になる。子供を預けて出かけることもあってあまり遠くに行くわけにもいかず、(大人が行けるレストランが数少ない地方都市では)当然毎年同じ“マンネリな”レストランを予約する羽目になる。
ところが今年から新提案。4月の僕らの16周年記念日にアキヒロさんちに子供を預けて、初めてのレストランに行ったところ、時間を気にしなくてもいいパパとママも幸せ、夜遅くまでお友達と一緒に遊べる子供達も幸せ...とみんながハッピーになれて大満足。今夜はアキヒロ家がディナーということでKoukun&Moeちゃんが我が家へやってきた。一緒に夕ご飯を食べ、お風呂に入って、花火を楽しみ...自然の成り行きで、明日も一緒に遊ぼうねってことに。

翌朝9:00、さて今日は何しようってアキヒロ家と電話で相談。お盆休みUターンラッシュの真っ最中なので、あまり遠くへは行けないし、今日も34℃の猛暑。当然のごとく“アキヒロ家のプライベートプール”某・支流で「リバートレッキング其の弐」を楽しむことに決定だ。

DiscoのルーフにリバートレッキングのためにYahoo!オークションで¥2500で落としたビニールボート“EXPLORER200”を載せ、カヌー倉庫で一昨日から片付けずにそのままになってた防水バッグ、2階のベランダでまだ干してるウェットスーツをカーゴルームに入れて、10:30出発。
50分ほどでアキヒロ家に到着。
(本当はもっと早く着くんだけど、今回は高速で“EXPLORER200”を留めてたストラップが外れ、突如ルーフでボートのダンスが始まったので...涙)


ん?ルーフの上がいつもと違う?

進水式のカーゴ専用EXPLORER(笑)

着替えを済ませ、前回の教訓を生かしコンビニで体を暖めるカップ麺を買いこみ、前回のゴールポイントで今回のスタートポイント「大岩の淵」に到着。クルマを本流と合流するポイントに回送して、昼前に大岩から流れ始める。

「流れ始める」とは言っても、今回は水質は上々だけど水位が低くて流れがほとんどなく、のっけから泳ぐ羽目になる。PFDの浮力でぷかぷか浮かびながらゴーグルを着けて水中を楽しみつつ、大4小4合計8匹の河童はユルユルと川を流れる。「何、コレっ!」思わずそんな叫び声が出るほどの鮎の数。「ウッソォ〜!」「すご〜い!」てんでバラバラに流れる河童たちの驚嘆の声が川面のあちこちからあがる。しかも水面を流れる僕らの影にも一向に慌てる様子もなく、時折銀色の腹をキラキラ光らせて悠然と泳ぐ鮎たち。

200mほど下ったところで最初の浅瀬に入る。水量の少ない今日はビニールボートさえも引っ掛かる浅さ。丈夫なカヌーならガリガリゴリゴリ強引に進むところだけど、傷つきやすいベイビースキン(笑)のこいつはそんな調子にも行かず、そろそろと岩の間を通す。浅瀬は大きく深い淵に繋がり、淵の周りには人工物の全く見えない美しい河原が広がる。「ねえ、ここでお昼ご飯にしない?」女性陣の提案でボートの積み荷を解いて、シングルバーナーでお湯を沸かしカップ麺の昼食。

スタート早々、ランチ
メッチャ透明!!

「ねえ、ライジャケ脱いでもいい?」
遊びたくて遊びたくてたまらないMaakunとKoukunは猛スピードで昼食を済ませ、P.F.Dを脱ぎ捨てて恐ろしく透明で青みがかった淵に飛び込み、深さ3mほどの淵の最深部で素潜りを楽しむ。
それを見ていたAzu&MoeコンビもP.F.Dを脱いで対岸に向けて泳ぐ。
もちろん大人も淵に潜って岩の下を覗いて生き物を探す。「おおっ!でっかい鮎がうじゃうじゃ!」「テナガエビだぁ!」「ズガニもいるよっ!」淵の下流側では箱眼鏡を手にしてシャクリ竿と網で鮎漁を楽しんでいる親子の姿。水面下の豊富な生き物と透明な水を眺めながら、水面に顔を出したMamaが口惜しそうに叫ぶ。
「ん〜〜もうっ!こんなに獲物がいっぱいなのに、どうして今日は竿も網も持って来なかったのよぅ!」
そこで正直に事実を話してしまったのがアキヒロさんの真面目なところ。

もう、ライジャケ要らないも〜ん! ダメダメ!

「そうやねぇ、シャクリの竿もタモ網もゴールのクルマの中に置いて来たんだよな〜。」
キラ〜ン☆...Mamaの目が光る。今までの悔しそうな鬼の表情が小首をかしげて甘えたような顔に変わる。
「ネェ、パパァ〜、ゴ−ルから竿を持って来てくれないかしらぁん。」
急に色っぽい声出しても騙されないぞ!...と思いつつも、Mamaの催眠術にかかったように、自分でも信じられない言葉が僕の口から出てしまう。「じゃ、今日はもうリバートレッキング止めて、ここで遊ぼうか!」「賛成〜!」
そんなわけで今日のリバートレッキングはスタートから200mであえなく終了。
僕とアキヒロさん、2人の「子供に厳しく妻には甘い」お父さんは、再び川を歩いてスタート地点に戻り、ゴールポイントに置いたクルマを取りに戻ることになったのだった(涙)

エアマットではしゃぐ
スイスイ泳ぐ河童


さて、鮎が何尾写っているでしょう?(答え→22尾)

6〜7寸の鮎たち
こんな状態なら狙いたくなる!?

誰がカナヅチだって???

竿や網を手に、お父さんたちが家族の待つ淵に戻ると、奥様たち&子供達は川遊びに夢中で気付かない。「ただいま〜!」僕が叫ぶと水面に浮んでよそ見したまま小さく「お、おかえり。」と一言。「竿持って来たぞっ!」そう叫ぶと、「ありがとぉ〜!」などと言いながら砂糖に群がるアリのように...というか磁石に引き寄せられる砂鉄のように(笑)竿を取りに来る現金なMama(涙)。

それからの2時間は夫も子供も見捨てて、ただひたすら“ひとりの漁師”に成りきって淵を縦横無尽に泳ぎ回るMama。時折水面に顔を上げては「クッソ〜!竿に当たったのにぃ!」「ウッシッシ、トロそうな鮎発見!」などとオッサンのような言葉を吐きながら、すぐにまた潜っていく。

いつも彼女を見て不思議に思うのだけど、確か彼女はカナヅチなはず。小学校のキャンプで川の深みに足を取られて流され、大人は誰も気付いてくれなくて『もうダメ、死ぬ!』と思った瞬間、たまたま下流にいたおじさんに助けあげられた経験があり、出会った頃は『それ以来、顔を水に浸けるのも怖いんですぅ!』なんて可愛く言ってた記憶が...そんな彼女も16年の時を経て...

↑こんな姿に成り下がってしまいました(涙)

悪戦苦闘するMamaに対し、「キャリアが違うのよん!」なアキヒロさんは淵の底の岩陰や浅瀬を自在に泳ぎ回り次々に獲物をゲットしていく。ウェットスーツを着たまま淵の底に留まるというのはなかなか出来る芸当ではないんだけど...そんな姿を横目に見ながら、ますます無口になっていくMama。そして...
「きゃ〜やった〜やったわよ〜!ヒャッヒャッヒャ!」Mamaが獲物をゲット!
「ほ〜れほれほれ、見てよ!」見せびらかしてるうちにポチャン!「・・・」
「あ〜あ、アンタがすぐに写真を撮らないから、逃げちゃったじゃないのっ!」何故か叱られる僕(涙)それでも3尾目でやっと写真撮影成功(笑)


今日、3尾目の獲物

わたしは見た!伝説の河童族!


石を抱いて川底に潜る

水面下の河童?

水中眼鏡の奥の目が笑ってる

いずみちゃんもゲット!!

泳ぎ疲れたアキヒロさんに代わって、いずみちゃんも漁にチャレンジ。大きな岩の両端に浮ぶふたりの女性は、妻であることも母であることも、もしかしたらオンナであることも忘れて(失礼!)ひたすら目の前を泳ぐ獲物を狙うハンターと化している。
さすがアキヒロさんの妻。似たもの夫婦というか何と言うか、すぐに獲物をゲット!

そんな両親の姿にバカバカしくなったのか(笑)、子供たちは淵から上がってダム遊び。瀬を河原の石で堰とめてプールを作り、更に川床を掘り下げてゆったり身体を沈めることが出来る露天風呂の湯舟のように作り上げる。まずはMaakun&Koukun、そしてその上流にAzu&Moeちゃんが堰を築き、立派な三段の“お風呂”が完成する。今日の水温は一日泳いでても寒くならないほど高温だけど、さすがに深さのある淵は少し冷たい。そんな淵から子供達が作り上げた“風呂”に移ると、本当に温泉のような感覚に浸れるから不思議だ。お風呂作りに飽きると、兄たちは今度はエアマットに乗って「沈」ごっこ。そして妹たちはカップ麺の容器で稚魚を掬って、ミニ水族館づくり...誰に教えてもらうでもなく、次から次へと自主的に遊びを作り出し楽しく遊ぶ...大人の手で完璧に用意されたお仕着せの遊びばかりの現代の子供達。そんな彼らに一番欠けている感覚が、川に来ればごく自然に取り戻すことが出来る...そんな気がする。


上流から女風呂、男風呂、オカマ風呂(!

谷間に流れるスピーカーの「夕焼けこやけ」のメロディ。17:00の時報だ。「さて、そろそろ帰りましょうか!」荷物を各々のビニールボートに積込んで、嫌がる子供達を引き連れて、川を遡る僕達。10分ほどでスタートポイントの大岩に到着、荷物をクルマに運ぶ...前に、一回だけ大岩から飛び込んでみたいなぁ、なんて思ったのは、この僕でした(笑)。親が飛び込みを楽しんだりしたら子供が黙っていようはずもなく、次々に大岩からの飛び込みが始まる。そして...「おいおい、何だか暗くなってきたぞ!」「ヤバい!日暮れだ!」

こうして僕らは泳ぎながら夕暮れを迎えてしまったのだった。メデタシメデタシ(メデタくないよっ!)


ともちゃん&いずみちゃん、またまたシャクリ漁に夢中
水温が高い(たぶん25〜30℃)ので一日泳いでても平気! 


 

 

 


夢のような淵でシャクリ漁に夢中

8月15日 Mama-paddler、漁師になる!(鮎網漁解禁) 今年もやってきました、鮎網漁解禁日。前日の熊野川日帰りダウンリバーの疲れも見せず、朝早くからウロウロバタバタ落着かないMamaと子供達。いつもなら出発を急かすのが僕の役目だけど、今日に限っては「パパ、早く準備しなさいよ!」と急かされる始末。まだ乾いてないウェットスーツをメッシュトートに詰め込んで9時過ぎに出発。最近は「故郷化」してるUおじさまの実家を目指す。一時間半ほどで到着したUおじさま宅。家にはYokoちゃんと僕とUおじさまのサラリーマン時代の同期Yの奥様がお留守番。当然のことながら、UおじさまとYは既に川で漁の真っ最中。我が家も早速ウェットスーツに着替えて川へ向かう。
軽トラックがスタックしそうになるほどの急な河原への進入路をDiscoで慎重に下ると、川の上流にオレンジのシャツの背中に鑑札を着けたUおじさまとYの姿。そこに加わるウェットスーツな家族...この3人を見て、かつての職業を当てられる人はまず、いないだろうな(笑)。

小鷹網漁

網を打ちます
位置について〜!ヨ〜イ、ドン!
ジャバジャバ追い込みます
釣果は...?
おっ鮎がかかってる!
ウッヒッヒ!

「どうやぁ?」「アカンわぁ〜。さっぱりやぁ〜。」その言葉にウソはなくて、朝から2人で何度も網を打っても10尾程度しかかからないらしい。去年はひと網で十数尾はかかってたというのに...昨夜の夕立ちで川の水位がかなり上がってることや、今年から設けられた段階的解禁が理由らしいのだが...去年は鮎に混じって多くかかったハヤやオイカワ、カマツカの姿もほとんどなく寂しい鮎網漁解禁日だ。

「それじゃ、もういっぺんやってみよか。」上流側にUおじさまが網を張り、下流側から横一列に並んだ僕らが鮎を追い込む。「おおっ、結構デカいのがかかった!」やっぱり人数が多いぶん、一回の漁で1〜2尾は捕れるものの、どうも調子が悪い。結局10回ほどの網で5〜6尾の鮎を捕らえただけで、午前の部は終了。
いつも本当に恐縮してしまうのだけれど、今日の昼食もUおじさま宅でご馳走になることに。Uおじさまのお父さんがドラム缶を溶接して作った特大BBQグリルに、これまたお父さんが作った炭を入れ、松阪牛!と今さっき裏の畑でAzuが収穫してきた野菜を焼きながら、ビール片手にお母さん&Yokoちゃんのおにぎりで戴く。ロケーションは↑の淵が見下ろせる広場。


デッカイぞぉ〜!

もう、漁はいいよ、このままゆっくりしたいっ!そんなのんびり流れる幸せな時間を打ち破るように、シャクリ竿を構えたMamaがつぶやく。「さぁ〜て、川に入るわよ!ほら、パパ、グズグズしてないでウェット持って来て!」本流とは違い、渓流の様相を見せるこの支流は水温が低い。ラッシュガードの上に3mmネオプレンのウェットを着込んだMamaは子供たちを引き連れ、淵へ入ってゆく。

淵に潜るMaakun
いよいよシャクリ漁開始!

AzuもPFDナシで大丈夫!(後方には漁に夢中のMama)

道路から見下ろす淵は、昨夕からの増水にもかかわらず素晴らしい透明度で、どこまでが岸辺でどこからが水中なのか境界がはっきりしないほど。水面下数十cmの岩に立つMaakunがまるで宙に浮かんでいるかのようだ。Mamaは竿を手にしたまま水深3mほどの淵を泳ぎ渡り、上流にある大岩の割れ目のような連続する瀬の落ち込みに潜って竿を構える。Maakunは1度淵に潜って深さを確認したあと、底の小石を拾ったり大岩から飛びこんだり“正しい川ガキ”遊びを楽しむ。今日はP.F.Dを持参してないAzuは淵の深さに恐れ戦きながらも、怖々淵に飛びこんで泳いでMamaを追う。「見て見てぇ〜!ライジャケなくてもふか〜くても泳げるのぉ〜!」あのね、Azu、泳ぎながらそれだけ大声で叫べたら余裕 だよ、君(笑)

「なんで、おまえはイヌかきなわけ?」実は彼女、スイミングクラブではクロール、背泳ぎで100m、平泳ぎも50mはイケる“泳ぎ達者”。なのに川では必ずイヌかきなのだ。「だって、クロールは時々鼻に水が入るでしょ?足が届かないところで息が出来なくなったら溺れちゃうもん!」彼女なりの危機管理(?)らしい(笑)

Mamaは終始無言でシャクリ漁に集中。魚影を求めて流れに寝そべったまま上流へ上流へと進んで行く。淵での遊びに飽きたMaakunが、誤ってMamaの上流に足を踏み入れようものなら、「バカッ!あんた何考えてるの!鮎が逃げるじゃないの!」3度ほど烈火のごとく叱られたMaakunは、唇を尖らせて渓流の斜面を藪漕ぎして道路に上がって来る。しょんぼりしたMaakunを慰めようと近づくと、彼の目には涙。「なんで怒るんやろ!Mamaの後ばっかりじゃオモロないわ。」薮漕ぎしたおかげで、彼のウェットには葉っぱがいっぱいくっついて、腰と肩にはカメムシとカミキリムシ、顔には蜘蛛の巣が光り、ご丁寧にも手のひら大の巨大な蜘蛛を頭のてっぺんに載せてるその姿に、思わず吹き出してしまう。「なんで笑うんやぁ〜!Papaまで...も、エエわ!」Maakunは完全にスネて山道を去っていく。


一応お決まりの飛び込み

Mamaあっちにいくわね!ま、待って〜

一時間後...

一時間が経過して、みんながすっかり着替え終わってもMamaの漁は続く。「もう、イイカゲンにしておけば...」道路からみんなが呆れた顔で見守るなか、岩の割れ目に這いつくばったMamaは漁を諦める様子は全くない。一時間半が経過し唇がすっかりパープルになったところで「ちょっと竿が長過ぎるのよね〜。」などと道具のせいにしながら川からあがるMama(笑)。獲物がゲットできなくても、要するに漁を楽しめたら満足な彼女なのだ。


1時間半が過ぎても川から上がらないMama。みんな着替え終わってるよ(涙)


真竹を切り出して節を抜くMaakun

「お〜い、男たちぃ〜そろそろ行くぞ〜!」
Uおじさまが軽トラックの運転席から僕らを呼ぶ。「は〜い!」Yと僕、そして一応男なMaakunが軽トラの荷台に乗りこむ。これから「流しそうめん」のための竹を切りに行くのだ。5分ほど山に入った場所で真竹を伐採し、6mほどに切って軽トラに載せる。家に戻り鉈で竹を半分に割り、金槌で節を抜いていく。三本の杭をロープで縛って台を作り竹を渡すと、流しそうめん装置の出来あがり!
意識してMaakunに仕事を与えるUおじさま。一人前に扱ってもらえてMaakunも嬉しそう。

僕らに加えて、Uおじさまの親戚、そしてご近所の皆様が勢揃いした庭先の竹の水路を、真っ白な茹でたてそうめんがサラサラと流れ下る。節を越えるたびに流れのスピードが弱まり、追いついた後続のそうめんとひとかたまりの玉状になって再び流れる...このファジーな「ゆらぎ」が本物の竹を使う流しそうめんの醍醐味だ。

軽い夕立の後、蜩がうるさいほどに鳴く夏の夕暮れ、早々と食べ終わって家の前の淵に釣り糸を垂れるYとMaakunの姿を横目に見ながら、僕らは飽くことなくそうめんを食べ続けた。

 

いつもいつもありがとう!>Uおじさま&Yokoちゃん&お父さん&お母さん


“超すっぱムーチョ!”で釣れる釣れる!

流しそうめん!
 


家に帰って、またまたシアワセ!!


 

 

 

道の駅から朝日が射し始めた熊野川下流を望む

 

8月14日 熊野川ダウンリバー いよいよ『紀伊半島の清流を堪能する夏休み』のマスターさん親子が銚子川に到着し、今日からマジコさんちも熊野に向けて出発する。僕はといえば、仕事場のパソコンでマジコさんのBBSをひとり悶々と見つめながらも、「いってらっしゃ〜い!!もう出発されただろうけど、三重県の空は快晴!!熊野川、三木里(?)を存分に楽しんで来てくださ〜い!! 」なんて書いてるだけ...。う〜ん、ウラヤマシイ!ん?待てよ...15日は鮎網漁解禁で家にもどらなくっちゃいけないけど、14日に日帰りでなら熊野川下れるかも...

思い立ったら吉日、じゃなく吉時間(笑)。早速、お昼に昨夕、九州の実家から戻ったばかりのともちゃんに連絡。
『お〜い、明日、熊野川下るぞ〜!』
『えっ!(絶句)まだ実家からの荷物が届いてないのに!...またビョーキが始まったのね(苦笑)』
...ってな調子で許可を取り、急遽『日帰り熊野川ダウンリバー』が決定!

マジコさんに連絡を取ると、明日のダウンリバースタート予定は8:00a.m.。...ってことはクルマの回送の時間を考えて7:00過ぎにはスタートポイント・熊野川町役場前に到着しなくては...。で、家に戻るなり異例の手際の良さを発揮して15分ほどでダウンリバー準備完了。


三和大橋をバックに漕ぎ出すマジコ艇

『好きなことしてる時は動きが違うわねぇ。』呆れられながら、おこちゃま並みに9:00p.m.就寝(笑)

当日。起床は3:30a.m.。子供達を着替えさせて、4:00、まだ真っ暗な我が家を出発、南を目指す。盆休みで交通量の多い高速〜R42を2回のコンビニ&“おむすび一郎”休憩のみでひた走り、6:50熊野川町役場前河原に到着。(2時間50分は新記録だ...笑)。フネを下ろし装備を全て積み終わった頃、ギンギンマジコ号、青空TAKE号、マスター号が次々と到着。挨拶もそこそこにクルマをゴールポイントに回送する。

「じゃ、ぼちぼち行きますか。」今回の旗艦マジコ艇の合図で、4家族5艇のカナディアンカヌー艦隊は夏枯れで水位が極端に下がった熊野川のザラ瀬をスタート。これまでに見たことがないほど水位が低く、流れの緩やかな熊野川。最初の難所「アキヒロ岩」も完全に干上がってぶつかるどころか触れることもできないほどだ。

マスターさんと優希くん
僕のバウにはマジコ家のお嬢さまが代わる代わる...

鏡のように凪いだ水面に映えるギンギングラマン

「ねぇ、泳いでもいい?」スタートから10分と経たないうちにMaakunが淵に飛びこむ。それを見たAzu、TAKE家シュンくん&タッちゃん、マジコ家はるひよかれんちゃん、最後まで躊躇ってた最年少マスターさんちの優希くんまでが川にドボン!あの〜、まだスタート地点が見えてるんですけどぉ...

「くっそぉ〜、ライジャケ着てると泳ぎにくいよぉ!脱いでいい?」Maakunが叫ぶ。水深4〜5mの川底がクッキリ見えてる淵でカヌーに乗ったままってことは最近の彼にはあり得ないし、P.F.D着たまま浮かんでるだけなのは拷問に近いはず。「自分で判断しろよ。」苦笑しながら許可すると、間もなく...「ウェット着てると潜れないよぉ!脱いでいい?」そ、それだけは勘弁してぇ。

熊野川の大自然を行くマスター's Cascade
お嬢さま河童たちがMamaのカヌーでひと休み

1kmも進んでないスタート早々の淵で半時間以上のタイムロス。だけど、子供達は誰一人ロスだなんて思ってない(たぶん大人もね...笑)

ひとしきり泳いだ後は、順調に川下り。カヌーマラソンでは沈が続出した道の駅下の瀬も、崩落岩のS字カーブも“♪な〜つの熊野川はサラサラ行くよ〜♪”ってな感じで沈の心配はない。
「ねぇ、Koukunと遊んだ滝の河原で、また遊びたいんだけど。」調子良く進み始めたと思ったらMaakunが、またまた良からぬことを口走る。ふと見ると目の前の左岸がその河原。
『今日は水量も少ないし、景色が違って見えるからバレないうちに通りすぎちゃおう...』作戦。
「おっ。見ろ見ろよ、カワセミだっ!」
「あの花は何だろう?」
必死でMaakunの注意を右岸に引きつける僕。


“サルゲッチュ”という技だそうです??

ウッヒャッヒャッヒャ

ところが、このコースは今年だけで3回目のMaakun。「やっと着いた!泳ごっ!」ちゃんと判ってるよ、コイツ(涙)
河原に着くなり、Maakunの先導で子供全員は河原の下流に流れ込んでる渓流探検に出発。しょうがないので大人達もビールをプシュッとやりながらのんびりモード。
「あの〜、もう2時間経過してるんですけどぉ...ちなみに4kmしか進んでないのにぃ。」
珍しく15分ほどで渓流探険から戻った子供達。ウッヒッヒと不気味な笑みを浮かべて登場したMaakun&TAKE家シュンくん、次なる要求は...「ねぇねぇ、もうカヌー乗らずにさぁ、このまま流れていいかなぁ。」
おいおい、イイカゲンにしてくれ〜。

宙に浮んでるようにも見える
早瀬に入るTAKEさんち

白見滝を右手に見ながら、5艇のカヌーと並んで流れる肌色の河童たち...今日の水温じゃ放っておけばこのまま河口まで流れていきそうな雰囲気だ。

しばらくするとちょっと顔を曇らせたMamaが近づいてきて僕に耳打ち
『ねえ、Papa、マジコさんたちダウンリバーの後で、キャンプサイトに戻って流しそうめんをするんだってよ!お昼ご飯もあんまり持ってきてないらしいし...このままじゃマズいんじゃないの?』へっ!?寝耳に水!そういう大事なことは早く言ってよ!水面に浮かぶMaakunを叱りつけ何とかカヌーに引き上げて、ちょっとお急ぎモードで漕ぎ始める。
水から上がった途端に、始まる子供達の『腹ヘッタコール』。飛雪の滝の手前ですでに昼を過ぎ、空腹も頂点に達したみんなの合言葉は...

「昼島へ行こう!」


ハラ減りで不機嫌なハンターのふたり


水面に広がる波紋の頂点には、昼島に向かって進むマジコ艇

 

行き当たりばったり、停滞と中断ばかりで予定通り進むことはまずない僕らのカヌーイング。綿密な計画の元にいわば“大人のダウンリバー”を楽しんでいらっしゃるマスターさんに申しわけないけど、「ツアーリーダー・マジコ&ガイド・aki」ではしゃあないな、などと妙に納得しつつグーグー鳴るお腹を押さえながらカヌーを進める。『腹ヘッタ!腹ヘッタ!』そんな声をBGMに大きな左カーブを越えると目の前に昼島が姿を現す。

高さ10m近くある河原を一気に駆け下りる小4コンビ
昼島の砂州に到着

手前の河原で子供達をカヌーから下ろすと、自由を得た子供達は蜘蛛の子を散らすように河原を駆け出してゆく。大人達は昼島の右に進路を取りカヌーを下流側に伸びる砂州に着ける。「はぁ〜着いたぁ〜やっと中間ポイントだ〜」溜息まじりにカヌーの積荷を解く頃には、「ドボムッ!」「バッシャ〜ン!」...すでに上流側の岩から男の子たちが飛び込んでる水音が聞こえてくる。女の子たちは入江状の瀞場でスイスイ水泳。大人達は砂州に腰を下ろしてビールをグビグビ(笑)

ここ昼島は、どんなに凝った作りの遊園地よりも子供達を夢中にする“自然が与えてくれた最高の遊び場”だ。「お腹ヘッタけど、我慢してココまで来てよかったね。」Maakunは超・ゴキゲン。


ココは天然の遊園地

ゆったりと1時間ほど休憩した後、僕らは再び川に漕ぎ出す。5分もしないうちに背後から雨雲が僕らに追いついてきて、熱く火照った僕らの体をクールダウンしてくれる。「キッモチいいねぇ〜!」天然のシャワーを浴び、左手に見える採石場の柱状節理岩の崖を眺めつつ、早瀬の流れに乗ったカヌーは高田川合流点に向けぐんぐんと川を下っていく。
...と、その時、先を進むTAKE艇がバウを上流に向け漕ぎ上がって来るのが見える。声は届かないけど、TAKE家全員が右岸方向に何やら合図を送っている。ん?高田川合流ポイントの少し上流のガードレールに茶髪の若者の姿...おおっ、よりちゃん!!急遽キャンプに参加することになったよりちゃんが、キャンプ場に向かう途中、川面に僕らを発見して川に下りて来たのだ。

雨の中よりちゃんとしばし歓談の後、僕らは再び流れに乗って川を下る。相変わらず、上流から雨雲が僕らに追いついてきては雨を降らせ、雲が去った後はまた夏の陽光が射し...を繰り返す。その度に蝉たちも鳴いたり鳴き止んだりと忙しそうだ。「さすが、紀州のお天気だなぁ。」変なことに感心しつつ、いつの間にやら僕のフネのスターンに乗り込んだMaakunに操船を任せ、のんびりと周囲の風景を楽しむ。

Maakunは今回初めて、大人用54インチのパドルを使っている。
『何っ、コレ!メチャメチャ進むし、メチャメチャ舵(ラダ−)が効くじゃん!』
ちょっと太めのシャフトに戸惑いながらも器用にグリップをクルリと返して得意顔。


パワーを得て嬉しそうなMaakun

「そのパドル、プレゼントしようか?」
「いや、いいよ。こんなに水の抵抗が大きいと腕がパンパンに張って続かないもん。だけど、流れのあるカーブとかでは借りるかもね。」
「チン●に毛が生えてきたら、ブレードの大きな新しいパドル買ってやるよ。」
「うぁ、エロいこと言うなよ!でも、来年ぐらいかな?でも、ビーバーテイルがいいな。」

すっかり一人前のカヌーイストの会話(笑)


桧杖の河原にてバウガールズ

右岸に国道のライトグレーのアーチ橋が見えると、間もなく正面に屏風のように切り立った千穂ケ峰が見えて来る。この山の南端にポッカリと口を開ける300m足らずの越路トンネルをくぐると、そこは東紀州最大の都市・新宮市の市街。まるで川端康成の「雪国」の冒頭のように...というかドラえもんの「どこでもドア」のように景色が豹変して驚く場所である。ここに生まれ育った人々にとっては当たり前のことなんだろうけど、市街地の裏手に人工物のほとんど見えない大河・熊野川が滔々と流れるなんて、本当に羨ましくて嫉妬さえ覚えるのは僕だけではないはず。

神倉神社のゴトビキ岩(熊野速玉大社の本来の御神体だと言われる)のちょうど裏手をエイペックスにした大きな左カーブを曲がり切ると、全く流れが無くなる。御船祭の舞台ともなる御船島前のゴールは間もなくだ。

ゴールポイントには、例によってジェットスキーの若者(...や元・若者)の姿が目に入る。一番手前にいたピンクのウェットスーツを身に付けた若いオネエチャンが、僕のバウに並んで座ったはるちゃん&Azuに笑顔で手を振る。

その瞬間、Azuは視線をそらして、下を向いてブツブツ...。
『どうしようかな、手を振りたくないんだけど、手を振らなくちゃイケナイし、うるさくて鳥の声聞こえなくなるから川で“じぇっとすき”はやってほしくないんだけど、川が虹みたいに変な色になるからイヤなんだけど、波の音聞こえなくなるから海でもイヤだし、でもおねえさんは優しそうで、おさるなオジサンじゃないみたいだし...う〜ん、困るんだけど、ちょっとだけ振っておこうかな。』
ふりふりと2回ほど手を振ってまた下を向くAzu。彼女なりに葛藤があるようだ(笑)

ジェットスキー軍団を回り込むようにカヌーを岸に着けると、ダウンリバーは終了。


千穂ケ峰をバックにTAKE艇

小口のキャンプ場でもう一泊するメンバーとはここでお別れになる。カヌーを積込んでいる間に、マジコさんとマスターさんがクルマを取りにスタートポイントに去ってしまい、挨拶が出来なかったのが残念だったけど、TAKEさんやマジコさんファミリーに見送られて16:30、僕らは家路につく。

「ねぇ、今日はカシータ牽いてないから、どこでも寄れるよね?」Maakun念願の紅梅堂と紀宝町・ウミガメ公園に立ち寄った僕らは、紅梅堂の鈴焼きをパクパク頬張りながらR42を北へ。お盆だというのに全く混雑の様子がないままに20:00、16時間ぶりに我が家に到着。疲れ果てた子供達は、リアシートでおねんね...なはずはなく、「じゃ、パパ、盆踊り行ってきま〜す!」と元気に近所の夏祭りに出かけてしまったのでありました。あ〜負けそ。

 

 

 

Kumanogawa Down River Aug.2002 Members

OldTown Cascade
Grumman DoubleEnd-15
OldTown CamperWG

OldTown Camper 100th A
OldTown Hunter

8月前半へ戻る

 

 

 

 

アンケートにお答えください!

 

_  _  _

 

Copyright 1998-2002 Akihikom.All right reserved

paddler@mac.com