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FLAME LAYOUT


 

September.2001

 

 

9月14-16日 万水川〜犀川ダウンリバー&キャンプ 

 

万水川をゆくMama&Azuのハンター
(何故か“タイタニック”のポーズ。撃沈を予期しているのか...笑)

9月14日 さあ、キャンプサイトへ! 「音声案内を開始します。」僕のはやる気持ちをたしなめるようにカーナビの落ち着いた女性の声がディスカバリーの車内に響く。画面には見慣れた我が家周辺の地図。左上には今夜のキャンプサイトまでの距離を示す305kmの文字...雨の金曜日、午後5時。いよいよ待ちに待った「安曇野・万水川〜犀川ダウンリバー&キャンプ」に出発だ。今回は5月に長良川でご一緒させてもらったKevipaさんの仲間たち(kevipa軍団)と野宴会カヌー班などいろんなグループの総勢46人(...と犬6匹)が犀川に集う楽しい川下り。
「また沈しちゃったらどうしましょう!!」「今度は沈しても絶対助けてね!」長良川でハデな沈を披露したMamaは何ヶ月も前からこんな風に心配しつつ、実は「るるぶ安曇野」なんか買ってきたりして楽しそう。万水川〜犀川は以前にカヌー雑誌で紹介されて以来とても人気のあるコースだけに、ネット上の情報も豊富で僕の期待は高まるばかりだ。
午後4時に出発するはずが、仕事や子供たちの学校の都合でやっぱり1時間遅れの出発になってしまう(涙)。今回もカシータを繋いで雨の高速道路を北へ。待ち合わせ場所の中央道・内津峠PAで夕食を食べているとマジコ家のギンギンリバティー号登場!
「どうも〜!」徹夜で仕事をやっつけた後だというのに笑顔のマジコさん&nokoさん&子供達。マジコ一家の笑顔を見ると見知らぬ土地へ向かう不安はいっぺんに吹き飛んでしまうから不思議だ。

30分ほど休憩した後は再び中央道、長野自動車道を北へ。みどり湖PAを過ぎ、松本市内に入ると長野道のすぐ脇で大きな花火が打ち上がる。どうやらちょっと時期の遅い花火大会が行われている模様。「なんだか私達を出迎えてくれてるみたいね〜!」Mamaは超・ポジティブでとっても幸せな人だ(笑)。
間もなくAzuがどうしても見たかった「わたしの川」こと梓川(AzuはAzusaなのです)を渡る瞬間「♪ハァ〜ちじちょうどのぉ〜あ〜ずさ2号でぇ〜...♪」とオヤジなギャグをカマすけど、当然のように子供達は爆睡中。「・・・」Mamaは聞いてるくせに無反応(涙)。豊科ICを下りたあたりで後部座席から「ソーランソーラン、ハイハイ!ムニュムニュ...」の声が...ん?寝言?Maakunは夢の中でも来週の運動会で踊る「南中ソーラン」の練習中(笑)


到着してすぐにオーニングを設営

そんなこんなで爆笑してるうちに22:00、あっと言う間にキャンプサイトである明科町・龍門淵公園前河原に到着。暗闇の中、堤防の急坂を越えると..そこには点々と暖かなランタンの光が...おおっ!Kevipa軍団だ!何とも言えない安心感が僕らを包む。
カシータの設営を終えたあと、4ヶ月ぶりの再会を祝いつつKevipa&マジコ'sツイン・リビングシェルで前夜祭宴会突入。話題はやはり明朝の万水川〜犀川ツーリングについてなのだが、Mamaが突然真顔でボンパさんに尋ねる。「あの〜、ちんぽいんと(沈ポイント)はどこなんですか?」「へ!?ち、ちん...」「瀬のポイントのこと?」「“ポ”のあとにハイフン入れるな!」一同、爆笑。彼女はやはり長良川のトラウマを抱えているようだ(笑)「あっ、見て!星が出てる。」秋雨前線の影響で不安定だった天気もようやく落ち着いて、明日は天気が良さそうだ。高まる期待...「明日も晴れるといいのにね〜!」
こうして楽しい夜は更けていくのだった。


 


キャンプサイトの朝

 

9月15日 万水川〜犀川ダウンリバー 河原を歩く人の足音で目が覚める。天窓から差し込む朝日がまぶしい...そう言えばキャンプに来てたんだったっけ...寝ぼけ眼でカーテンを開けて窓の外を見ると犀川の広い河川敷が目の前に広がっている。昨夜は漆黒の闇に包まれてヘッドランプの届く範囲しか視認出来なかっただけに、川霧に覆われた対岸の山々の幻想的な雰囲気に感動もひとしおだ。お天気は晴れ!青空が広がり絶好のカヌー日和って感じだ。朝食を終え、ツインリビングシェル前で輪になって今日のダウンリバーに関するミーティングが行われる。...と言ってもクルマの回送についてと、狭い万水川で渋滞を起こさないための川下りの順番など5分ほど。野遊び、特に危険を伴うカヌー遊びは危機管理を他人任せにしない、良い意味でのown riskが大前提なんだけど、今回のメンバーは「自分のことは自分でやれる」人ばかりなので事細かに説明する必要もないのが何とも心強い。

僕らは中州からのスタート
スタート地点にて

河童ガールズ

「じゃ、行きましょうか!」Kevipaさんの一声で15艇のカヌーを積んだクルマがスタートポイントに向け動き始める。スケッチを楽しむ人達のイーゼルが立ち並ぶ北アルプスパノラマロードを通って10分ほどで万水橋のたもと明科運動公園に到着。
初めて見る万水川は、両岸には住宅が立ち並び、中州にはキュウリやナスや瓜が流れ着いていたりして護岸が自然の草に覆われてコンクリートが見えない以外は「ただの用水路」の印象だ。
しかも川に入るとかなり生活の匂いが感じられる。ところが全く不快な感じはなく、逆に懐かしさを感じるのが不思議だ。何故だろう、人の手がこんなに入っているのに...きっとここに人が住むようになってからずっと変わらずに愛され続けてきた「愛される川」からなのかな?
各々がカヌーを川に下ろしてスタート準備。

お父さんお母さんが準備してる間にも、ウェットスーツに身を固めた河童キッズたちは川に入ってPFDで川流れ(笑)。ゴール地点にクルマを回送して、木戸橋の瀬のスカウティングをしつつスタート地点に戻ると、いよいよスタートだ。スタートポイントは15艇のフネ(12艇のカナディアン&3艇のカヤック)が同時にスタートするにはあまりにも狭いので、2班に分けて時差スタートだ。
カヌーが中州から離れ、万水橋の上から手を振ってくれるkataさん達に別れを告げると「ただの用水路」は「快適なベルトコンベアー」に変身する(笑)。膝下程度の水深なのに足をすくわれるほどの流れが10m程度の川幅を流れるので岸辺がぐんぐん後方へ飛び去っていく。かなりのスピード感があってすっごく楽しい!!これが万水川かぁ〜、みんなが良いって薦めるはずだ!


いよいよスタート!(マスターさんと)
♪緑のトンネル抜けてゆく〜♪
木漏れ日の中を行く

そんなことに感動してるのもほんの10分ほど。堤防のガードレールが見えなくなって川が森の中に吸い込まれて行くと、さらなる感動が僕らを包む。「うぁ〜緑のトンネルだぁ〜!」Maakunが大声をあげるほどの素晴らしい光景が目前に広がる。両岸のワサビ田から川に向かって木々が覆いかぶさって、まさに緑のトンネルが形作られている。あまりの気持ち良さに前方を行くMama艇の“バウガール”Azuが突然立ち上がり両手を広げて映画“タイタニック”のポーズ(笑)
間もなく、右岸にゆったりと回る2基の水車小屋が見えてくる。大王わさび農園である。水車は一見右岸に面しているように見えるけれど、実は万水川の支流にあるので、この支流を漕ぎ上がらなくてはならない。流速は5〜6km/hと比較的パワーのある男性のソロ艇やタンデム艇には問題ない流れなんだけれど、Mamaにとっては、かなり苦しいはず。彼女も事前に下調べをしてたようで「もし、漕ぎ上がれなかったらスローロープで助けてね!」なんて言ってたけど...。


流れを遡って漕ぎ上がるMama

ところが、ここで強力な助っ人登場!その名は...Azu!先週の宮川でも、渦のトラップに捕捉された時にAzuが必死で漕ぎ始めたらスッと渦から脱出できたんだけど、今回も流れに押されて下流に振られそうになるバウ(船首)をAzuのひと漕ぎが修正して微力ながらMamaの助けになってる!!偉いぞ、Azu!

水車小屋前にて
思わず愛想を振りまくマジコさん

水車小屋の周辺には、観光客が鈴なり状態。「キャー、わんちゃんが乗ってるぅ!」「わ〜あんなちっちゃな子供がカヌー漕いでるわぁ〜!」「がんばってぇ〜!」オネエチャンやおばちゃんの黄色い声が静かな万水川に響き渡る。「ケッ!」照れ屋のMaakunはこういう状況が一番苦手。なるべく目を合わさないように右ばかり見ながら漕ぎ続ける。それに反して、お父さん達はこの手の黄色い声援が結構好きだったりするので、ニコニコ笑いながら手を振ったりなんかして...(笑)


観光客に声をかけられ照れるMaakun

どうにか全員が水車小屋上流の上陸ポイントに到着。今回カヌーには乗らないよりさちゃん、ココペリちゃんたちが岸辺でお待ちかねだ。PFDを脱いで「大王わさび農園」に入る。みんなの目的は、ここのわさびコロッケとわさびソフトクリーム(笑)「コ、コロッケはどこだぁ〜」大型観光バスのお客に混じってコロッケを頬張るウェットスーツ軍団。
特に再スタート時刻を定めていなかったけれど、コロッケとソフトクリームを堪能したメンバーが再びカヌーの周りに集まるのはだいたい同じ頃なのが笑える。僕はちょっと早めに戻ったので、この支流の上流に向けフネを進めることにする。ワサビを育む清冽な水を通して見える川底には水草が揺らめき、その陰には数多くの魚の姿が見え隠れする。う〜ん、いいなあ...と、その時、「akiさ〜ん、赤い携帯電話が流れて行きましたよ!」

えっ!腰に着けてるはずの携帯がないっ!どうやらストラップが外れた模様。下流に戻るとMamaがあきれ顔。「ば〜か!熊野川でカメラなくして、万水川では携帯?」彼女の手には僕の携帯...「赤にしといてよかったわね!」(涙)赤いG-shock携帯と万水川の透明度に感謝!


大王わさび農園に続々と到着する15艇のカヌー


神秘的な雰囲気の川を進む我が家の2艇

水車小屋を出発した僕らは、再び万水川本流に戻る。相変わらず周囲は緑のトンネルが続く。「ねえパパ、アレやっていい?」Maakunが振り返って腰をモゾモゾさせてる。「アレってもしかしてアレか?」「そう、アレ。」「しょうがないな、やっていいよ(苦笑)。」許可を得ると足を水面に出して一気に川へダイブ。そう、アレとはPFDでの川下りなのです。「ひゃっひゃっひゃ、冷て〜!」ほんの数分だけど身体ひとつでの川下りを楽しむMaakun。「おいそろそろ上がった方が...」前方に瀬音が聞こえてきたので慌ててカヌーに引き上げる。

Maakunがバウシートに座った瞬間、突如視界がパッと広がり川幅が何倍にも広がる。右から犀川、左から穂高川、高瀬川が合流する合流ポイントだ。前回、ボンパさんがかなり手こずったポイントだと聞いていたので少し緊張!遥か前方のMamaが「何やってるのよ、もぉ〜、いつも肝心な時にいないんじゃない!!」と叫ぶのが聞こえる。「おまえが泳いだりするから怒られたじゃないか!」「パパがいいって言ったんじゃない!」親子でモメつつもパドルだけはしっかり動かして何ごともなく通過。今回は水量が少なくて斜めからの流れはあるもののパワーはそれほどでもなかったので怖い感じはなかったけれど、水量があったらちょっと怖いかも。

犀川橋をくぐると、もうそこはキャンプサイトへの分流ポイント。かなり流れの早い本流を右に逸れて、今回初めてのライニングダウンの浅瀬をカヌーを曵いて越えると右岸にツインリビングシェルやカシータが見えてくる。キャンプサイトの龍門淵公園だ。ここでMamaはゴールなのだが、どうやら物足りないような表情。「でも、美味しい料理とおんなじで、もうちょっとってとこで止めておくのが次につながるのよねぇ。何事も腹八分目っていうもんね。」日暮れまで魚を追い求める『狩猟本能のみに生きる女』の発言とは思えないけど...
スタート前まで「沈ポイント」(笑)をしきりに確認していた人と同一人物?な自信に満ちあふれた態度に苦笑しつつも、Maakunを降ろし、赤いハンターをカシータまで運んで再びゴールに向けて出発する。


キャンプサイト前の分流に入る

「あれを右に行くとキャンプサイトだよ 」

ここからはカヌーT.R(分かっちゃうな、これじゃ...笑)のインストラクター・Shindoさんと奥様の乙姫さんを先頭に子供を降ろして軽くなったフネが続く。ひとつめの木戸橋の瀬で今回が進水式だったようちゃんのボイジャー415が沈。これまでのコースに比べ比較的パワーがあって瀬も忘れた頃に現れるので少しだけ注意が必要。でも川幅が広くて流れも素直なので(今回の水量だと、という条件付き。前回は高さ2m超の大波が連続して「死ぬかと思った」byボンパさん「長瀞よりすごい状態」byあずさん...らしいので)自信がなければ波を避けてエスケープルートをとることも容易。
ダウンリバーも大詰め、きれいさっぱり無くなってしまった杭の瀬を越えたあたりに、今回のコース最大の瀬が出現。

 


犀川の痛快な流れ

今日参加してるどの子供よりも体重のあるケビン君を乗せたShindoさんと奥様の乙姫さんのパスファインダーが波高が一番高いルートに突っ込む!バウを跳ね上げてひとつめの波をクリア、そして2つめの波を..あれれバウが波に刺さってる!一瞬にしてパスファインダーのガンネルが水中に...水面上に見えるのはカヌーイストのみ(笑)カヌーは完全に水没して水舟状態でコントロール不能...のはずだけど、さすがプロ!最後の最後までちゃ〜んとフネをコントロールされていました。普段スクールの最中は自由にコース取りができないShindoさんは、そんななかでもすごく嬉しそう!川に放り出されたケビン君は『誰か乗せてくれないかなぁ』ってな目をして達者な犬掻きでフェリーグライドしながら川を泳ぎ上がる。『あっ、この人優しそうだ!』ケビン君はマジコさんのグラマンに(笑)流れの中でクロスレスキューを行っていると、間もなくゴールのマレットゴルフ場に到着。今回のダウンリバーは終りを告げた。

我が家のサイト(ウェットが並んでる...)
ツイン・リビングシェルの夜景

ゴール地点からは、ボンパさんのバスコン(キャンピングカー)にカヌー共々乗っけてもらい、キャンプサイトへ向かう。キャンプサイトではMamaが夕食を料理しながらお待ちかね。我が家のメニューはタコ炊き込みご飯と豚汁(笑)
(*この後、某メーカーのカタログ撮影がありましたが、2002カタログが出版されるまで詳しくは内緒!...笑)



居酒屋よりさ開店!!

日が暮れて、ランタンが灯り始めるとメインサイトのツインリビングシェルに見慣れない赤い光が。何かなぁ〜と思って近づくと...「居酒屋よりさ 商い中」の赤提灯!こういうこだわり、だ〜いすき!(笑)聞けば、\100ショップで買った提灯によりさ母さんが文字を書いたそうだ...素晴らしい親子関係に乾杯!!
美味しそうな料理がテーブルいっぱいに並び、楽しいおしゃべりが続く。でも22:00を回ったあたりで突如眠気が襲う。あれれ??キャンプって言えば就寝は25:00って決まってる僕だけど、自分だけではなくMama艇のことにも注意を払いながらのダウンリバーでさすがに疲れたようだ。(ワインもまわってきたのかな?)みんなの話し声が遠くなったり近くなったりし始めたので、失礼を承知で先にカシータに戻ることにする。

そんなわけで僕ら夫婦は焚き火を囲んで語り合う「焚き火ラウンジ あず」に向かうことなく「ウェイティングバーよりさ」で撃沈ということになってしまった。ほとんどのメンバーは焚き火を囲んで25:00すぎまで語り合ったそうで、今になって思い返すとこれだけが非常に残念(次回は絶対最後まで付き合うぞ!)。


9月16日 観光客に大変身! 7:00に目が覚めて外を見ると、今朝は誰も歩いていない。「タフなカヌーイスト軍団もさすがにお疲れ気味かな?」と苦笑しつつ外に出ると、やっぱりみんな起きてました(笑)。
今日はいよいよキャンプ最終日。朝食を食べる頃には朝顔の花が閉じるかのように河原のテントの撤収が始まっている。「どうもお世話になりました!また今度もよろしく!」そんな挨拶を幾度となく繰り返し河原がだんだんと空いていくのは、いつものことながら淋しいものだ。
朝食を食べ終わると、Mamaがクーラーボックスからパンプキンケーキを取り出しツインリビングシェルのテーブルの中央に置いてキャンドルを6本立てる。マジコさんが白いウクレレを弾き、みんなが声を合わせて歌い始める。


居酒屋よりさ店長は眠い!

僕のバースデイパーティー(笑)

♪Happy Birthday to you....Happy Birthday to you..Happy birthday dear akiさ〜ん♪...そう、今日は僕の誕生日。6本のキャンドルは6才という意味ではないのは当然だけど(笑)何故かココペリちゃんがインドネシアの太鼓でリズムをとる。曲の感じに見事にミスマッチの太鼓の音...思わずフラダンスを踊る僕でした(笑)。
子供の頃は「お誕生会」なんてのがあって家族以外の人に誕生日を祝ってもらったりしたけど、この歳になるとさすがにそれはない。ホント何十年ぶりかの大勢で祝ってもらう誕生日に感激だ。しかも大好きな河原で大好きな人達に囲まれて...最高の36歳のバースデイになりました。ほんとうにありがとう!!
風が吹いたら倒れるような超・細切りのケーキを周りのみんなにふるまった後は、いよいよ我が家も撤収開始。

半時間ほどで撤収が完了しカヌーイストモードから観光客モードに頭を切り替えて、Mamaお待ちかねの安曇野観光に出かけることにする。例によって観光客モードのお話はここには書かないけれど、マジコ家、マスター家、よりさ、ココペリ、ようちゃん達と「あづみのガラス館」や「安曇野ハーブスクエア」、そして「安曇野絵本館」などを楽しんだ。なかでも絵本館では偶然にも僕の大好きな絵本作家Ann Gutman&Georg Hallensleben夫妻の原画展をやってて超・感激!楽しい時間を過ごすことができた。絵本館の森のなかのテラスでコーヒーを頂いていると、すでに時計の針は16:00。再び河原に戻りCasitaを連結していよいよ帰路につく準備だ。河原にはもう一泊するあず家とボンパ家を始めKevipa軍団がキャンプモードで寛いでる。そんなみんなにお別れの挨拶をして再会の約束をしてるうちにまたまた話が弾み、そのうちKevipaさんが自作のカヌーカタマラン化キットを見せてくれて...結局河原を出発したのは17:00すぎ(笑)


この絵を見て悲しくなった僕
カシータでトランプ
安曇野絵本館にて

マジコ家と梓川SAで夕食を食べてお別れを言う頃には、あたりはすでに漆黒の闇に包まれている。長野自動車道から中央道に入るとすぐに、リアシートの子供達がイビキの合奏を奏で始める。
「それにしても楽しかったな。」「ほんと、来る前はちょっと緊張してたけど...でも来て良かった!」「また来ような。」「今度も今回のメンバーでね。」帰りは寝る!と宣言していたナビシートのMamaも、笑顔で話し続けて眠る様子はない。そんな時...
「あっ花火!!」「ほんと!きれ〜い!」中央道の左側にスターマインが打ち上がる。遠いけど色とりどりの花火。「ツイてるね!」「ホントね!」僕らの万水川〜犀川ダウンリバー&キャンプはこうして幕を閉じたのである。

Special Thanks !

Kevipaさん(OT-Appalatian/赤)ミエさん(OT-Pathfinder/赤)ケビンくんルークくんクレアちゃん
ボンパ さんかずえさんまさとくんともくんひろくんボンスケくん(MadRiver-Explorer/ベージュ)
シバちゃん もとちゃん(OT-Pathfinder/グリーン )/あずさんとよちゃんなっちゃん(ALLY811/赤)
マジコさんnokoさんはるちゃんひよちゃんかれんちゃん(GramannW-end15/銀色)
まきまきさんシャーパパさんシャーリーちゃん(OT-Camper/オリーブ)
ようちゃん (ARFECボイジャー415)/まっきーさんたまさんひよりちゃんゆいちゃん(Gutz)
YAJ さんneccoさんKoくん(スターンズタンデム) /ココペリちゃん/よりささん
noda さんみほこさんnoda妹さんまりんちゃん/ayaさん だんなさんベルちゃん
夢さんなかちゃんこばやん(ファルト2人艇)/マスターさんゆうきくん (OT-Hunter/緑 )
Shindoさんゆりあさん(OT-Pathfinder/オリーブ)/kata さんカメラマンさん
akiMaakun(OT-Camper/オリーブ)ともちゃんAzu(OT-Hunter/赤 )

and

会ったこともない僕の失礼なメールでの質問に現地調査までしていただき、その上キャンプサイトに訪ねて来て下さったTML(トレーラ-メーリングリスト)の...


須山@松本さん

(順不同 大人子供カヌー犬 間違ってたり抜けてたら教えてね!)

 

PHOTO GALLERY

Sorry,MEMBERS ONLY

 


 


鏡のように凪いだ宮川をゆく

 

9月8日 宮川ベストコンディション! しとしとと降り続く秋雨。今週は雨が降ったり止んだりの初秋らしい天候が続く。来週はお待ちかねの安曇野・万水川ダウンリバーだし、今のうちに雨が降って来週晴れたらいいなあ...と思いつつも、朝起きてみると薄日が射すなかなか良い天気。早速、建設省の水位速報とにらめっこする僕(笑)。宮川の午前10時現在の水位は-0.59。前回makopさん&アキヒロさんと下った時に比べ50cm近く下がってるとはいえ、例年のこの時期にくらべ+0.30...ということは、あの瀬はこんな感じ、この淵の透明度はこのぐらい...10年近くも通ってると不思議なことに川の光景が目に浮かんでくるのだ(笑)。そこで僕の出した結論は...「子連れダウンリバーにベストコンディション。行くしかないでしょう!」
10時に「カヌー行くぞ!」なんて言い始めたもんだからMamaは大騒ぎ。「え〜行くのぉ〜?」慌てて洗濯機を回して、それから洗濯開始。結局、家を出たのは11:00すぎになってしまった。

 

スタート準備完了!中川大橋にて

インターチェンジに向かう途中、いつものように忘れ物チェック!カヌー、パドル、PFD...今日は忘れ物ないなあ、と思ってたらMamaが一言。「ねえねえ、今日は川下りでしょ?じゃ、帰りはどうするの?」あっ、自転車忘れた!
やっぱり忘れ物があるのでした(涙)最近、家族だけで川下りすることが少なくて、いつも誰かとご一緒させてもらってるのでゴール地点からクルマに戻る方法なんて、あまり考えたことがなかった。イカンイカンと呟きつつ、再び家に折り畳み自転車を取りに戻ることに。結局、宮川に到着したのは11:40。
今日のスタート地点・中川大橋は手前の橋脚まで水があって(この橋脚の周りに水があるか、ないかがこのコースを下れるかどうかのだいたいの目安。円形の水たまりになってるとかなり苦しい。)しかも今年一番の透明度!「よっしゃ〜」思わず声が出る。

すぐにALLYやアクアミューズのファルトボートのグループもやってきたので色々お話をしたかったけど、ランチタイムも迫ってるってことで5分(!)で準備をして川に出る。AzuとMamaのHunterを先に行かせ、自転車を載せたMaakunと僕のCamperが続く。快適な早瀬と川底の岩がくっきりと見える深い淵が交互に現れ、まずまずのスピードで2艇のカヌーは進む。中川大橋から宮リバーにかけては、(水量さえあれば)人工物が全く目に入らず、快適な流れのある「最も宮川らしい」コースだと言える。
「ねえ、ここはザッブ〜ンってとこない?」Azuは5月の長良川での激沈以来、瀬が苦手。しかも今回は赤いHunterにMamaと乗るという、長良川と同じ布陣(笑)「ねえ、わたしザッブ〜ンはイヤよ。ね、ね。」Azuはしつこく確認する。

気持ちの良い早瀬を下る
瀞場はあくまでも穏やか

2kmほど下ったところで、子供達の「ハラヘッタ」の合唱が始まったのでランチタイム。川辺に座って食事をしてる最中も、子供達は浅瀬にくり出して魚捕り。「あ〜いたいた、カッワイイ〜!」さっきまでビクビクしてたAzuも超ゴキゲン。
ランチタイムが終わると、再びカヌーで下流を目指す...目指すといっても、今日は自転車があるのでゴール地点は未定だ。疲れたなあって感じたところがゴール。クルマをデポしないダウンリバーのなんと自由なことか!!
僕がALLY(ファルト=組み立て式カナディアンカヌー)が欲しい理由は、ゴールに縛られることのない、この自由な気分を味わいたいからだ。またファルトでの川旅は同じ場所に再び戻る(しかもクルマで)という興醒めなことをしなくても良い。基本的に一期一会。まさに「旅」そのものだ。


あっカワセミ!


 


水面に空が雲がそして岸辺の緑が映りこむ


「あっカワセミ!」晴れ渡った秋の空の下、ライトグリーンの川面スレスレを一直線に飛ぶカワセミ。お腹のオレンジ色と周りの景色とのコントラストが美しい。僕らに背中を見せて50mほど先の木立に吸い込まれていく。


参考までに。
(Photo by うちの隣の石井さん)

「ちょっと追いかけて見ようぜ」苦手なインディアンストロークを駆使し(笑)、(おいおい、それはスカーリングだって!>Maakun)息を殺してカワセミが入った木立に近づく。「チィィ〜」さっきよりも近くでカワセミ出現。そしてもう一度...今度は河原に留まってる!(息を殺して)「ねえ、あのカワセミってメスだね。」Maakunがクチバシの色を肉眼ではっきりと識別できる距離まで近づくことに成功。(クチバシが赤いのがメス、黒いのがオス)その後も7羽のカワセミに遭遇することができた。なかでも圧巻だったのは、ホバリングから水中に飛び込んで、見事魚を捕らえる瞬間に立ち会えたこと。河原でオスがメスに餌を与えてるのも見られたし。もちろん、定番のカワウ、コサギ、アオサギ、トンビ、セグロセキレイ...そして川面のワームを補食するツバメのような鳥のキャッチ&イートも頻繁に見ることができた。「今日は、なんだか良い日だね。」子供達も満足そう。

三ツ岩屈曲の瀬(上流から)
三ツ岩屈曲の瀬(下流から)

「三ツ岩」のコース取りについて

宮リバーパーク下流、南伊勢大橋手前の通称「三ツ岩」は本流の中央部の大岩と支流の合流により流れが複雑になっています。非常に簡単な瀬なのですが、大岩直前に隠れ岩も多数あり、運が悪いと沈の可能性もあります。特に沈したあとの右岸の飛び出した岩はオーバーハングになっていて縦方向の水流が強く、水量によっては一旦巻き込まれると出られない可能性があります。一番狭い部分で左ターンする際にも、大きな隠れ岩がありますので注意!ビギナーは右岸ギリギリに進入して一旦右岸側の支流のエディに入ってから本流に戻るか、又は左岸の河原をポーテージが無難かも。毎年、水死者が出る場所ですので水泳には充分注意して下さい。

(川漁師さん情報)

川底の玉砂利がスゴイ勢いで後方に飛び去っていくような感覚。そんな快適な早瀬をいくつか越え、スタートから10kmの宮リバーパークが見えてくる。「この辺でゴールにしようか?」そんな僕の問いかけに「何だか人の多い場所はイヤよ。もう少し下りましょう。」そう答えるMama。じゃ、ってことで宮リバーパークを通り過ぎ、さらに下流を目指す。
そこでAzuが一言「ねえねえ、パパ、もう“せ”はないの?」「ああ、安心して!もうないよ。」「な〜んだ〜つまんないの!」へっ!?つ、つまんないだって!「あーちゃんね、もう“せ”怖くないの。ぜ〜んぜん」...Azuの言ってる“せ”がどの程度の瀬なのかは別にして、彼女の「長良川シンドローム」は確実に快方に向かっているようだ(ホッ!)
3〜40分漕いで、伊勢自動車道を越えたあたりの15kmポイントでMamaがちょっと疲れ気味。せっかくカヌーに好印象を持った女性陣に無理をさせると都合が悪いので、ここをゴールにすることに。
左岸の十数mのスロープを登り切った場所がバス停、というゴール好適地なので、せっかく自転車を積んできたけどバスでスタート地点に戻ることに決める。


ワタシ、もう瀬が怖くないの

「ま、取りあえずバスの時刻表見てくるね。」ゴールするなりバス停へ。一時間に一本(又は2時間に一本)しかないバスだというのに、なんと3分後にバスが到着(笑)し、PFDを脱ぐ間もなくバスに乗り込む。


宮川にて 1994

「なんかさあ、昔パパとこのバスに乗ったよね。」
Maakunが突然思い出話を始める。ん?そうだっけ?「パパとふたりっきりで川下りしてさぁ、バスに乗ったんだよね。一時間ぐらい待って、やっと来たバスに乗ろうとしたら背負った防水ザックに縛ったパドルが入口に引っ掛かって、パパ『入れな〜い!』ってもがいてたよね(笑)」
えっ!確かに...でもあれってMaakunが2才の時だぜ!覚えてるのか!?「覚えてるよ、度会橋でウ●チした。初めてオムツじゃないウ●チだったもん。」(笑)あれから7年...いまだに同じことやってても感動が褪せないカヌー遊び、恐るべし!
僕らの乗ったバスは、5つめのバス停でお婆ちゃんが降りた後は僕らの専用バスになる。夕暮れの宮川を眺めつつ『あと7年してもこんなことやってるのかなあ...』なんて未来に思いを馳せる。(その時Maakunは高校生だ!)

スタート地点そばのバス停でバスを降り、クルマでゴールに戻る。スロープを下ると、さっきまでクルマの進入を止めていた鎖の鍵が外れている。「パパお帰り!さっき川漁師のおじさんが川を見に来て『こんな大きなフネを上まで上げるのは大変やろ?待っとけ、オレが鍵開けたる。』って言って、家まで鍵を取りに行ってくれたのよ。」とMama。親切な方もいるもんだ!と感動しつつクルマを岸辺まで降ろしていると、間もなく川から川舟に乗ったオジサン登場!「おっ、旦那さん帰ってきたな?ゴミほかす人がおるで閉めとるけど、開けといたったでな。」ん?え?あれ?オジサン...モーリーにそっくりだ!(笑)野宴会会長で“でじたる漁師”のモーリーの20年後まんま!

カヌーを積み終えた後、しばしオジサン(Iさん)と語り合う。聞けば、彼は建設省に委託され25年もの間、宮川の水位計の番人をやっていて、一日2回の計測を欠かしたことはないという。
「今日はワシの他にフネ(*川漁師舟)出とったか?」と他の鮎漁の動向をリサーチ(川を上流から下流へ通して下るカヌーイストが川一番の情報通なので、よく尋ねられる)したあとは、両手を一尺ほどに広げて「昨日なこ〜んな鮎を80匹上げたんやで!」と活き活きとした笑顔。そして話は川の昔話に...


カヌーの陰に集まる小魚たち

「昔はな、もっと河原が広うて厚うてな、その真ん中を川がエライ勢いで流れとったんやで。水位はあと3mは高かったな。上(上流)から下(下流)までゴォーゴォー流れとったんや。そやけどダムができて用水(*宮川用水)に水持ってかれて、河原も砂利取り(砂利採掘)したもんで、こんな有り様や。」僕が宮川に長い間通っていることや最近「宮川ルネッサンス事業」の講座に参加してることなどを話すと、「ああ、そうなんか!」と嬉しそうに笑ってもっと饒舌になるIさん(笑)「今年、宮川が水質日本一になったやん?見てみ、こんな川が日本一やで...ここが日本一やったら他はどんなに汚いんやってことやわな。そやけど、ここ5年ぐらいは確実にうつくしなっとる、な?」自ら『あいつがおらへんだら川に行ってみよ』って言われるぐらいの「川キチ」というIさん。別れ際に何度も何度も僕らに言った言葉は...「また来たってな(また来てね)」だった。涙が出そうになるほど嬉しかった。子連れに優しい川、素晴らしい人達...だから宮川はヤメられません!

 

 

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