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June.2002

 

 

6月22-23日 銚子川で鰻丼&モクズガニの味噌汁を味わう(キャンプinn海山) 


パドルが届かないってことは水深1.5m以上あるのか...。
信じられないけど、カヌーから下りたら足が届きません。
「魔法のように美しい」銚子川にカヌーを進める。

A「バカじゃないの?キャンプ行くからって学校休めるわけないだろ!」
B「でもさぁ、キャンプ行きたいんだもん。」
A「しょうがないなぁ...百歩譲って給食だけ食べずにお昼頃に帰るぐらいなら...」
B「やったぁぁ〜!ラッキー!イェ〜イ!!」

明日は土曜日だけど、子供達の小学校は研究授業の発表会とかで登校日。でも、都合があって今回を逃すと今度は来月末までキャンプに行けそうもない...で、親子でモメてる我が家なのだ。ちなみに冒頭の会話はAがMaakunでBが僕。普通は反対だろっ!って感じなのだけれど(笑)、僕は仕事で完全週休二日はおろか日曜日も休めない場合がある上に、Mamaの入院とかが重なって一般家庭の半分ほどしか遊びに出るチャンスがない今年の我が家なのだ。(ま、それでも安・近・短ながらそれなりに都合をつけて遊んでるんだけれどもね。)よく考えたら、キャンプで学校を早退なんて今度が初めてだし、まっいっか!(笑)
以前、黄門ちゃまとキャンプした時に「akiちゃん、キャンプで学校休ませるのは悪いことじゃないけど、絶対子供に『どうする?休む?』なんて判断を任せちゃいけないよ。マジメな子だと、休んだことを自分の責任に感じちゃってキャンプが楽しくなかったり、学校に行きにくくなったりするからね。」なんて聞いてたけど、我が家はその心配は無用だな...。

こうして迎えた6/23。学校にお断りの電話を入れて早退してきた子供達のランドセルを玄関先に投げ込み、名札を付けたままカシータを牽いたDiscoveryに彼らを乗せて13:20出発。直前に声をかけて朝から現地入りしてるUおじさま家&アキヒロ家が待つキャンプinn海山に向かう。(そういえば今日のメンバーはアキヒロ2名&アキヒコ1名のakiちゃんトリオなのだ!ちなみにUおじさまは“おじさま”と言っても僕の同級生。Maakunが生まれた時に『なんて呼ばせよう?』『Uオニイチャンってのも変やし...』

『Uおじさまで行こか?』ってな調子で彼は20代から“Uおじさま”と呼ばれてる。)
途中、クルマの中からUおじさまに電話すると...「もう、海山に着いてるよ〜。えっ、アキヒロ家?ああ、SUBARUのランカスターはカヌー降ろし場に停まってるけど...。」う〜〜アキヒロ家はもう、川遊びに入ってるよっ!クヤシィ〜!急がなければ!!」思わず右足のアクセルに力がこもる(笑)。
今回は新しいヒッチメンバーの初ドライブ。アメリカンなヒッチは妙なドタバタ感がなくスムーズな走りで詳しくは書けないほどのスピードで走っても、後ろにカシータを牽いてるのを忘れるほどだ。


最年少生後7ヶ月Kazuくん(Uの息子)

15:20キャンプinn海山到着!チェックインを済ませ、いつものA-1サイトではなくB-8という一番下流のサイトにクルマを入れる。(今回はアキヒロ家&Uおじさま家が新コテージ「馬越(まごせ)」に泊まるので、スタッフの方がコテージに一番近いサイトを選んでくれたのである。感謝!)
カシータをサイトに入れるとただひたすら設営作業。天気はいいけど前日も夜中ににわか雨があったりしたしたのでタ−プも必要だし、今回は我が家のサイトが焚き火を囲んでおしゃべりの会場になるので、焚き火台やチェアも並べないと...ほとんど誰もいない貸切状態のリバーサイト。Uおじさまの助けを借りて「急がなきゃ!急がなきゃ!」そうつぶやきながら黙々と設営作業。なんで、そんなに急がないとイケナイかと言いますと...今日のキャンプの目的が「ウナギ漁」だから(笑)。

前回ここに来た時に海山在住「謎のミヤマー」(海山町民ってコトね...笑)S氏からウナギ漁のお誘いを受けたので、今回は彼のコーディネートでちょっと早いウナギ捕りを楽しむためにここにやってきたわけなのです。(ちなみに今回、UおじさまとUの親父さんまでが櫛田川の鮎釣り解禁日だというのに『ウナギウヨウヨ情報』に釣られてやってきた!『鮎?ヤッパ鮎より鰻でしょう!』by Uおじさま...笑)。そのS氏との約束が16:00。なんとか30分遅れで設営を済ませ、キャンプ場周辺の銚子川で独自につけ針を仕掛けるという川漁のセミプロ・Uおじさま家を残して、堰堤の上流で川遊びを堪能して戻ってきたアキヒロ家と共にS氏の案内でまずはS氏のご自宅へ。

庭の生簀でお父様からウナギの捕り方や習性のレクチャーを受け、僕らのために昨日までに捕っておいて下さったウナギをプレゼントしてもらい(感謝感激!!)、そのまま町内某所へ移動しウナギ捕りの開始だ。
S氏のプロフィール、漁場、などは、ここに書くと問い合わせが殺到したりして迷惑が掛かるとマズイので書きませんけど、下の写真のように素人の僕&アキヒロさん&maakun&Koukunが、なんと餌要らず&タモ網2本っきりの道具で、ちゃんとウナちゃんをゲット!出来たのだから大したものです。
MaakunはS氏からウナギの掴み方を教わって、可愛い顔して頬をプクプク膨らませてるウナちゃんを袋に放り込む。Azu&Moeちゃんは、浅い場所でカニを捕まえて大喜び。ウナギをゲットした後は、巨大なロングサイズのシマヘビ君が器用に川を泳いで行くのを発見し一同またまた大喜び。とにかく素晴らしい夕暮れを過ごすことができたのだった。


川を渡る巨大なシマヘビ!
波紋と比べるとその大きさが分かる。 

ウナギ捕り 


仕掛けの両側を網で押さえて

そ〜っと持ち上げ...

いる!いる!

ニュルニュル

やった〜!

ウナギの掴み方の見本

 

今回の漁法について

後日Sさんから許可いただいたので書いちゃいます。誰でもウナギを捕れる方法...それは...

1.塩ビのパイプを1mぐらいに切ります。
2.ウナギのいそうな所に沈めます。
3.時間を置いてタモ網を2本でパイプの両端を押さえ引き上げます。
4.あらあら不思議、ウナギちゃんが捕れます。
以上!(笑)

餌も面倒な釣り針も不要だし、引き上げは明るい方がいいので昼間でもOK。バシャバシャ近づくとウナギちゃんは逃げるどころか余計にパイプの中に逃げ込んでじっとするので子連れでも楽しめます。試しにs氏のお庭の生簀にパイプを沈めてみると、数秒で全てのウナギがパイプに逃げ込みます。明るい場所が苦手なウナギの習性を上手く利用した漁法に感心してしまいました。


焚き火を前に小学生は何を語り合うのか...

大人の時間(笑)

バケツに充分な数のウナギを入れて、僕らは再びキャンプサイトへ。つけ針とカニかごを仕掛け終わったUおじさまと再び合流する。「ここの川ってさぁ、ホンマ綺麗やなぁ。」Uおじさまも興奮が覚めやらない様子。「あっ、エエ場所見っけ!って腰ぐらいの深さやと思って川に飛び込んだら、背が足りへんでビックリしたわぁ。」Uおじさまの言うように、銚子川はあまりに透明なために水深の目測が狂って溺れそうになることがしばしばある。そんな失敗は元・川ガキの僕だけかと思ったら、一年中川で漁を楽しんでる現役・川ガキのUおじさまでも同じだなんて...銚子川おそるべし!

夕暮れが迫るなか、焚き火を熾し焼肉BBQをツマミにキンキンに冷えたビールで乾杯。子供たちは前もって仕込んでおいたサーマルクッカーのアツアツご飯をモリモリ食べる。いつのまにか焚き火台の周りには生後7ヶ月のKazuくんを寝かしつけてるUおじさまの奥さん・Yokoちゃん以外全員が集合(Yokoちゃん、Kazuくんがもう少し大きくなったらみんなで交代で面倒見るからね!)。焚き火台の周りはいつになく賑やかで楽しい時間が流れる。


夕暮れのキャンプサイト(ワンパターンですが...)

「そろそろ行きますか?」夕食が一段落ついた頃、誰からともなくテナガエビ漁への誘いの声が上がる。オデコにヘッドランプ、右手に専用タモ網、左手にバケツの完全武装でキャンプ場内を移動する異様な大集団(笑)。ところが今回は去年あんなに入れ食い状態だったポイントでもテナガエビの姿は見られない。「今日は月夜だから、恥かしがりやのエビちゃんは出てきてない。」(byスタッフOさん)とのことで釣果はゼロ。
がっくりと肩を落としサイトに戻ると、みんな疲れが出たのか焚き火には集まらずそれぞれのねぐらに戻ってしまい(笑)、結局、焚き火台の前には僕と今夜は非番のスタッフOさんのふたりきり。スタッフOさんの語るキャンプ場秘話、海山の魅力、子供の頃の野遊びetc...歳もほぼ同じだし、山と海との違いこそあれ自然に親しんで育った子供時代、そして初めての一眼レフがOLYMPUS OM-10だってことろまで同じだったりして、話が弾んで気がつけば午前2時前。ナンボナンデモ寝ないとマズイってことで焚き火トークはお開きとなった。


テナガエビ漁は月夜のために不調

カシータに戻ると何故かまだ起きてるMama。「焚き火の前に行こうと思ったんだけど、窓からふたりの会話が聞こえてきて...男の会話ってどんなのだろうって、ついつい盗み聞きしちゃった!(笑)」えっ、聞いてたの?マズイ話はしてなかったよなぁ...してなかったですよね、Oさん?(僕が軟派でOさんが硬派だった話あたりがヤバかったかも...)


Azuによると、これはウナギの“ウナチビちゃん”
えっ、名前つけちゃったの?喰えなくなるじゃん!!
あ〜あ...
でもこいつだけはさばく直前に自然に帰してあげたらしい
Sさん、せっかくのウナギなのにゴメンなさい...

 


 


友人Uが昨日仕掛たカニ篭を上げると...

一夜明けて、キャンプinn海山はあいにくの薄曇りで肌寒い。Uおじさまが昨日の仕掛けを引き上げに行くと言うことで、僕とAzuはいそいそとウェットに着替えて堰堤に向かう。(昨晩はあんなに夜更かししたってのに、あんたも好きねぇ)つけ針は餌がほとんど全部食われてたけど残念ながら釣果ゼロ、そしてUおじさまが朝の冷たい川に入ってカニかごを引き上げると...「おおっ!入ってる!」黒っぽいカラダに大きなハサミ。ハサミにはワサワサと揺れる「モズクのような」体毛...2つのかごで合計5匹のモクズガ二!!思わず味噌汁の中で真っ赤になったカニちゃんたちの姿が頭に浮かんでヨダレが...ジュルッ!(笑)

カニさんたちを持って意気揚々とサイトに戻ると、Mamaがフレンチトーストを焼き始めてて、さっきまで寝てた子供たちも、さっさとウェットスーツに着替えて川へドボン!状態。「おいおいメシも食わずに水泳大会かよっ!」

朝食をすませると、いよいよ昨日のウナちゃんたちをさばく「お料理タイム」の始まり始まり。Uおじさまの親父さんのKazuさん(アレレ、孫とおんなじだ!そう言えば我が家のじいちゃんもMaakunだな...笑)はクルマから板と錐を取り出して「久しぶりだからなぁ。」などと謙遜しながらも慣れた手つきでウナちゃんたちをさばいていく。「うぁ、キモ〜い!」とどこかにいなくなるお兄ちゃんコンビに対して、妹コンビはニコニコ笑いながら興味深げに見ている。
「Uおじさまのお父さんがウナギをさばいてくれるだろ?そのウナギを焼く炭も、あのお父さんが作ったものなんだよ。」そんな僕の言葉に思わずKazuさんを尊敬の眼で見上げるAzu&Moeちゃん。(Kazuさんの炭は地元物産品コーナーで名前入りで売られてるほど有名な炭なのだ!)


立派なモクズガニが5匹も!

全てのウナちゃんがさばき終わると、いよいよ僕が串打ちをする番だ。以前「盾干し」でゲットしたウナギを串打ちした時に皮が異様に硬くて、たった3尾なのに「串打ち3年」ならぬ「串打ち3時間」だった(涙)僕だけど、今回のウナちゃんは天然モノだからか皮が薄くて楽だ。道端に生えてるヨモギの葉っぱで手のヌメリをとって串打ちは10分ほどで完了。

ウナギちゃんたちの運命は...


友人Uの親父さんの手で...

串打ちは僕が

タマランたまらん!

ここで本当に何から何までお世話になったUおじさま一家が、親子三代水入らずで紀州観光に出発するということでお別れとなる。U一家にお別れを告げた後、いよいよお待ちかねの昼食の準備が始まる。焚き火台にKazu炭を入れ、火を熾して最初はさっと近火で、あとはタレをたっぷり塗りながら、じっくりとあぶるように焼いていく。
3本の串で扇のように開かれたウナギからは静かなジューという音、時折垂れるタレが真っ赤な炭に落ちてジュワン!ジジジという音が響くたび、香ばしいなんとも食欲をそそる香りがあたりに立ち込める。

モクズガニちゃんたちの運命は...


ちょっと色黒(^^)

茹でると段々色が変わって...

おおっ!真っ赤っ赤

隣ではMamaが「あ〜っ!」だの「ぎゃ〜っ!」だの言いながらモクズガニを熱湯の中に放りこんで味噌汁作り。「熱いでしょうねぇ...」とMama。カニさんに同情してどうすんだよっ!(笑)熱湯の中でみるみるうちに赤く色が変わるカニさん。

12:00、全ての準備が整って、いよいよ今回のキャンプのメイン料理「鰻丼&モクズガニのお味噌汁」を頂く瞬間。「いったっだっきま〜〜す!」「ウマいっ!」「ちょっと骨っぽい?」養殖ウナギに慣れた僕らにとっては少し歯ごたえがあったけど(笑)、噛みしめる度に口に広がる「野生の川の味」は最高!!味噌汁の方は...分量の割にモクズガニ五匹は多かったみたいで、ちょっと濃厚すぎたかな?「チュルチュルチュル!」カニ味噌を吸う音があちこちで響き、またたく間にランチは終了する。


本日の昼食は...鰻丼&モクズガニのお味噌汁(濃いっ!!)


 


お待ちかねの堰堤ウォ−タ−スライダ−!

 

さ〜て、遊びましょうかぁ!ランチが終わるとアキヒロ家も我が家も、早く遊びたくてウズウズし始める。「遊んでる最中にここに戻るのイヤだし、今からサッサと片付けちゃいましょうよ!」Mamaたちの提案で撤収開始。30分ほどで全てをカシータに積みこんで、何かに追いたてられるようにカヌー降ろし場へ。堰堤に目をやると、久々にオーバーフローした堰堤で子供たちが「堰堤ウォータスライダー」を楽しんでるのが見える。

本当はウェットスーツが痛むのでヤメテ欲しいのだけれど、子供たちのこの上なく楽しそうな顔を見ると「まっいいかな。」なんて自分を納得させる。(...ことにする。すぐに身体が大きくなって着られなくなるキッズウェットスーツだけど、破れてボロボロになるほど使う子供たちってのも珍しいだろうしなぁ。)


泳いで遊び場に向かうMaakun&Koukun

カヌーを下ろし終えたところで、飽きずにウォータスライダーを楽しむ子供たちを全員集合ホイッスルで呼び集めて上流に向けて漕ぎ出す。
Maakun&Koukunのお兄ちゃんコンビは「泳いでいくからカヌーはいいよ。」と静かな川面に水鳥のような波紋を広げながら上流の岩場へ向け泳いでいく。相変わらず透き通った銚子川は今日の曇り空にもかかわらず、3m、いや5mの淵の底にある小石までがくっきりと見えて怖いほどだ。

「川底に竜宮城があって、乙姫さんがいたりなんかしたら『イヤン、見ないでぇん!』なんて恥ずかしがるよな。」などと横を泳ぐMaakunに言ったら、「なんで?乙姫様は服着てるだろっ?それに川にいるのは河童だし...」と手足を動かして泳ぎながら冷静に呆れられた(涙)。

今日の僕のパドルは先日買ったばかりのベントシャフト。このブレードに角度が付いた奇妙なカタチのパドルは超・初心者の頃に使ったことがあるけど、実際にソロでじっくり使うのは今回が初めてなのだが...『パドルの革命』と呼ばれただけあって、これが妙に使いやすい。水面へのファーストタッチが非常にマイルドなのは勿論のこと、ほとんど引き手は添えるだけでグイグイとカヌーが進み、しかもJストロ−クもスターンプライも自由に出来る。そして何より感心したのが、ブレードの角度がシビアなインディアンストロ−クが全くもってスムーズでこの静かなバックウォーターでさえもほとんど水音が出ないのだ。Mamaやアキヒロさん、いずみちゃんにも試してもらったけど、その印象は全く変わらない。


曇り空なのにこの透明度

ホワイトウォーターでは使いこなせないかもしれないけど、僕らのような軟弱フラットウォーター派には嬉しいパドルだ。「$99はちょっと高いわねぇ。もう少し安いのがあるの?じゃ、ワタシそれにするわね。」誰も買うなんて言ってないのに、Mamaは当然のように言い放つ(笑)。『ともちゃん様ぁ〜、Bending Branches Special bent-shaft Canoe Paddle/Price: $ 65.00お買い上げぇ〜!』(by REI.COM)


カヌーはちょっとしか乗ってない?

テナガエビを狙うともちゃん

カヌーがいつもの岩場に着くと、アキヒロ夫妻はゴーグルを着けてタモ網を手にいきなり河童に変身だ。我が家の奥様もそれに続く。全く泳げない(『失礼な!12mぐらいは泳げるのよ!』と本人談)Mamaがガンガン水に飛び込んで行くのは銚子川のマジックか?Maakun&Koukunはいつものように大岩登りや飛び込みを繰り返す。Azu&Moeちゃんは川の水草を集めてオママゴト...曇り空で涼しい風が吹く今日は少し足を浸けるだけでもヒャ−って声が出るほどなのに、結局一時間以上川に潜りっぱなしで子供ばかりか大人まで紫唇になったところでタイムアップ。「ラ、ラーメン、タ、タ・ベ・タ・イ...ブルブルブル」

キャンプinn海山のスタッフの皆さんに挨拶をしてキャンプ場を出たのは17:00。アキヒロ家のランカスター、そして我が家のDiscovery...それぞれのクルマは短いクラクションの音とともにパーキングから北へと延びるR42に滑り込む。
「何だかバカに忙しいキャンプだったけど、楽しかったよな。」ステアリングを直進に戻しながら僕が誰にでもなく尋ねると...ブランケットをかぶった3人はサイドウィンドウに身体を預けて既に眠りについていた。「本日、皆様のご旅行のお供をさせていただきますドライバーはパパでございま〜す。」僕はバスガイドの物真似をしながら独り言を言って、スピーカーから鳴り響くUtada Hikaruのボリュームを少しだけ絞った。
夏至の空はまだまだ青く明るい。日が暮れる前に家に着けたらいいな。僕は眠気覚ましにパチン!と自分の頬を叩いてDisco&Casitaを走らせた。

 

岸辺の花が水面に映って...

 


 

 


林道を行くランカスター...惚れます(笑)

6月9日 櫛田川「宮の谷渓谷トレッキング」「今度は熊野古道・馬越峠トレッキングかな?」GWの熊野川でアキヒロ家とそんなことを言って別れて、はや一ヶ月。そろそろアキヒロさんに電話しようかな、なんて思ってたら、しっかりママたちが携帯電話ネットワークを駆使して行き先が決まってた(笑)
今回のトレッキングは櫛田川上流「宮の谷渓谷」。三重国体の山岳競技の舞台にもなった池小屋山登山口にあたり、最近再整備されて素晴らしい渓谷美を楽しめるコースとして人気を集めているらしい。「大丈夫かしら?」今年初めに右足を手術して、先月末まで2週間の入院生活を送っていたMamaがちょっと不安げ。「普通の生活はできるけど、まだ元の体力になってないし...」あのね、向かい風の古座川や瀬だらけの熊野川をソロで漕ぎ通して「まだ遊び足りないわぁ〜。」なんて言う人は、少なくとも普通以下の体力じゃないと思うんですが...(笑)
連日熱戦の続くワールドカップ。前夜も「明日は日帰りだし、準備なんて必要ないもんね。」そんなこと言いながらテレビの前に陣取って大騒ぎしながらテレビ観戦。そんな時、ふと選手の足元に目がいって...「ああっ!トレッキングシューズ!!」サッカー観戦を一時中断して子供たちのシューズを1年ぶりに出してみる。Azuの足はそれほど大きくなってなくて何とかOK。Maakunは...入らない!キツイとかつま先が当たるとかいうレベルではなく、全く入らない。うわぁ、これ21.0cmだよぉ。今、Maakunは23.0cm(涙)。キンキンに冷えたビールをもう一度冷蔵庫に戻して、Maakunとふたり閉店間際のショッピングセンターへ。「いいか、もうあんまり時間がないからな。お店ですぐに試せるようにクルマの中で靴下を履いておけ!」「わかった!」暗闇のなかでモゾモゾと靴下を履くMaakun。ところが...「パパ、靴下の履き方忘れちゃったよぉ。」と泣きが入る。そう、Maakunは1年を通して「ソックスレス」(笑)スノーシューの時とトレッキングの時以外は、真冬も「素足にサンダル」スタイルで、最後に靴下を履いたのは去年5月の伊勢山上トレックらしい(笑)。まあなんとか靴下を履かせて、靴屋でSALOMONのレディース用軽登山靴23.5cmをゲット。ホッと一息。


宮の谷渓谷絵地図(提供:飯高山岳会、観光協会)

 

6月になって雨のない日が続き、今日も晴天!「特に今日の青空は青が濃い気がするなぁ。」MaakunがDiscoのサンルーフから空を見上げて嬉しそうだ。午前9時、R166沿いのコンビニでアキヒロ家と待ち合わせ。コンビニでお菓子を選んでいると、ほどなくアキヒロ家のランカスターがパーキングに滑りこむ。

「おはよ〜!」挨拶をしつつ、「あっ!」僕らの目はアキヒロ家のMoeちゃんの服装に釘付けだ。ブルーのデニムパンツ(ブーツカット)、ピンクのmont-bellティーシャツ、頭には赤いペイズリーのバンダナ...申し合わせたワケではないのに、AzuとMoeちゃんが偶然にも同じ格好なのだ!しかも背の高さや髪の長さ&スタイルもほぼ同じなので、後姿だと全く見分けがつかない。
僕が「あ〜ず!」って冗談で抱きしめたらMoeちゃんだったり、Maakunが「こらっ、Azu!」って頭をどつきそうになったらMoeちゃんで気まずい雰囲気だったり。
兄や父が間違うほどだから、登山道で出会った人に「お嬢ちゃんたち、いくつ?」「7さ〜い!」「どっちがお姉ちゃんなの?」「おんなじなの。」「???」なんて双子と間違えられるのは当然かな(笑)


確かに双子に見えるな...

ランカスターに先導されて、国道を1時間ほど走り林道に入って5分ほどで、登山口に到着する。すでに駐車スペースにはなにわや和泉といった県外ナンバーのクルマがずらりと並んでいる。僕らの2台を停めると、その時点で駐車スペースはいっぱいになってしまうほどだ。手早く準備を済ませ10:30登山口を出発。


透明な淵に木漏れ日が差し込んで...

長橋は何故か手摺が片側にしかない

岩にへばりつくように設けられた回廊

良く整備された砂利道を数分歩くと真新しい鉄製の階段や橋が次々と現れる。5分ほどで右手に初めての小さな滝が。ここでMaakunが早くも岩から落下して膝下ずぶ濡れ(笑)。
登山道沿いに、ゆっくりとしたペースで進むと5分ほどで道が二つに分かれる。左の犬飛び岩を見た後、Uターンして再び右の登山路を進む。そこからしばらく行くと鷲見岩展望所のはずだが、現在(2002.6.9)登山道が崩落していて沢沿いの迂回路を通ることになる。北山川の亀岩、宮川の鯨岩、七里御浜の獅子岩...岩フリークのmaakunは鷲岩が見られなくて残念そうだったけど、美しい沢で遊べる臨時の登山路もなかなかいい感じ。ザックを下ろして汗ばんだ手を澄みきった渓流にひたすと生返ったような爽やかな気分になる。
沢沿いから階段を上って再び登山道に戻ると、すぐに蛇のように屈曲を繰り返す小さな滝が連続した流れ・蛇滝を見下ろすポイント、天にそびえる巨岩・六曲屏風岩(ヘイフーイワじゃないよ、Maakun...笑)と麓に咲く真っ赤なヤマツツジ、と非日常な景勝が連続する。
苔生した岩を包み込むように根を張った老木の脇を通って急な階段を登ると、そこからは崖に張り付くように設けられた長い回廊、そして手摺の赤が周囲の濃い緑に映える長橋と続く。

何故か怖くない
小さな滝の前のママたち
休憩タイムも岩登り

長橋を渡りきった所が岳魂碑が建つ風折滝と高滝の分岐点・立合ポイントだ。ここからは渓流と一旦別れ、急な上りが続く。とは言ってもここからゴールの高滝までは20分ほど。子供たちの「腹ヘッタ」コールをなだめすかしつつ、最後の鉄製階段を上り切ると、いきなり目前に高滝が姿を現す。
12:10高滝到着。
半月以上も雨が降っていないというのに豊かな水量を誇る高滝は、高低差60mを乱れることなくほぼ一筋の白い線のように流れ落ちる美しい滝だ。木々の間から垣間見える眩しい空。
昼なお、ほの暗い苔に覆われた滝壷。まるで空の眩しい光が溢れ出て暗い滝壷に流れ落ちているような錯覚に陥る。登山道脇の絶好のビューポイントにザックを下ろして「お疲れサマ」の言葉も忘れてお弁当タイム。


力を合わせて岩登り...でも、この後...
つづきは↓で明らかに

苔生した岩を包み込むように根を張る木

沢沿いには美しい花が咲き乱れる

食事を終えると子供達は「猿飛エッちゃん」(知ってる?)並みのジャンプ力でぴょんぴょんと岩の上を跳ねるように滝壷から続く岩場を跳び回り、「洞窟見つけたよ〜!」「へびの抜け殻見つけたよ〜!」と大ハシャギ。時々岩から沢に落下して下半身をずぶ濡れにしつつもご機嫌麗しい。大人達はそんな子供達の姿を眺めつつ、滝から流れて来るマイナスイオンのミストを浴びながら(笑)のんびりおしゃべり。アキヒロさんが、沢水を汲んで淹れてくれたホットコーヒーがタマらなく美味しい!!下界は梅雨入り前の蒸し暑い気候だというのに、ここは長袖が必要なほど涼しい別天地だ。


高滝KIDS♂

2時間ほどをこの幽玄の世界で過ごした後、どこかヘ行って行方知れずな子供達をいつもの「全員集合ホイッスル」でかき集め、まだ遊び足りなくてブーブー文句をたれるMaakunの首根っこを掴んで下山の途につく。
最初の15分、腕に巻いたCASIOプロトレックの高度計は、着陸寸前のジャンボジェットのモニター画面のようにぐんぐん数字が小さくなっていく。
帰り道も同じ道筋を通るのだが、逆方向から眺める景色は午前中とは光の射し方が違うことも相まって、全く別の場所のように感じる。


高滝KIDS♀

ビロ〜ン!ヘビの抜け殻発見!

往路と同じくく沢のそばで何度も長い休憩を入れつつ、15:00登山口に到着。往復約4.5kmのトレッキングを終えた。

トレッキングを終えて、さあ、サヨナラ...にはならないのが最近の僕ら(笑)。林道を下り、蓮ダムをぐるりと周回する細い道をハイアベレージな速度で走りぬける二台の4WD。全開の窓からは壮大なダムの景色。吹き込む湖を渡る涼やかな風が頬を撫でる。

10分ほど走って、僕らが到着したのは櫛田川〜奥香肌峡随一のリゾート施設「ホテル・スメール」。宮川の「フォレストピア」と同じく、天然温泉と遊戯施設を兼ね備えた自然志向のゲストにも好評なリゾートホテルだ。

実は我が家は今回が2度目。前回来たのは1991の秋。ボタン鍋を楽しみに来たにもかかわらず、2cmのMaakunをお腹に抱えて(笑)いたために、つわり&クルマ酔いで温泉もボタン鍋も楽しめなかった苦い経験だった。ホテルの駐車場にクルマを一旦入れたけど、「やっぱりローラーリュージュやってみようよ!」ってことで、再びクルマに乗ってリフレッシュパーク(山上公園)へのリフトへ向かう。(ちなみにリュージュに乗りたいと言ったのは、大人だけでした...笑)

リフトではしゃぐアキヒロ夫妻
セルフポートレイト(こんなことするの15年ぶり?)

ローラーリュージュとは、車輪の付いたソリのような乗り物に乗って専用コースを自由に滑り降りるNZ生まれのリュージュに似たスポーツ。
乗り放題¥300也のスカイチェアという名前のモーター内蔵式リフトに分乗して約100m上のスタートポイントへ。レンタルのヘルメットを身に着けて、各々がリュージュに乗車(身長140cm未満のAzuとMoeちゃんはそれぞれのお父さんのリュージュに同乗)。

簡単なレクチャーを受けて、いよいよ全長830m高度差96mのコースへと滑り出す。
ハンドルを引くことでパーキング〜ニュートラル〜ブレーキを変えられるのだが、ニュートラルのままだとすぐに時速60km(カートと同じく視線が低いぶん体感速度は120kmと同等らしい)に達する。高速コーナーやヘアピンが連続するが、20〜30度のバンクになっているのでかなり高速のまま進入してもコースアウトすることはないそうなのだけれど、恐怖感に負けてついついハンドルを引いて減速してしまう。
「ぶつかったらAzuチョップ10000回よっ!」股に挟んだ(笑)Azuが何度も何度も警告してくる。まるで昔のクルマに必ず付いてた速度警告ベルのようだ(笑)。なんとか転倒&コースアウトすることなく麓のゴールに到着。


子供のようにはしゃぐMama

特殊効果入れないと止まって見える(笑)Maakun号

続いてアキヒロ&Moe、Koukun、いずみちゃん、Mamaが続々とゴールに入る。
...ところが、いくら待ってもMaakun号が来ない。『もしかして調子に乗ってスピード出しすぎてコースアウトしてるんじゃ...』心配しながら待つこと3分。みんなから大幅に遅れてMaakun号確認!
リュージュというより三輪車のような低速で僕の前を通り過ぎるMaakun号。「大人はさぁ、ふだん自動車運転してるから上手かもしれないけど、僕らは初めてだからドウノコウノ....」言い訳してるよ、コイツ。
聞けば、どうやら途中のバンクで3回ほど止まっちゃったらしい...普段は豪快な悪ガキのフリしてるけど、本当はすっごく小心者なMaakunなのでありました...(笑)

 

リュージュの後は、お待ちかねの温泉で今日の疲れを癒す。奥香肌峡の優しい山並みを眺めながらの露天風呂は、もう最高!(意外にも、お湯がなかなか良い!)温泉でさっぱりの後はいよいよアキヒロ家とお別れ...にはならなくて、奥様方の強い強〜いご希望で夕食をご一緒することに(笑)

今日のディナーは森の中のログハウスレストラン「富夢想野」。ヒゲのマスター手作りの特製ベーコンをツマミに生ビールで乾杯(ビールは奥様たちだけ...悔しい!!)。初夏の夕暮れのアウターデッキ。風呂上がりのカラダに涼やかな風が心地よい。気さくなマスターに櫛田川ダウンリバー情報を尋ねると、とても親切に対応してくれて、しかも「うちの駐車場にクルマ停めてっていいからね。」なんてアリガタイお言葉も。
そんなわけで、ワールドカップの対ロシア戦も始まるし、そろそろ帰ろうかってことになって、アキヒロ家ともお別れ...のはずが「櫛田川ダウンリバーのスタートはココにするとして、ゴールも下見しておこうよ。」とパパ達(笑)。


ログハウスレストラン「富夢想野」

呆れる奥様方を尻目にパパ二人は、嬉々としてゴール好適地の奥香肌林間キャンプ場に向かう。薄暗く閉鎖状態の誰もいないキャンプ場を下見したあとは、次回のお遊びの約束を済ませホントに本当にお別れ(笑)。

「急いで帰ればワールドカップに間に合うな!」僕はDiscoのトランスミッションをスポーツモードに切り替え軽くアクセルを踏み込む。夕暮れを迎え、すでにブルーがかった櫛田川の風景。ほどなくお疲れモードのMamaと子供達の寝息が車内に聞こえ始めた。

「むにゅむにゅむにゅ...ぶつかったら...あずチョップ...よっ!」


高滝(60m)

 

【参考資料】櫛田川上流部(飯高町・富永〜田引頭首工)はこちら

 

つづき


結局Azuは立ち往生。見かねたお兄ちゃんたちがレスキュー(笑)
それを冷静に写真に収めてる父親って???

 



青い空にそびえる真っ白な風車・・・デカい!

 

 

6月2日 梅もぎ(?)いよいよ宮川の鮎釣り解禁!*注1これからしばらくは川下りは自粛な我が家。ここのところカヌーばかりでちょっと飽き飽きしてきてるので、今日は家でのんびり過ごそうってことで9時まで珍しく朝寝の日曜日だ。でも、寝室の天窓から見える青空が僕らを呼ぶ呼ぶ(笑)。寝ていられなくてリビングに顔を出すと、僕以外はみんな着替え済み。しかもアウトドアというよりもどちらかと言うとリゾートっぽいウェアに身を包んでいる。なんか、魂胆がありそう...


木漏れ日の中をゆく Photo by Maakun

「ね、パパ、お墓参りに行きましょう。」
「お墓参りにしちゃ、なんか雰囲気違わない?」
「バレた?(笑)実家のそばのリゾートホテルのハーブガーデンでカモミールが満開らしいのよ。」とMama。
「ボクは風力発電が見たい!」今、学校でソーラーカー作ってて電気に興味のあるMaakun。
そして僕は...「お墓参りに行くんだったら、うちの山の梅がちょうどいい頃だし、取りにいこう!」「梅っ?梅って木になるの?」Azuは梅の花は見たことがあるけど実は見たことがない(笑)
実はこの3ケ所はクルマで10分程度の至近距離。今日は一年に何度もないようなオープンカー日和なので、久々にPUNTOちゃんのルーフを開けて初夏のドライブだ。

我が家の裏山を越え。国道から脇道に入ると、細いワインディングロードが続く。緑のトンネルを何度もくぐる僕らの“トップレスブルー”ことPUNTO。木々の隙間から時折見える伊勢湾、そして知多半島を眺めながら見る見るうちに標高500mを超える。(こんな時には高度計の付いたCASIOプロトレックが大活躍。)
PUNTOのざっくりと織られた青いシートには初夏の木漏れ日が差し込んで、まさに「森林浴」気分だ。
「あっ、鹿!」昼間だというのに、目前を大きな雌鹿が横切って思わず急ブレーキ。「Discoveryだとサファリパ−ク気分でいられるけど、コレだと屋根がないから何となく怖いね。」ガードレールの隙間から谷に下りて行く鹿を見送りつつ、サルの軍団が現れたらどうしようってちょっと不安になる僕らだった。


この直後に鹿出現!

トップレスブル−と風車

山坂道を10分ほど走ると、突然目の前に巨大な風車が姿を現す。「でっっけぇぇぇ!」Maakunのオドロキはもっともだ。ここの風力発電施設のオランダ製の風車は、タワーの高さ50m、羽根の直径50.5m、最頂部までの高さ75m!そばで見るとまさに「でっっけぇぇぇ!」(笑)
4基の巨大な風車がグワングワンと回る姿は大迫力で見る者を圧倒する。これだけデカいとドン・キホーテも戦意喪失だろうなぁって感じ(笑)。
(ちなみに我が故郷の裏山の名前は「笠取山」。ここは若狭湾から琵琶湖を経て、伊勢平野から伊勢湾へ抜ける“風の道”になっていて、この名前は江戸時代にここを通る旅人がみんな衰笠を飛ばされないように笠を取ったという故事に由来する。年間平均風速7.6m/sが記録されている本州有数の強風地帯で、風向きも、夏は南東、それ以外は北西と安定していることから風力発電の好適地なのだ。
近い将来あと12基の風車が建設される予定。現在4基でH市の電力の16%を賄っていて、20基になると年間4000万kw、つまりH市の電力の80%がこの風力発電施設で作られることになる!!)


Fasten seatbelt!!

屋根がないとキモチいいねっ!

第4風車のふもとには見学者用のパーキングスペースと休憩所が準備されているので、そこにPUNTOを停めてしばし見学。風車もいいけど、ここから見る伊勢湾の眺望は素晴らしい。
屋台でかき氷を買って高原道路をしばらく走り、別荘地を抜けて、子供の頃祖父が「オレがつけた道なんじゃ!」と自慢してた(笑)山道を10分ほど下り「オレが架けた橋なんじゃ!」と自慢してた(笑)橋を渡ると、懐かしい僕の故郷に着く。
まずは渓流で水を汲んでお墓参りを済ませた後、いよいよ我が家の梅の木で「梅もぎ」を始める...といきたいところだが、道路際の目立つ場所にある我が家の梅は手の届く範囲は既に誰かに取られてしまって、美しく熟した実は木の上の方にしか残っていない。●代目当主の僕と●+1代目当主のMaakunに無断で梅を取るとはケシカラン!...と悔しがってみても、梯子もロープも持参していない僕らはしょせん“さるかに合戦”のカニさん状態。
そんな時、一匹のお猿さんが現れて一言。
「ねえ、木に登ってもいいかなぁ?」...モンベルのTシャツを着たこのお猿さん、普段は小学校で「危ないから木登りしてはイケマセン!」って言われてるので木登りを自粛しているものの、実は人並みはずれた木登りの才能があって、 2歳の頃から木登りを始め、「煙とナニヤラは高いところにのぼる」の言葉通り、近所の木はほとんど制覇しているツワモノなのだ。


ウキキキキィ〜

キレイな梅でしょ?

(小さい頃「なんで木に登りたいの?」と聞かれ「だって、ここに木があるから。」と答えたのは有名な逸話...でも最近彼にもかなわない木登り名人に出会ったらしい。「だって、あいつ『サルスベリ』でも登っちゃうんだもん」それは誰?あなたの息子ですよ、TAKEさん!...笑)
「いいよいいよ、登ってみてよ。」家族の期待を背にお猿さんは片手にコンビニ袋を持ってスルスルと梅の木に登って行く。
「わぁ〜いっぱいあるよ!」自分の手首ほどの太さの枝に足をかけて、お猿さんは次々と熟した梅を収穫してゆく。お猿さんが体重をかけてたわんだ枝を僕が下から引寄せて手が届くように確保すると、MamaやAzuも収穫開始。木の上と下から夢中で取ったおかげでトートバッグはみるみる重くなる。

ほとんどの実を収穫して、“梅もぎ”は終了。お猿さんも器用に木から下りて来て、15分ほどで斑点のない美しい梅を6.5kgゲットしたのだった。
梅もぎのあとはMamaお待ちかねのリゾートライフ(笑)。正直なところリゾートって呼ぶにはちょっと...みたいなところだけど(都会の人にとっては立派なリゾートなんだろうな)、ホテルやゴルフ場、クアハウスなどが立ち並び、なかなかお金のかかった施設になっている。今回初めてここに立ち寄ってみて、家族で一日楽しむにはなかなか良いところだな、って印象だ。
まずは開田高原のソバを使ってるという手打ち蕎麦屋で腹ごしらえして(バリバリうどん派の関西人の僕には、ウマイのかどうか判断不能...でもウマかった。)、カモミールソフトクリームを戴いた後はお目当てのハーブ園へ。


蕎麦屋にて
やっぱり開田高原は違うねぇ〜>マジコさん

ジャーマンカモミールのお花畑にて
『うぁ〜きれ〜い!このカモメ−ル!』
『かもめーるは暑中見舞いだろっ!』

入場料¥500を払って入場すると、これがなかなかのヒット!!色とりどりの可憐な花が咲き誇り、その花壇を巡る遊歩道には木片が敷き詰められ、歩くのがとっても快感だ。そして、いよいよハーブ園の奥にある「カモミールの丘」へ足を踏み入れる。ほんのりと香るリンゴのような香り。森の小道を抜けると、目前に広がる一面のジャ−マンカモミ−ルの可憐な花!「うぁ〜、やった〜!」Azuが大喜びで駆け出していく。「サイコ〜じゃん!」Maakunが後に続く。で、でも彼らが向かったのはカモミールのお花畑ではなく、隣にあるフィ−ルドアスレチックの遊具だった(涙)。
子供達がアスレチックの遊具に夢中になってくれたおかげで、僕らは夫婦水入らずでゆったりと散歩。花摘みをしていたオネエサン(この場合はアウトドア用語でのいわゆる「花摘み」ではなく、ホントに花を摘んでた)に写真を撮ってもらったりしてラブラブ新婚カップルのよう(ちょっとフケてることを除けば...笑)に過ごす。

今度来た時のために木工工房や陶芸工房などを見学して、今日のリゾートライフはおしまい。パン工房で買った美味しいクロワッサンをかじりつつ、山道を下り帰宅の途についた。それにしても今日は一日PUNTOはトップレスのまま。街ではそんなワケにはいかないけれど、田舎は気楽でいいよなあ...。


「新婚さんですかぁ〜?」...とは聞かれない
オッサンとオバハン、17年目の初夏(笑)

 

*注1 宮川の鮎釣り解禁は鮎の成育不良により6/15に延期されました。釣れなくてイライラ釣り師の竿のトンネル...考えただけでゾッとします。とうぶん川はお預けだな。

 

 

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